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【Woman's File】しずおかコンシェルジュ株式会社 代表取締役社長 海野裕子さん

働く女性の魅力に迫る『Woman's File』。womo10月号掲載の女性をご紹介

海野裕子さんにインタビュー

しずおかコンシェルジュ株式会社 代表取締役社長 海野裕子さん

静岡市葵区出身。美術系の短大でグラフィックデザインを学ぶ。卒業後は建設関連会社の景観事業部にデザイナーとして勤めた後、デザインスキルを磨くためデザイン事務所に転職。その後も2度の転職を経て起業、現職に。静岡の食材の輸出、地域産物のブランディングやコンサルティングなどを手がける。


仕事で大切にしているのは生産者の思いを一緒に伝えていくこと

期待され独立、起業料理人と生産者をつなぐ

この仕事を始めたきっかけは、世界で活躍する和久田哲也シェフに有東木のわさびを紹介したこと。当時、地域ブランディングの仕事に関わりながら、静岡の食材は豊かで高品質なのに、生産者はなぜもっと宣伝をしないのかと疑問に思っていました。和久田シェフの要望に応える食材を集めるため産地を訪れ、改めて生産者と接すると、良い物は作れても販売するのは苦手と気づきました。起業時は、リクエストされた食材を調達することに必死でしたが、次第に、静岡の良い食材を海外の人に知ってもらえるよう、生産者が苦手なセールスは私がやるんだという意識に変わりました。農産物とともに、その作り手の思いもきちんと届けなければいけない、と。幸い、私の周りの生産者の方々は、料理人や消費者からのダイレクトな反応を伝えることで、より良い物を作ろうと工夫をしてくれる人ばかり。こうした方々が注目され、どんどん活躍する姿を見るのが嬉しく、仕事を通して生まれ育った静岡に少しでも恩返しができたら、という気持ちでいます。


食材だけでなく、それを育んだ“郷土”の営みに触れる機会を

公共事業での販促物のデザインや地域ブランディング、静岡食材の輸出を中心とした貿易、経験を活かしたコンサルティング。これが、会社の事業の3つの柱です。私ひとりの力には限界がありますが、会社のスタッフや、一緒にプロジェクトを進める取引先の担当者の力で、できることも広がってきました。以前に「あなたは化学でいう触媒みたいな人。人と人を結びつけ化学反応を起こし、ひとつにまとめ上げる」と言われ、この言葉は心のお守りです。私自身は本当に何者でもない。でも喜んでくれる人がいるから、貿易のこともゼロから学んで取り組めたし、カタコト英語しかしゃべれなくても、海外のイベントに出掛け、生産者と料理人がコラボするデモンストレーションをコーディネートしてきた。そしてこれからは、静岡の食材を海外でPRしてインバウンドに結びつけていきたい。体験を重視する外国人に、産地の味を楽しんでもらえるオーダーメイドツアーの企画も手がけます。最終的には、「ジャパンコンシェルジュ」を目指して頑張りたいです。

海野さんのTurning Point

《42歳》ゼロから貿易を学び起業

シェフの要望に応じた静岡の食材を輸出する会社を立ち上げる。今まで手がけてきた地域ブランディン
グのスキルを生かした事業も継続。


《43歳》食材の輸出先を広げる

海外の展示会などに生産者とともに参加し、静岡の食材の魅力をPR。イタリアや韓国など、シンガポー
ル以外にも輸出先を拡大していく。


《45歳》生産者と料理人のコラボを実現

イタリアでの食の国際会議では、生産者と料理人がコラボし、日本食文化の技術を披露。新しい切り口のイベントは注目され、大成功に終わる。


《47歳》食とインバウンドの橋渡しに

ラグビーW 杯に合わせた浜松市のプロモーションでシドニーへ。静岡の食にまつわる体験型ツアー企
画の立案やコーディネートも提案する。


お仕事風景

スタッフと相談しているのは、海外から依頼があった卵のパッケージの仕様やデザイン。最近では食材の調達だけでなく、こうした販促に関する企画、デザインの相談も増加中。また、伊豆の限られた地域で栽培される柑橘「ハニーライム」は、ブランディング、販促をトータルで手がけている。

更新日:2019/9/20
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