womo

コラム

編集部が注目するスポットやトレンドなど、女性が気になる地元の楽しみ方をまとめた「コラム」。
イベントの様子や限定情報など、記事形式で紹介。お得なキャンペーンやフェア情報もあるので見逃さないで。

コラムシリーズイメージ

womoシネマ伝道師こしあんの『ぐるぐるシネマ迷宮』 筆者だけの思い出調味料満載の懐かし作品から、あまり共感を得られないようなディープな作品まで、密かな魅力いっぱいのシネマ迷宮へようこそ。出口はたくさんあります。 ライター:こしあん

Original

【第3回】シン・ゴジラ(2016年)

新・真・神・進・信・深 ゴジラ

筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、読書、お笑い、カメが大好き。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆるい解説と小学校から上達していないイラストで、好きな映画を紹介していきます。

シン・ゴジラ(2016年)

大ヒット上映中の『シン・ゴジラ』。
興奮しすぎてパンフレットまで買ってしまいました。パンフレットを買うなんて10年ぶりくらいです。
今の私は、寝ても覚めてもゴジラのことばかり考えています。
向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもないのに。

あの恐ろしいゴジラのフォルムとテーマ曲が、私の心を埋め尽くしています。
とにかく面白くて大興奮! 心を揺さぶられる映画なのです。

「えーーー、ゴジラって怪獣映画でしょ?」
「子どもとか特撮好きのオタクが好きなやつでしょ?」

ちがうんです!!!
『シン・ゴジラ』は、大人向けの社会派エンターテインメントなんです。
実際、目の前の席に座っていた小学校低学年くらいの男の子ふたり、途中で飽きてしまったようで画面を見ておらず、帰りたがっていました。

この映画のキャッチコピーは『現実(ニッポン) 対 虚構(ゴジラ)。』
ゴジラという虚構を通して、現代の日本が抱える問題をリアルに描き、日本を守るために闘う人々にスポットを当てた物語です。


総監督は『エヴァンゲリオン』で有名な庵野秀明監督。
エヴァファンにとっては、随所に見られるエヴァっぽい演出に心が躍るようですが、私はエヴァは観たことがないし、とくにゴジラファンでもないけれど、『シン・ゴジラ』の世界にどっぷりはまれました。
カメラワークも演出も音楽も良い。

ガッズィーラじゃない、ゴジラ。
世界に誇る、真のメイド・イン・ジャパン・ゴジラです。

現代の日本を舞台に、こんなに素晴らしいゴジラ映画を作ってくれて、庵野監督、本当にありがとうと言いたい!
庵野監督の繊細なこだわりと、1954年に公開された初代ゴジラへのリスペクトが見事に融合されていると思います。


【ここから先は若干のネタバレを含むので、まっさらな気持ちで観たい方は鑑賞後にお読みください】


まずは予告編をご覧いただき、気分を高めてください。

シリーズ史上最大・体長118.5mの凛々しさ

映画を観て、私の中で一番印象に残っているのがゴジラの形態変化。
水中にいる時の第一形態から完成形の第四形態まで変化するのですが、まだ「ゴジラ」と名付けられる前の「巨大不明生物」と呼ばれている時の気持ち悪さったら……。
ヤバそうな目と、進化の途中のような不完全な形状で這いつくばる不気味さ。
生理的嫌悪感がハンパないんですけど、形態が変化するという発想が素晴らしいと思いました。

完成形のゴジラは逆に、凛々しくてかっこいいんです。
ゴーヤのようなゴツゴツした表面は溶岩みたいで、内部はマグマのように赤く燃えている。
ゴジラを造り出してしまった人間たちへの怒りのようにも見えます。

今回のゴジラはすべてCGなのですが、その動きはモーションキャプチャーをつけた野村萬斎だったと知って驚き!
確かにあの凛々しさや美しい佇まいは、日本の伝統芸能そのもの。

ゴジラが東京の中心を歩き、暴れる姿は、恐怖なのにどこかもの悲しいんですよ……。
ゴジラ的にはただ歩いているだけなのに、銃やミサイルで攻撃されるなんて…泣けてくる…。

シン・ゴジラの体長はシリーズ史上最大の118.5m。初代ゴジラが50mなので、かなりの大きさです。
でも、都会のビルの間を歩いているとそんなに目立たないんですよね。改めて、都会の発展ぶりに驚かされます。
ビル群のほうがよっぽど巨大で無機質で、ちょっとした恐怖感さえ覚えます。

CGのメイキング映像も興味深いです。

真面目さと遊びの絶妙なバランス

それから、登場人物のほとんどがめちゃくちゃ早口なんだけど、実際、頭のいい人たちってこんなふうに早口で話すし、お互いそれで理解し合えてますよね。
私のような凡人はついていけなかったけど、全部のセリフを理解しなくてもストーリーは分かるので、この雰囲気を楽しめばいいんだなって途中で気づきました(^_^;)

想定外の事態が起きた時の役人の面倒くさいやり取りとか、日系人役の石原さとみの英語・日本語混じりの《AEON英会話》とか、真面目さのなかにある、狙った笑いのバランスが絶妙で、私はこういうの大好きですね。

ゴジラをやっつける作戦のひとつ、「無人在来線爆弾」も大好き!!!
“在来線”という言葉の響きと魔力にメロメロ。
ゴジラに立ち向かっていく在来線たちがかっこいいというか、かわいいというか……。
そのシーンで流れる音楽もとても良いんですよ。

【今日のまとめ】

ゴジラという圧倒的な破壊力をもつ存在に対して、ただ立ち尽くすしかない人間という小さな存在。
でも、ゴジラを生み出した原因のひとつは人間である、というやり切れなさ。

ゴジラが暴れた後の街の様子は、3.11を思い起こさずにはいられない。
絶望と不安。それでも私たち日本人は、少しずつ、前を向いて立ち上がる。

「日本はまだまだやれる」
このメッセージに胸が熱くなります。
絶望のなか、ひとすじの希望と勇気をもらえる作品です。

ゴジラを通して、原発、放射能、震災、自然災害、戦争、自衛隊、日米問題など、日本が抱えるさまざまな問題を描きつつも、ワクワクしながら楽しめるエンターテインメント作品に仕上がっています。

映画を観たあとに、あぁじゃない、こうじゃないと感想を言い合うのが楽しい作品です。


【今日のまとめ】
シリーズ最新作にして原点回帰。
圧倒的な破壊力に立ち向かう日本人の知恵と魂。


---------------------------------------------
■シン・ゴジラ(2016年)
出演:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ
脚本・編集・総監督:庵野秀明
監督・特技監督:樋口真嗣
公式HP

(C)2016 TOHO CO.,LTD.

2016/8/17

この記事をSNSでシェアする