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【第十三回】ようやく川を渡る

3日目 雑色~新子安 ①

womoライターで寄り道担当の妻【こしあん】と、下調べと三脚担当の夫【つぶあん】。「あんこは、こしあんかつぶあんか」のような、ある意味どうでもいいけれど永遠のテーマを時おり議論しながら、東海道五十三次を“コマ切れ”で歩きます。お供は磐田市イメージキャラクター「しっぺい」です。日頃まったく運動せず、極度の面倒くさがりである二人が、どこまで頑張れるか、どうぞ笑いながら見守ってください。(筆者:つぶとこし)

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第十三回 ようやく川を渡る

前回の【おまけ旅】から約2ヶ月後の5月9日(2015年のですが・・・)、3日目の旅を再開しました。天気はちょっと小雨が心配な曇り空ですが、歩くのにはちょうどいい涼しさです。高速バスで横浜駅まで行き、京急線に乗って前回のゴール地点・雑色駅へ。スタート時刻は10:30でございます。

10分ほど歩くと見えてきたのは「六郷神社」。江戸時代にはこの神社を少し過ぎた辺りに一里塚があったそうです。日本橋から4番目の一里塚です。


とある酒屋さんの店先に、東海道歩きの人のために休憩用のイスが置かれていました。


こういう素朴でさりげない気遣いに感激!
まだ歩き始めだったので座りはしませんでしたが、一日で日本橋から川崎まで歩く人もたくさんいるので、橋を渡る前の休憩にぴったりな、ありがたい場所だと思います。

この先の多摩川を渡れば、いよいよ川崎宿です。この川は六郷川とも呼ばれ、慶長5年(1600年)に徳川家康が六郷大橋を架けました。この年は関ヶ原の戦いの年でもあり、家康率いる東軍がこの橋を渡って西へと向かったそうです。

しかし多摩川の洪水によりたびたび橋は流され、貞享5年(1688年)の大洪水以来、明治に入るまで、「六郷の渡し」といって、渡し舟の時代が続きます。


広重の絵にも描かれていますが、情緒があっていいですね。昔は富士山もキレイに見えたんですね。



現代では立派な橋が架けられているので、歩行者は道路の横にあるこちらの歩道橋から上がります。



川崎市には高層マンションが次々と建設されている模様。



さぁ、いよいよ、東京が終わり、神奈川に突入だよ!


舟で渡る情緒はないけれど、県を越えた達成感マンマン!
あと、橋の上って歩くと意外と揺れが伝わってきてこわかったよう(>_<)


こちら、写真で見ると何がなんだかよくわかりませんが、渡し舟の形をしたオブジェです。最初に橋に上がった時、道の反対側に同様のオブジェがあり、「なんで反対側なんだよ、チクショー、両側に置けよ!」と悪態をついておりましたが、渡った先のこちら側にもちゃんとありました(+o+)
不適切な発言があったことを深くお詫び申し上げます。

さて、「六郷の渡し」にはいくつかのエピソードがあります。

享保13年(1728年)6月にベトナムから幕府への献上物として長崎に象が届き、翌年の5月に江戸へと向かう途中、六郷の渡しに船を並べてその上に板を敷いて船橋を造り、象を渡らせようとしたとか。しかし、実際に象が渡った記録は残っておらず、3トン近くもある象を船橋で渡らせるのは困難と判断し、3隻の大きな船を繋いで上に小屋を作って渡したという説もあるそうです。
どちらにせよ、「象さまのおな~り~」といった様子で、時間と労力がかかる大変な作業ですよね(^_^;)

ちなみにこの時の将軍様は「暴れん坊将軍」吉宗です。無事に江戸まで届いた象を見て歓喜し、マツケンサンバでも踊ったことでしょう(*^_^*)

しかし、象は泳げるので、川を泳いで渡れば簡単だったのに……と思いますが、大事な献上物なので、それはできなかったんでしょうね。万が一、傷ついたり、何かあったら大変だし、そもそも、あんなに大きくて重たい象が泳げるなんて思えないですしね。

また、明治初年の東京遷都の際は、船を繋ぎあわせて船橋を造り、明治天皇が六郷川を渡ったそうです。象に比べるとラクショー!
その時の記念碑が橋のたもとにあります。


六郷橋を渡り、右へ進むと旧東海道、左へ進むと川崎大師へ通じる大師道になり、川崎大師の灯籠も立てられています。


ようやく2番目の宿場町・川崎宿に到着~。
一番最初の目標としては、1日でここまで来る予定でしたが、3日もかかってしまいました(^_^;)

六郷の渡しと川崎大師参詣で賑わった川崎宿。当時の面影はほとんど残ってはいませんが、宿場町としての歴史を伝えるべく、川崎市としてもいろいろ取り組んでいるようで、とても好感がもてます。

というわけで、川崎宿の詳しいお話はまた次回!


つづく

【つぶとこしがこれまで歩いたルート】


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更新日:2016/10/3
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つぶとこしの『コマ切れ東海道あるき旅』 文章担当の妻【こしあん】と写真担当の夫【つぶあん】。日頃まったく運動せず、極度の面倒くさがりである二人が、東海道五十三次を“コマ切れ”でゆるゆると歩きます。

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