【第7回】ゾンビランド(2010年)
とにかく明るいゾンビ・コメディ
筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、読書、お笑い、カメが大好き。特技はイントロクイズ(80年・90年代ソング限定)。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆるい解説と小学校から上達していないイラスト(ときどき)で、好きな映画を紹介していきます。
ゾンビランド(2010年)
ホラー大好き、ゾンビ大好き! 海外ドラマ『ウォーキング・デッド』にもどっぷりハマっています。
先日、放送された『アメトーーク!』のゾンビ芸人、面白かったですね。
虚構世界のホラーは好きだけど、現実ではとても怖がりで臆病な私。なので、実際にゾンビが現れたらどう戦おうかと、映画やドラマ、ゲームなどから学んでいるのです。
それから、もしも自分がゾンビに噛まれた時、ゾンビ化する前に誰かに死なせてもらうかどうか。
そうなったら一度、ゾンビになってみたいという好奇心はあるのですが、知り合いを襲うのは抵抗があるので、自分の死期を感じたら飼い主の前から姿を消すネコのように、遠く離れた場所へ旅立ち、見ず知らずの人間を襲うことにします。
さて、ハロウィン・パーティでゾンビのコスプレをする人も多いことでしょう。
というわけで、今回は最高に楽しいゾンビ映画をご紹介します。
怖いの苦手、グロいの苦手、という人でも大丈夫。緊張感のあまりない、ゆるゆるのコメディ映画です。
この映画の主人公コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、ひきこもりのゲームオタクで、人とかかわることが苦手な大学生。シャイで臆病な慎重派、だからこそ、【生き残るための32のルール】というのを自分に課して、ほぼすべての人間がゾンビ化した世界でなんとか生き残ってきました。
故郷へ向かう途中で出会うタラハシー(ウディ・ハレルソン)は、ゾンビを心底憎みゾンビ退治に執念を燃やすハチャメチャな男。さらに、詐欺を生業とするひとクセもふたクセもある美人姉妹も加わり、“ゾンビのいない天国”という噂のある遊園地「パシフィックランド」を目指す旅が始まります。
生き残っている人間が、警察官や軍人など、いわゆるヒーローっぽい人間ではないという設定がまず面白い。
ジェシー・アイゼンバーグは私の好きな俳優さんの一人ですが、ちょっと気弱でシャイなオタク役が本当によく似合う! 特徴的なあの早口なしゃべり方も良い~。
ダサかわいさがたまらない、ジェシー・アイゼンバーグ。
ダサかわいさがたまらない、ジェシー・アイゼンバーグ。
大事なことなので2回書きました。
でも、マジシャン役を演じた『グランド・イリュージョン』では、天パーを封印し、スタイリッシュでかっこよくなってるんですよねぇ。
不思議な魅力のある俳優さんです。
また、ビル・マーレイが本人役で出てくるシーンでは大爆笑。ブラック・ユーモア効きすぎ……笑
ビル・マーレイをご存知ない方は、『ゴーストバスターズ』(1984年)を観てからこの映画を観ると、面白さが倍増します。
生き残るための32のルール
コロンバスが独自に編み出した、生き残るためのルール。これがとても的を得ていて、シンプルだけど「なるほど!」と思うことばかりで、その見せ方のセンスも良くて笑えるんです。
いくつか抜粋すると……
・ルール1 有酸素運動
・ルール2 二度撃ちしてトドメを刺せ
・ルール3 トイレに用心
・ルール4 シートベルトを締めろ
・ルール18 準備体操を忘れるな
・ルール22 怪しい時は出口を確保
・ルール31 後部座席を調べろ
などなど。
一番大事なのは、「ルール17 ヒーローになるな」だそうです。
そして、タラハシーと出会うことで追加されたのが「ルール32 ささやかなものを楽しめ」。
確かにこの2つって大事!
とくに非常時や追い込まれた時に、ちょっとしたことを楽しむ余裕ってとても大切だと思うし、ヒーローを気取ってかっこつけると、損してイタイ目にあったりする。
このルール、別にゾンビだらけの世界じゃなくても使えますよ!
覚えておくと、きっといつかどこかで役に立つ!……はず。
「トゥインキー」ってなんぞね?
それを食べると「ゾンビだらけのイカれた世界になる前の、無垢な気持ちに戻れる」と言って、タラハシーがずっと探しているお菓子が「トゥインキー」。
アメリカではとてもメジャーなお菓子のようですが、われわれ日本人には馴染みがなく……。
どんなお菓子か気になってしょうがないので、さっそく検索してみました。
トゥインキー(Wikipediaより)
Wikipediaによりますと、“クリーム状のフィリングの入った金色のスポンジケーキ”で、毎年5億個のトゥインキーが製造されているとのこと。5億個って(*_*)
アメリカでは“究極のジャンクフード”とみなされていて、何年も傷まないという都市伝説もあるらしい……笑
映画『ダイ・ハード』でも、トゥインキーが大好物という警察官が登場するそうですが……うーん、覚えていません。
残念ながら日本では販売されていないのですが、Amazonで並行輸入品が購入できるようです。さすがAmazon! 非合法でなければ大概のものは買える!!
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Hostess Twinkies ホステストゥインキーズ 380g[並行輸入品] (Amazon)
予想通り、とても甘いお菓子みたいですね。チョコ味やバナナ味もあるのですね。
レビューによると、『ゾンビランド』を観て気になって買った! という方がたくさんいますね。
生地もクリームも甘くて、しつこい後味、日本にはない独特な風味……
あーーー、気になる!! きっと一本食べただけで「もう無理」ってなるだろうけど、一度は食べてみたい!!!
【今日のまとめ】
みんなでゾンビのコスプレをして、トゥインキーを食べて「うおぉぉぉーーー、甘ぇーーー、でもアメリカっぽーい」と騒ぎながら観れば、それはそれはクレイジーでハッピー!!!
くだらないけれどサイコーに笑えるハロウィン・パーティになるはずです。
最後の夜の遊園地のシーンがバカバカしくて楽しいんですよ。このシチュエーションなら、いくらでも面白く描けますよね。
遊園地はネタの宝庫ですね。主人公はピエロ恐怖症なので、それが見事に効いてくる。こういうバカバカしさ大事です。
『ゾンビランド』はアメリカで続編も製作中らしいです。楽しみだ~。
【今日のまとめ】
困難な状況下でも救われるために、ささやかなものを楽しみ
あなたにとっての「トゥインキー」を探しましょう。
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■ゾンビランド(2010年)
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、ウディ・ハレルソン
監督:ルーベン・フライシャー
隔週水曜更新。次回の更新は10/26(水)です。
WOMOシネマ伝道師こしあんの『ぐるぐるシネマ迷宮』 筆者だけの思い出調味料満載の懐かし作品から、あまり共感を得られないようなディープな作品まで、密かな魅力いっぱいのシネマ迷宮へようこそ。出口はたくさんあります。