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【山の読書室/虹ブックス】富士山麓の自然豊かな中、本が読めたり仕事ができたりする場所が2021/7/16(金)富士宮市猪之頭にオープン

【山の読書室/虹ブックス】富士山麓の自然豊かな中、本が読めたり仕事ができたりする場所が2021/7/16(金)富士宮市猪之頭にオープン

個性的なラインナップの本が読める読書室が富士宮市猪之頭地区にオープン。電源やWi-Fiも完備で、富士山を見ながらコワーキングも可能。また、「虹霓社(こうげいしゃ)」の出版物やつげ義春公式グッズの展示販売もしており、外の屋台スペースではコーヒーやビールをいただくこともできる。「山の読書室/虹ブックス」と「虹霓社(こうげいしゃ)」を営む古屋淳二(こやじゅんじ)さん、然子(もえこ)さんご夫妻にお話をうかがった。

2021/7/16(金)OPEN! ショップ・富士宮市猪之頭「山の読書室/虹ブックス」

「山の読書室/虹ブックス」は民家の納屋をリフォームしてオープン

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(「山の読書室/虹ブックス」の提供写真)

富士宮市猪之頭地区。富士山の麓にあり、近隣にはキャンプ場やニジマス釣りができるほか、陣馬の滝などの観光スポットがある。湧水が流れており、水もおいしい。移住者の受け入れに積極的なエリアでもあり、豊かな自然に魅せられ、移住してくる人も多い。「山の読書室/虹ブックス」の古屋さん夫妻もその1組だ。

富士宮道路を北上し、猪之頭公園のすぐ近く。標高700メートルほどあるので夏でもエアコンなしで過ごせるくらい心地よい風が通る。古屋さん夫妻は自宅横の納屋をリフォームし、「山の読書室/虹ブックス」をオープンした。
「Wi-Fiやパソコン、電源利用は2時間500円と有料なのですが、本を読むための入室は無料。オープン日であれば、1日いていただいてもOKです」と然子さんは話す。

「山の読書室/虹ブックス」の本はサブカルチャーが多い

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置いてある本は結構コアな本が多い。取材したwomoライターもそれなりの本好きで、自宅に大量の本を所有しているが、こちらに置いている本は確かにほかでは見かけないようなものが多い。
「二人の蔵書が中心です。図書館にはないようなサブカルチャーの本が多いですね。アート、映画、暮らし、オルタナティヴ…。コアな人文学や洋書もあります。お子さんにはちょっと刺激が強い漫画も。漫画は多いですね」と淳二さんは話す。
ほかで読めないようなセレクトの本を置いているとのこと。子どもには刺激の強い本もあるが、古屋さん夫妻にも小2、4歳、3歳のお子さんがおり、子どもたちには早めにそういう文化を知ってほしいそうだ。

「山の読書室/虹ブックス」のオープンを知って寄贈書も寄せられているので、すべてがお二人のセレクトとは限らない。文学全集や紙芝居といったいわゆる“図書館に置いてあるような本“もある。
「紙芝居は紙芝居コレクターの知り合いから寄贈してもらったもの。とても古いものが多く、戦争関係のものも混ざっているんですよ。もしかしたら最近の図書館にはないかもしれませんね」とのことだ。

「山の読書室/虹ブックス」ではコーヒーやビールもいただける

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近くに湧水が汲める場所や、パラグライダーの着陸場、キャンプ場があることから、コーヒーを飲みに訪れる人もいるようだ。
オーガニックコーヒーやカフェラテ、瓶ビールも提供している。露天営業許可なので、あくまでも外の屋台スペースでの販売。

「まだオープンしたばかりで宣伝らしい宣伝もしていないですし、今回の取材にあわせてまだ準備途中だったのですが、慌てて片付けました。段ボール等も置きっぱなしだったので」と笑いながら話す。不思議と懐かしい気持ちになるようなとても居心地のよい空間だ。

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外の屋台スペースでは飲み物を提供。この屋台がある場所はかつては鶏小屋だったそう。壁を取り払い、自分たちの手でつくり変えた

「山の読書室/虹ブックス」は電源やWi-Fi完備。仕事場としても利用可能

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電源やWi-Fiもあるので、コワーキングとしての利用も可能。天気がよければこの席から富士山が見える

「もともとはコワーキングスペースにしようと思って、何年も前から周りに言っていたんですが、場所も場所ですし、どうせなら自分たちの好きなことをやろうと思って、読書室にしました。一番下の娘が保育園に入園することになったので、ようやく作業を進めることができ、店名にもなっている“虹の日”である7月16日(なないろの日)のオープンを目指して準備してきました。誰も来なかったら仕事場にすればいいと思っているくらい、そんなゆるい気持ちでやっているんです」。

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室内は土足。毛皮が敷かれたスペースは靴を脱いで座ろう

家具のリメイクや納屋の内装は、知人のデザイナーが担当。書棚には、以前の持ち主がそのまま置いていった家具や保育園で使われていた棚などが再利用されており、ほかにも近所からいただいた木材をつかって淳二さんが制作した棚もある。
「お隣さんから古い畳をいただき、その上に知り合いからいただいた毛皮を敷いて、座れるスペースも用意しています。この毛皮、シカと聞いたのですが、シカにしては大きくてウシかもしれないですね」。

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家の持ち主が建具屋を営んでいたとのこと。くぎ入れが残されており、インテリアの一部として置かれている

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いずれはレンタル1箱本棚も始めたいとのこと。現在はこの棚のみレンタル本棚として実験的に置いている


「山の読書室/虹ブックス」のつげ義春グッズが密かに熱い?!

つげ義春(よしはる)という漫画家をご存知だろうか。1987年を最後に漫画を発表していないそうだが、そのシュールな作風は今も根強いファンが多い漫画家だ。淳二さんもつげ義春氏の大ファン。偶然にもつげ義春氏の編集者と出会う機会があり、紹介してもらえることに。
「東京在住時代は10年ほど広告や雑誌などの制作会社等に勤務していたのですが、退職して独立。つげさんにお会いすることができ、厚かましくも『Tシャツをつくりたい』と申し出たところ、あっさりいいよと言ってくださったんですよ。『紅い花』『ねじ式』の作品のTシャツを限定100枚で企画制作しましたが、これがあっという間に完売してしまったんです」。
Tシャツ制作の際、「紙」「布」「糸」を素材とした編集工房「虹霓社」を立ち上げた。企画を淳二さんが、デザインを美大出身の然子さんが担当している。

その後、手ぬぐいを企画したところ、なんと筆をすでに絶っていたつげ義春氏が、特別に描き下ろしを含む原画を描いてくれることに。「これは業界では本当に大事件でした」と話す。
Tシャツ、手ぬぐいのほか、缶バッジやトートバッグも販売。Tシャツは著名人が着て、SNSなどで紹介してくれることもあり、よく売れるという。

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最近、つげ義春グッズが再び注目を集め始めているそう

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「虹霓社」が企画編集した本のコーナーも

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つげ義春氏の本が豊富にそろう


「山の読書室/虹ブックス」のお二人は2017年に東京から移住してきた

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とにかく素敵で仲良しなご夫婦

以前は二人とも東京で仕事をしていたが、そんな最中に起こった東日本大震災。東京暮らしにいろいろ思う部分もあり、地方移住を選択したという。
「徳島県神山町というところに家族で移住しました。移住者が多いところで、みんな自分たちでつくった酵母でパンをつくったり、味噌をつくったり、酵母ジュースをつくったりと、なんでも手づくりしていました。人にも恵まれ、環境もよかったのですが……ちょっと東京から遠すぎましたね。もう少し東京から近い場所で、自然があるところがいいなと思い、知り合いがいて時折訪れていた富士宮がいいかもしれないと思ったんです」。
こうして2017年に富士宮へと移住した。

「静岡は暖かくてミカンが食べ放題という印象があったのですが、朝霧高原に近いこの場所は、ミカンもあまりないし、暖かくもなかったです。でも、薪ストーブがある暮らしができるので、それはそれでいいですよ。夏もエアコンなしで快適に暮らせますし。徳島の里山暮らしで学んだのは“自分たちの暮らしは自分たちでつくり出せる”ということ。仕事として作品制作もしますが、それだけに留まらず、衣食住のうちのできるところは自分たちでつくりたいなという考えがあります」。
ちなみに取材日に淳二さんがはいていたモンペは、然子さんがリメイクしたもの。「いかにもおばあちゃんのもんぺ、という感じのズボンを、全部ほどいて型からつくりなおしたんですよ」と笑う。後ろには、白い大きなポケットがついてつげ義春氏のTシャツにとてもよく合う素敵なデザイン。

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自然豊かな場所、薪ストーブ、納屋を改造した読書室、とてもうらやましい暮らし。
「住居として案内してもらった家は2軒あり、1軒はすぐにでも住めるような家で、もう1軒は前の住人の荷物が残され、しかも床が抜けているところもありました。でも、それが逆に素敵に思えたんですよね。納屋で何かできそうと思ったし。案内してくれた方々からも『本当にこの家でいいの?』と言われちゃいました」と淳二さんは当時を振り返る。

古屋さん夫妻の地方移住の話や、暮らしについてのお話もおもしろいので、立ち寄った際にはぜひ聞いてみるのもおすすめ。そして二人の仲の良さがここの雰囲気をよくしているような気がする。仕事も一緒なので、四六時中一緒。それでもこんなに仲良しなのだから、その仲良しの秘訣を聞いてみたくなる。

「富士宮には古書店があまりないので、古本市のようなイベントや、紙芝居などの本にまつわるイベントができたらと考えています」。
ちなみにエアコンがないので、冬の営業形態はまだ検討中とのこと。個人的にはストーブがある空間で山小屋に閉じ込もったような気分で本を読みたいなと感じた場所。ぜひ冬も営業してほしい。

【MENU】
●オーガニックコーヒー(Hot)……250円
●オーガニックコーヒー(Ice)……350円
●カフェラテ……400円
●Beer(瓶)[ヒューガルデンホワイト・ギネス・ハイネケン] ……各500円 ※取扱銘柄は変更になることも

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「山の読書室/虹ブックス」の詳細はwomo店舗ページをチェック

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富士山麓の自然豊かな中、本が読めたり仕事ができたりする居心地のよい場所

更新日:2021/8/20
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