【第38回】『おっさんずラブ』牧春ロスにそなえて、今観るべき林遣都出演作品3選
『逃げ恥』平匡ロスの再来
筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、読書、お笑い、カメが大好き。特技はイントロクイズ(80年・90年代ソング限定)。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆるい解説と小学校から上達していないイラスト(ときどき)で、好きな映画を紹介していきます。
想いがつのりすぎて前置きが長いです
ドラマ『おっさんずラブ』が今週の土曜日(6月2日)に最終回を迎えます。
神様、来週からは何を生きがいにして生きていけばいいんでしょうか。
先日放送された第6話のラストで、吐きそうになるほどボロ泣きしましたが、Twitterで世界トレンド1位になるくらい大盛り上がりしている『おっさんずラブ』。
同志たちのつぶやきを見て、同じような気持ちになっている人が日本全国にこんなにもいると知っただけで、なんかもう、笑いながら泣く。
そしてひとしきり泣いたあとは、この現象がうれしすぎて、5ミリくらい浮きながら歩ける。
『おっさんずラブ』見てないよって方はこちらをご覧ください。
おっさんずラブ公式サイト
6月2日の最終回前に、AbemaTVで一挙放送(第3話から)されるらしいので、気になったら見てください。
Twitterやっている方は、おもしろいつぶやきがいっぱいありますので、検索してニヤニヤしてください。
このドラマのすごいところは、ともすると重くなりがち、炎上しがちな難しいテーマを、ポップに描いて笑わせつつ、真摯に向き合い、王道のラブストーリーへと昇華させているところ。だからこそ、こんなにも人々の共感を得ているのだと思います。
敬意、寛容、感謝の【3K】がある。
悶絶しながら、登場人物みんなに幸せになってほしいと、こんなにも願うドラマがかつてあったでしょうか。
どうかどうか、おかしなラストにしないでください。
さらに、シーズン2、スペシャルドラマ、スピンオフ、劇場版などを制作していただけるよう、毎日お昼12時にテレビ朝日に向かって祈りを捧げております。その祈りが届くよう、日々、善行を積んでおります。
公式ガイドブックとかもほしいです。
ストーリーはもちろん、役者さんたちみんな、演技がうまい!!!
けっこうアドリブが多いと知り、さらに悶える……笑
吉田鋼太郎演じる乙女キャラ部長、最高に笑えます。
そして私は、田中圭演じるはるたんと林遣都演じる牧、二人のとりこです。
特に、国宝級のせつない演技で我々をキュン死させた林遣都よ、どうしてくれよう!
遣唐使という文字も林遣都に見えちゃうし、一日90分以上、林遣都の映像や写真を見ないと禁断症状が出てしまうではないか!
仕事中、空を見上げてボーっとしている私を見かけたら、「牧春」のことを考えているとご理解いただき、5秒ほど待ってください。せつなさにキュッとなって現実世界に戻ってきますので。
こんな私のように、今から「牧春ロス」をおそれて震えている人も多いはず。
とりあえず、いろんな林遣都を見て、いったん気持ちを落ち着かせようではありませんか!
にがくてあまい(2016年)
普段なら絶対観ないジャンルの映画ですが、林遣都フィーバー中なので、くすぐったい気持ちを抑えながら鑑賞。
少女マンガの実写化だしなぁと思って、内容は全く期待していなかったけど、すごくいい話だった!
思わぬ拾い物にスキップしたくなる。こういうジャンルもたまにはいいですねー。食わず嫌いはいけないな、と思いました。
林遣都の役柄は、料理上手でスマートなドSのイケメン(ゲイ)。……って、『おっさんずラブ』と同スペックやないか~い!
ああぁぁぁぁぁ、料理上手でスマートなドSの林遣都(ゲイ)がうちにも来てくれないかなぁ。「召し上がれ」とか言われてみたいなぁ。そしたら、川口春奈の3倍くらい美味しそうに、作ってくれた料理をもぐもぐ食べちゃうぞ!
料理上手でスマートなドSの林遣都(ゲイ)に、「おまえは本当にだらしないなぁ」って怒られたい。そんな妄想だけで、ここ数日、毎日笑顔で生きています。
川口春奈演じるマキも、林遣都演じる渚も、過去にちょっとした傷や苦悩を抱えているのだけれど、二人が出会うことで癒され、一歩前に進める。その流れがとても自然で良かった。
「いいところばっかり抽出しようとして自然じゃなくなってる」
「苦手なものには伸びしろがある」
「苦い思い出は料理して栄養にしろ」
とか、けっこうステキな名言がいっぱい。
全体的にとても寛容的で、イヤな人物が一人も出てこないので、鑑賞後の気分が晴れやか。この点も『おっさんずラブ』に通じるものがあります。
しゃぼん玉(2017年)
だいぶ前に原作を読んでボロ泣きした記憶があり、その原作の良さを超えてくることはないと思い、観ていなかった作品。でも、空前絶後の林遣都ブーム中の今なら! と鑑賞。
泣くまではいかなかったけど、とても心温まる作品。
林遣都が演じるのは、女性や老人ばかりを狙った強盗を繰り返している青年イズミ。強盗傷害で逃亡の末に宮崎県の山深い村にたどり着き、ケガをして道路に倒れていた老婆スマ(市原悦子)を助けたことから、一人暮らしの彼女の家に世話になります。
はじめはお金を盗んで逃げるつもりでいたけれど、スマばあさんや村人たちのピュアな温かさに触れて、自分が犯してきた罪の重さに気付き、人生をやり直そうとするお話です。
【市原悦子無双】ですね。こんなおばあちゃんいたら、誰でもやられてしまう! こんな人の前では、嘘はつけない。
でも、実の息子に対してはうまくいかないってところが皮肉で、リアルなのかもしれません。
現実には映画のようになかなかうまくはいかないだろうけど、ちょっとした優しさや愛情で変われるものもあるっていう希望を残す作品。
林遣都は、表情で魅せる演技がホントに上手いと思いました。
風が強く吹いている(2009年)
原作は三浦しをんの同名小説。素人同然の弱小陸上部が箱根駅伝に挑む青春ストーリー。
林遣都が演じるのは、高校時代に事件を起こして陸上から遠ざかっていた新入生のカケル。ケガのためにランナー人生をあきらめかけていた大学4年生のハイジ(小出恵介)が彼の才能を見抜き、無謀ともいえる箱根駅伝出場への計画をスタートさせます。
まだ十代の林遣都、初々しくてフレッシュ! そして本物のマラソン選手のように、フォームが美しい!
120%林遣都目当ての不純な動機で見始めたのに、途中から林遣都が気にならなくなるくらい(いや、嘘、やっぱり気になる)ストーリーが素晴らしくて、どっぷりハマる。
マンガおたくとか、クイズおたくとか、チェーンスモーカーとか、チームメイトそれぞれの濃いキャラクター設定もいいし、みんなにスポットが当たるのもいい。
そして何より小出恵介がいい。役者として素晴らしいものを持っているのに、本当にもったいないなぁと思いました。
『おっさんずラブ』第6話と同じくらいぐしゃぐしゃに泣きましたが、まったく違う種類の涙なので、ものすごく爽やかでスッキリ。
長距離選手に対する一番の褒め言葉は「早い」じゃなくて「強い」
このセリフが印象的でした。
あー、めんどくせー、毎日、仕事とか家事とかめんどくせー、とダラダラしちゃう自分にちょっとだけ、喝が入れられた感じ。
歳をとると、何かに向かってひたむきに頑張る若者を見ると、それだけで涙ぐんでしまう。
とても美しく尊いものが見れました。
さて最後に、なぜ私がこれほどまでに『おっさんずラブ』の牧くんに感情移入し、苦しくて泣いてしまうんだろうと思ったその答えを、的確に表現されている記事を見つけました。そして読みながらまた泣きました……。
牧凌太に見る「自分を大切にするということ」
現場からは以上です!
【最終回を見終わっての追記】
私はこの作品にノーベル平和賞をあげたい。そして全世界に配信してほしい。
しあわせの形にとらわれない、無理やりはめこまない、意識しすぎない。
不寛容な社会が少しでも変わりますように。
繰り返し観すぎたことと、最終回の充足感、多幸感で胸がいっぱいなので、不思議とそれほどロスを感じません。
空がいつもより青いです。
天空不動産で働きたいです。
制作スタッフさんたちの愛、役者さんたちの愛、視聴者たちの愛。それぞれの愛が化学反応を起こし、テレビドラマ業界に革命を起こしたともいえる『おっさんずラブ』。
そして言葉にならない私の心の叫びを的確に代弁してくれているこの記事を読んで、また泣く……。
平成最後の新緑の季節、僕は牧春牧に恋をした。
WOMOシネマ伝道師こしあんの『ぐるぐるシネマ迷宮』 筆者だけの思い出調味料満載の懐かし作品から、あまり共感を得られないようなディープな作品まで、密かな魅力いっぱいのシネマ迷宮へようこそ。出口はたくさんあります。