山の誘惑

セミの声量が日に日に大きくなり、いよいよ本格的に夏がやってきました。

夏と言えば、お祭りにキャンプ、ビアガーデン、音楽フェスetc。
暑いと分かっているけど、家にいてもつまらない。
暑いと分かっているのに、「どこか行こう」と友だちに連絡をしてしまう。
暑いと分かっているのに、なぜか外に出掛けたくなる。

そんな夏の誘惑にかられている方も多いのではないでしょうか。

先日浴衣で食事会をするイベントがあり、浴衣姿で会場に向かっていたのですが、
「今日どこでお祭りですか？！」と複数人に声を掛けられるというできごとが。
みなさんワクワクした表情だったので、「お祭りじゃないんです……」というのがちょっぴり心苦しかったほど。

でもそのくらい、夏って人のココロをざわざわさせる力があるなと実感しました。

さて、そんな夏真っ盛りの今週発行、本誌8月号のテーマはお掛けにぴったりな「山」。
「え？夏は海でしょ？！」という声が聞こえてきそうですが、いえいえ。
8月11日が「山の日」として制定されたり、"グランピング"などラグジュアリーなキャンプを楽しむ若者が増えたりと、今「山」は夏に欠かせないスポットとなっています。

"山に登る"と聞くだけで大変なイメージを持つ女性も多いかもしれません。
実際にわたしもそうでした。

そんなわたしがたまたま会社の活動で参加した登山会。（そのときは冬でした）
登ったのは由比の「浜石岳」。
きっかけは「山の上で、和菓子屋さんのあんことお餅で作ったおしるこを食べるよ」という先輩からの誘いでした。
（絶対おいしいやつじゃん……！）と、体が拒否する間もなく「行きますっ！」と言ってしまい、登ることを決意。

不安と期待の入り交る中迎えた当日。
頂上まで1～2時間だったでしょうか。
頭の中はずっとおしるこのことばかり。
人間、食べもののためにこんなに歩けるんだなと自分自身でびっくりしたほど。
筋肉が悲鳴をあげ、寒さで体が震えながらもなんとか頂上にたどり着くと、そこには素晴らしい景色が広がっていました。

やっと着いたという喜びと「やっとおしるこが食べられる！」というワクワク感と、
いろいろな感情と興奮が押し寄せる中で、着々と作られるおしるこ。

「疲れが吹き飛ぶ」とはこのことだ、とひと口食べた瞬間に思いました。
あまりの美味しさに、目がうるうるするほど。

もう一品、生タマゴ付き牛丼もペロリ。
自分史上、BEST牛丼に躍り出たことは言うまでもありません。


普段でも食べられるものだけれど、山頂で食べると格段に美味しい。
登った達成感と、美しい景色と、普段とはちょっと違う環境が、想像以上の感動をもたらしてくれました。

登山をする知り合いから「山に誘惑される」と聞いたことがありますが、登ってみて、少しだけその気持ちが分かった気がします。


ぜひ、みなさんも今年の夏は、山に誘惑されてみてください。

8月号「山あるきを楽しもう」

今回は山頂でおいしいごはんを食べるべく、編集部メンバーが実際に山あるきを体験してきました。
登山経験豊富な編集Yと、山初心者の編集Oの様子はぜひコラムで。

「山のぼりを楽しもう」記事を見る

がっつり登るもよし、お弁当や手づくりごはんをメインにプチ山のぼりを楽しむもよし。
それぞれのスタイルで夏山をエンジョイしてみては。


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次回は8/26（金）更新予定です