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【Woman's File】自然保育「森のたまご」 主宰 原田 さやかさん

働く女性の魅力に迫る『Woman's File』。womo11月号掲載の女性をご紹介

原田 さやかさんにインタビュー

自然保育「森のたまご」 主宰 原田 さやかさん

愛知県出身。静岡大学農学部卒業。大学に通いながら写真の勉強をし、卒業後カメラマンに。スタジオ勤務やフリーランスを経て地域情報誌のカメラマンとなる。出版社時代に出会った玉川の文化に魅せられ、その後移住、(株)玉川きこり社を立ち上げる。結婚、出産を経て、現在は自然保育「森のたまご」を主宰する。


山の中での自然保育を通して玉川の自然と文化の伝承に貢献する

地域の一員となって玉川の自然と文化を守る

オクシズ・玉川との縁ができて10年、初めは勤めていた出版社の仕事が限界集落存続の一助になればと、玉川地区でも最奥の集落に暮らすおばあちゃんの元に、写真を撮りに通っていました。次第にこの山の文化が受け継がれる環境を作ることが必要だと感じ、共感してくれた仲間と「玉川新聞」を発行。玉川の暮らしや活動を取材して伝えていく、情報発信を始めました。その中で、仕事の片手間ではなく本気で向き合わなければ何も変えられないと移住を決め、出版社を退職し「玉川きこり社」を設立。基幹産業だった林業を継承し、子どもたちを育む豊かな自然環境を守るため、事業のテーマは〝きこりと子育て〞。しかし現実は、街でも玉川でも仕事中心の生活。価値観が変わったのは、3年前に結婚して子どもを授かってからです。家族がいて社会がある。だから暮らしをもっと大切にしなければと。娘と森で遊ぶ中で、自然は子どもたちの「生きる力」を引き出してくれると改めて感じました。娘と共にずっと思い描いていた夢を実現したい。そこで、私は会社から離れ、子育ての環境作りに専念することにしました。


山の自然の中での子育てで子どもの創造力を育みたい

自然保育「森のたまご」を友人らと始めたのは、2018年の秋。子育てのフィールドは玉川全体です。自然の中で子どもたちが遊ぶ様子を見守りながら、自立心や創造力を育んでいきます。自然栽培の田んぼや畑にも挑戦し、土に触れ、実りをいただくことで、生きる力を養ってもらいたいです。これから本格的に募集をかけるのですが、この地域に暮らす人はもちろん、市街地の親子の参加も大歓迎。そうして山と街を繋いでいきたいですね。現在、玉川に自宅を建築中です。家の中を通り抜ける土間や、薪で沸かすお風呂などで、私が通ったおばあちゃんの家の、昔ながらの山での暮らしが再現できるんです。そんな私たちの暮らし方を見て、移住者が増えたらいいなと思い、「玉川くらし」というブログを始めました。民泊を手がける計画もあります。玉川という自分のフィールドで展開できることを、これからも続けていきます。

原田さんのTurning Point

《29歳》玉川と出会い暮らしに惹かれる

玉川の自然と文化を伝える活動を始める。最奥の集落に暮らすおばあちゃんの元には、バス、自転車を乗り継いで、3年間通い写真を撮り続ける。


《31歳》玉川新聞の発行を開始

仲間と立ち上げた「安倍奥の会」で、地域の情報を発信する玉川新聞を発行。住民たちにも喜ばれ、玉川での存在意義を感じてもらえるようになる。


《37歳》結婚し、長女を出産

結婚後、すぐに長女を授かり、様々な価値観が変化。特に、玉川での子育てが現実となり“、山のほいくえん”構想をよりリアルに感じるように。


《39歳》自主保育をスタートさせる

子どもが歩き始めた頃、野山遊びの魅力を再認識。玉川での活動を子育てに絞ることに。友人らと「自然保育 森のたまご」を始め、自主保育で山の子育てを実現させる。


お仕事風景

現在、静岡市清水区の野外保育で週に一日スタッフとして働きながらノウハウを学び、玉川での自主保育を行っている。静岡の他の中山間地のお母さんたちとも交流が生まれ、悩みや課題を共有できるように。市街地の親子の参加も励みにつながる。日常の様子は、ブログ「玉川くらし」で発信中。

更新日:2019/10/18
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