飲食店を応援＆社員のモチベーションUP！新しい福利厚生「＃タッパーイーツ」

休業要請は解除となったものの、まだまだ経営に苦しんでいる飲食店。womoでも6月の巻頭特集や、「＃静岡エール飯」企画などでテイクアウトを応援しているが、同じ地域の企業として飲食店を支援する、新しい形のテイクアウトの取り組みを始めた企業がある。

タッパーでテイクアウトし、社員に無料支給　その名も「＃タッパーイーツ」

総合建設業　株式会社アースシフトでは、週に一度、社員約80名分の料理一品を飲食店に注文し、支給している。ある日配られたのは「エビと美黄卵のチリソース」。社員の方は「今日も美味しそう。毎週本当に楽しみにしています」と嬉しそう。こちらは普通のテイクアウトとは違って、持ち込んだタッパーに料理を入れてもらっている。

「コロナに負けるな！地域密着応援プロジェクト」としてスタートした「＃タッパーイーツ」。これは単なる社員へのサービスではなく、今大変な状況にある飲食店の応援でもある。提案者である株式会社アースシフトの専務　近藤大智さんに詳しいお話を聞いた。

なぜ「＃タッパーイーツ」を始めようと思ったのですか？

「新型コロナウイルス感染拡大の影響により、飲食業が事業継続に苦しんでる中、比較的影響の少ない建設業の地元企業として、静岡の飲食業を応援したいと思いました。会社としても外出を減らし、協力してくれる社員のために、プロの料理を自宅で味わい、少しでも外食気分を楽しんでもらえたらいいなと。」

「＃タッパーイーツ」への想いは？

「飲食店支援に加え、ゴミ問題やフードロスの解消にもつながれば、という想いがあります。会社でタッパーを用意すれば、ゴミを減らし環境に配慮することができる。また事前に一定数の注文をすることで、飲食業のフードロスをなくすことにも繋がる。静岡市の推進するSDGs（持続可能な開発目標）の活動の一環として、持続的に取り組むことを目指しています。」

テイクアウトの需要が増えてきた中、課題となっているゴミ問題。実際に静岡市では4月のごみの量が対前年比で5％も増えているそう。

さらに通常のテイクアウトでは飲食店が1つ30～150円ほどかけて購入している、容器代がかからないというのも大きなメリット。その分を飲食店の利益にしたり、料理の量や質を上げることができる。

「社員だけでなく、社員の家族にも喜んでもらえるというのも嬉しいですね。家族で夕食の時間を楽しんでもらえばと思っています。」

家族からは「おかずが一品増えると嬉しい」「毎週楽しみにしている」と評判は上々。タッパーの返却時、家族から感謝のメッセージが添えられていたこともあるそうだ。

▲「#タッパーイーツ」の取り組みを考案した近藤大智専務

「仮に一品500円のおかずを週に1度、1か月間、従業員80名の企業が100社取り組むめば、1か月で1,600万円、年間で約2億円の経済効果を生みます。この取り組みに賛同いただける企業が増えることにより、一社の力は大きくなくても、皆が力を合わせれば地元静岡の活性化にもつながると考えています。」

「＃タッパーイーツ」のメリット

【飲食店として】一つの会社の社員全員分を発注するので、まとまった金額が売りあがる。容器代がかからないので、その分を利益にすることもできる。

【社員として】外食はまだ自粛しがちな中、家で外食気分を味わえる。美味しい料理が家で食べられるので、家族団らんを楽しめ、家族に感謝される。

【会社として】社員の会社に対する満足度が上がり、仕事のモチベーションが上がる。今は開催が難しい、打ち上げや歓送迎会の代わりにも。

【SDGsのために】使い捨て容器を使わないことでごみ問題を解消へ。まとめて発注することで、フードロスの解消にもつながる。

飲食店、社員、会社のそれぞれにメリットがあることに加え、SDGsの活動にもつながる。さらに厚生労働省が公表した「新しい生活様式」にもフィットした取り組みとなっている。

▲飲食店がタッパーに詰める様子

毎週月曜日に実施されている「＃タッパーイーツ」。月曜日にした理由は、気持ちが乗りづらい休み明けに、仕事のモチベーションを上げてもらえれば、という意味もあるのだそう。週の始まり、この取り組みを楽しみに出社できそうだ。

まずはアクションを。「＃タッパーイーツ」を始めよう！

今、地元飲食店を何かしらの形で応援したいと思っている人は多いのでは。あなたの働いている会社でも採り入れられそうだなと思ったら、上司や社長にぜひ検討をお願いしてみて。1社でも多くの会社がこの取り組みに賛同し、1店でも多くの飲食店が元気になれば、静岡の街が以前の活気を取り戻せる日も近いはず！

まずはアクションを起こそう！お互い様の精神で、ぜひ一緒に地元を盛り上げていこう！