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womoシネマ伝道師こしあんの『ぐるぐるシネマ迷宮』 筆者だけの思い出調味料満載の懐かし作品から、あまり共感を得られないようなディープな作品まで、密かな魅力いっぱいのシネマ迷宮へようこそ。出口はたくさんあります。 ライター:こしあん

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【第5回】君の名は。(2016年)

日本の伝承と現代的な美しさがとけあうジャパニーズ・ファンタジー

筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、読書、お笑い、カメが大好き。特技はイントロクイズ(80年・90年代ソング限定)。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆるい解説と小学校から上達していないイラスト(ときどき)で、好きな映画を紹介していきます。

君の名は。(2016年)

ついこの間まで「ゴジラ」でいっぱいだった私の心は、早くも「新海誠」でいっぱい。
今年の夏は素晴らしい映画が目白押しで、困っちゃうよう。

「新海誠 Walker」(KADOKAWA)なるムック本まで買ってしまいました。
2400円(税別)。ケチな私としてはなかなかの衝動買いです。


8月26日に公開された、新海誠監督の最新作『君の名は。』。
公開10日で観客動員数290万人、興行収入38億円を突破したそうです。って書きながらもあんまりピンと来ていない私ですけど、まぁ、勢いとしては『シン・ゴジラ』を上回る異例の大ヒットらしいですよ。

公開3日目の日曜日の午後に観に行きましたが、客席は8割くらい埋まっていて、若い人が多かったですね。
意外にも男の子のグループが多い印象。昔からの新海誠ファンでしょうかね。あとは若いカップル。

主人公が高校生の男女ですからね。まぁ、そういう客層が多くなりますよね。
そんな中、おばさん、ちょっと恥ずかしかったですけど、映画館は暗いですからね、気にしないよ!

「若い世代向けの甘酸っぱい青春ストーリーでしょ」と思うなかれ。それだけではない!!!

30代も40代も50代も、かつて思春期というものを経験した人みんなが“きゅん♪”となる作品です。
心の中に眠っていた、小さな小さな【青春のカケラ】が、呼び起こされるはず。

高校野球を応援する感覚に似ているのかな……と言いつつ、私自身はそんなに高校野球見ないんですけどね。


とにかく、なんだかわからないけれど涙がこぼれる。まさに心の琴線にふれる作品。
観た後に予告編とか何度も観てまた泣いちゃう。余韻で泣いちゃう。
映像もストーリーも音楽もすべて素晴らしい。世界に誇れる日本のアニメ作品だと思います。


こちらが予告編。
「予告2」のほうがちょっと詳しく内容にふれているので、まっさらな気持ちで映画を観たい、という方は「予告」のほうだけで……。

はじける青春

前回のコラムで紹介した『秒速5センチメートル』と『言の葉の庭』は、映像は本当に抜群に美しいのだけど、どちらも登場人物に共感できなくて、どこかモヤモヤしていました。
でも『君の名は。』にはそれがなく、三葉ちゃんも瀧くんも二人とも良いキャラクターなので、全力で二人を応援してしまう。ここが大きなポイントだと思います。

声優さんもみんな素晴らしい。違和感まったくなし。
三葉ちゃんの声は上白石萌音、瀧くんは神木隆之介。
主人公ふたり、入れ替わった時と通常状態とちゃんと演じ分けられていて、本当にスゴイと思いました。
特に神木くん!!!
入れ替わった時の女子女子した感じと、本物の瀧くんの時の男の子らしい声とのギャップ。素晴らしーーーーー。萌えます。
神木くんは、もともと新海監督の作品の大ファンということで、作品についてすごくよく分析しているなぁと思いました。

ふたりの入れ替わりをコミカルに描く前半があるからこそ、後半の緊張感あふれるシリアスで壮大な展開に胸が締めつけられます。

若い子が必死になって走る姿って、なぜこんなにも泣けるんでしょう。
終盤ずっと、「どうかどうかお願い間に合って」と祈りながら観ていました。アニメなのにね。それほどまでに引き込まれる作品。

何かにもがき、何だかわからない焦燥感に支配され、ジタバタしていた青春時代。
日本的で繊細な映像美が、そんな青春のまぶしさにピタリとはまっています。

とにかくファンタスティック

『シン・ゴジラ』と『君の名は。』両方に共通するのは、ファンタジーなのにリアルで、日本人の心の琴線にふれてはらはらと涙がこぼれ、絶望の淵に立たされるのに、勇気と希望をもらえる映画だということ。

三葉の家系が神社っていうのがまた良くて、組紐を編むシーンとか、口噛み酒とか、舞いとか、もう、情緒・情緒・情緒。
口噛み酒を奉納しにご神体へと向かうシーン。紅葉の美しさは本物を超えちゃってます。
田舎の景色も都会の景色も両方とも美しくて、でもどちらも日本らしくて、日本て本当に美しい国だなぁとしみじみ思わせてくれました。
外国人なら「ファンタスティック!!!」って大声で叫び出すよ、きっと。


おばあさんの言葉がまた名言。

寄り集まって形を作り、ねじれて絡まって、時には戻って、途切れ、またつながり。それが組紐。それが時間。それが結び。

この映画を観ていたら組紐を編みたくなったので、初心者用のキットを購入。
とりあえず編んでみたのがこれです。
本格的な編み機じゃないので、映画みたいな紐にはならなかった……。長さも足りないし。なんだろう、この残念な感じ…もうちょっと研究します……。
でも、編んでいる時は無心になれて、楽しかったです!

よみがえる青春

アメリカの詩人、サムエル・ウルマンの「青春の詩」に、こういう一節があります。

青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方をいう。

年を重ねただけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。

人から神から、美・希望・喜び・勇気・力の霊感を受ける限り君は若い。

新海誠監督の作品を観ると、何歳になっても青春を大切に、自分のこだわりを突きつめることのすごさを感じます。

こちらは、新海誠監督の作品をまとめた映像。日本語の美しさ、孤独な悲しみを越えた先のひとすじの希望が伝わります。

【今日のまとめ】

何かを感じたなら、めんどくさいことをうじうじ考えないで行動する。自分の直感に自信を持とうって思いました。
これは『秒速5センチメートル』の主人公・タカキくんに対するメッセージでもあるのかな……。

それから、古文の授業のシーンでは『言の葉の庭』のユキノ先生を思わすような演出もあったりして、ニクイね~と思いました。
この授業がまた大事なポイントになっていて、昼でも夜でもない夕暮れ時は、目の前にいる人の顔も見えなくて、「黄昏」の語源は「誰そ彼」であると。
この世ならざる者に出会える時間とも言われ、三葉が暮らす糸守町では、黄昏時を「カタワレ時」と呼んでいます。
こういうところも本当に情緒があって良いんですよね~。


RADWIMPSが歌うエンディング曲「なんでもないや」にこんな歌詞があります。

嬉しくて泣くのは 悲しくて笑うのは
君の心が 君を追い越したんだよ

この短いフレーズに、この映画の大切なことが凝縮されているように思いました。
【ゆとり最前線サツキ】さんの言葉を借りるなら、まさに「快感フレーズ」!


【今日のまとめ】
ファンタジーとリアルの絶妙な配合
「まんが日本昔ばなし」超超超バージョンアップ現代版



---------------------------------------------
■君の名は。(2016年)
脚本・監督:新海誠
声の出演:神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子
公式HP

(C)2016「君の名は。」製作委員会


隔週水曜更新。次回の更新は9/28(水)です。

更新日:2016/9/16

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