WOMO

Original

狂気と癒しの3曲!

流行りの音楽や一般ウケしなさそうな音楽まで、“今、イケてる”グッドミュージックをご紹介!

狂気と癒しの3曲!

夏フェスやレジャー、真っ最中の時期ですね。炎天下の中盛り上がるあの一体感好きだけど苦手です。僕は冷房ガンガンで閉じこもりたいタイプですがそんなことはさておき…今回は美しいけどどこか怖いそんな二面性のある曲をご紹介したいと思います。

『A portrait of the Artist as a Young Man』

jan and naomi

モヒカンのjanとロングヘアーのnaomiによる、キュートで超繊細な2人組。暑苦しくなくてクール。そんな科学と感性のハイブリッド型ハードコアバンド。儚く今にも崩れてしまいそうな歌声と、メロディのように脳内を巡る歌詞は、「愛と恐怖」という相反するものの共存を体験するかのように気持ちが良い。青く静かに燃える炎のようなライブプレイ、美術館に足をふみいれたかのような空気感を感じて欲しいです。静岡にもツアーで来ないかな。

『月の光』

Debussy

19世紀を代表する作曲家。高級&ハイセンスな、超本格派のパリジャン。不倫、娘との死別…プライベートも波乱万丈だったそうですが、そんなことを感じさせない(それとも一周回ったのか…)すごくキレイな曲に驚き。前世で行ったことがあるのかと思うような、月灯りに照らされた海や霧のかかった森が浮かび、せわしなく過ぎる日々に一息ついてみようかなと感じさせられる曲です。余談ですが、ドビュッシーはヴェートーヴェンのことを型にハマった退屈な音楽と揶揄してたそうです。

『Cut it up High Priest』

Gray

画家のバスキアと俳優のヴィンセントギャロなど80年代に当時のイケてるアーティストがバンド組んじゃってます。あまり既存の枠にジャンルしたくないですが、インダストリアル、パンク、ジャズ、ヒップホップという感じ。自称ノイズバンド。このノイズがとても心地よく感じ、ヒーリングされる感覚になった人はかなりキテます。世の中に出ている曲はわずかですが、当時のテクノロジーで今でも新鮮に感じるクリエイションをしてたと思うとさすがです。アンディーウォーホールにも見初められた画家の狂気ぜひ感じて下さい。

美しいけど、常に危険と隣り合わせ。「宇宙」はまさに狂気と癒し。今回ご紹介した曲は、宇宙旅行のテンションに近いかも!?

知っている曲もあったでしょうか?正統派で正気なクラシックも、ある意味狂気が入り混じっていたりしますよね。僕たちは自分たちの思いや意思を言葉を使って表現しようとします。美しい反面、歯がゆさもあります。言葉にできない思いを画家は絵に、詩人は言葉に、音楽家は音に込めて表現する。一見狂っているようなモノでも実は深い愛があるのかもしれないと思えば、物事の捉え方って意外と自分次第でかわるのかなとこの曲を聴きながら思います。聴いても訳がわからない曲もあるかもしれませんが、ぜひ「狂気と癒し」の快感体験してみてください。

【筆者/アネ・モネ男】
グッドミュージックを追い求め国内外を旅するアラサー男子。JーPOPから洋楽まで様々なジャンルを好み、自主企画のライブイベントを定期的に開催している。

更新日:2018/8/21
コラムシリーズイメージ

GOOD MUSIC from Shizuoka 流行りの音楽や一般ウケしなさそうな音楽まで、“今、イケてる”グッドミュージックをご紹介!

よみものシリーズ