<10番ホール>難攻不落の「高天神城」を攻める 〜後編〜
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これより軍議いたす
戦国時代の2大会議といえば「清州会議」と「小田原評定」。
評定とは当時の言葉で会議のことで、いずれの会議にも関わっているのが豊臣秀吉。
天下人たるもの、やはり会議でも勝ち戦を知っていたのでありましょう。
ちなみに軍議も、主に戦場で開かれた会議のことを指していたよう。
まさに、敵を目の前にしていかにして戦うかを、武将たちが絵図を囲んで議論したのであります。
さて、ホールさんとイーヅカおじさん。
次から次へとなだれ込んでくるマラソンランナーに圧倒され、為す術もなく仲間割れ寸前の状態でしたが、なんとか気を取り直し軍議を開いたのであります。
「参加者が、、、なんと1万人! 『つま恋』がスタートだったのか」
「しかし『つま恋』、確かあそこはすでに廃城となったはずでは?」
調べてみると、この「掛川・新茶マラソン」は、スタート・ゴールとしてメイン会場になっていた『ヤマハリゾートつま恋』の営業が2016年末をもって終了することが決まったことから、12回目となる大会開催の休止が決定していたそう。
しかし、その後HMIという会社に売却され、今年の4月から新たに『つま恋リゾート 彩の郷』として営業がスタート。それに伴い、このマラソンも無事開催されることになったのだそうです。
改めて、交通規制地図を見直す、ホールとおじさん。
「北にある『つま恋』から、南に向かって敵が攻め込んでいる状況であると」
「我々は、菊川インターを降りて案内係の誘導に従い、どんどん南下。現在10時15分、我々はここにいると」
「1万の兵を次々と送り出し、我々の行く手を阻もうということか。なかなかの作戦ですなぁ」
「ランナーが途切れたら、隙を突いて突っ切れんかな」
「門番が言うには、あと1時間は途切れないと」
「ん〜。。。」
菊川ICへ戻って、東名に乗り直して掛川ICから再度攻め直すのが確実にも思えるし、案内係の人もそれを勧めてくる。しかし、ここまで来たら、その案内に従うのが、ものすごく悔しい。
「このまま南へ向かって、敵の先手を打つのはどうでしょう?」
「いや、海沿いも10時30分には規制がかかってしまうから無理じゃないか?」
「まさかとは思うんですが、我らは敵の誘導にまんまと嵌められているのではありますまいか?」
おそらく、そのようである。
誘導係はきっとNEXCOの回し者に違いない。
ならば、敵の裏をかこうではないか
じっくり絵図を覗き込む二人であったが、ふと妙案が浮かんだイーヅカおじさん。
「逆から攻めてみるのはいかがだろう?」
「逆?」
「背後から攻める。敵の背後に回り込み、防御が手薄になった隙を突いて一気に城攻めする」
「おぉ!これは妙案! 敵の裏をかこうという作戦か!」
かくして、ホールさんとイーヅカおじさんを乗せた車は、ランナーが通り過ぎたばかりの道路を悠然かつ慎重に進み、見事、高天神城を攻略したのでありました。
で、高天神城はどんな城なのか?
ホールさん的には、この城にたどり着くだけでお腹いっぱい。
もはや、高天神城に対する興味は薄れてしまっておりますが、イーヅカおじさんとしてはここからが本領発揮。解説本を片手に、この城の歴史を語ってくれるのであります。
いろいろためになるお話を聞いたのですが、詳しく知りたいよ、という方には、wikiに美しくまとまっておりますので、ぜひそちらをご覧ください。
本丸跡の断崖絶壁を覗き込むイーヅカおじさん。
後ろから押したら大惨事になりますよ〜と振ってみるも返答なし。
むしろ真剣にこの城の優れた点を解説してくれます。
「天然の要害とはまさにこの城のことですよ! この断崖を兵が登ってくることは難しいですし、仮に登ってきても上から岩を落とされますからね。だから武田軍をもってしても、小笠原氏助が一ヶ月も籠城に耐えることができたんですよ。あ、ちなみに信長の援軍を期待した小笠原氏助だったんですが、援軍が間に合わず、諦めて開城したんです」
どうやら、その小笠原氏助が、今回の顔ハメのモデルとなっているようです。
雨がしとしと振り続ける中、城のあちこちを隈なく散策するイーヅカおじさん。
そんな姿を横目に見ながら、ふと眼下を覗くと、とんでもないものが目に飛び込んできます。
「イーヅカさん、やばいですよ! ランナーが戻ってきてます!」
「え、どういうことですか?」
「いや、忘れてましたけど、ここの下もマラソンコースでした!」
ぐるりと海岸まで出たランナーは、まさに高天神城のすぐ下の道路を北に向かって『つま恋』を目指すマラソンコースになっていることを、知ってはいたけどあまり重要視していなかったホールさん。
相変わらず詰めが甘い。
慌てて城を駆け下り、車を出すおじさん二人。
門番の誘導で、なんとかランナーの切れ間を縫って脱出することができたのでありました。
「やっぱ、難攻不落なだけはあるわぁ〜」
違う。下調べしろ、ホール!
菊川といえば、やっぱココですよね
菊川インターへ向かう帰り道。
無駄に体力を使ったホールさんとイーヅカおじさんは、今や全国に誇る名物グルメとなった「げんこつハンバーグ」を、「さわやか菊川本店」で食べたのであります。
「あ、そう言えばですね、高天神城が武田軍に落とされたあと、援軍が間に合わなかったことを申し訳なく思った信長が、詫びとして大量の金を送った、という話が残っているんですよ」
「ふうん」
「ですから、今日の詫びは、げんこつハンバーグでいいですよ」
「奢れってか!?」
以上、ホール志水がアナ場からお伝えしました。
「高天神城跡」の施設情報です
高天神城跡
http://www.city.kakegawa.shizuoka.jp/kankou/spot/rekishibunka/takatenjinjyoato.html
TEL 0537-21-1121(掛川市役所観光交流課)
所在地 掛川市上土方嶺向
顔ハメ 1カ所(ホールさん調べ)
ホール志水の『アナがあったらハマりたい』 県内外のお出かけスポット情報を、本筋を外しつつ私感たっぷりに、お届けしたりお届けしなかったりします。そしてハメを外して顔ハメしていきます。