【ななカヌレ(NANA-Canele)】20種類のカヌレを販売する専門店が清水町に2021/2/5(金)にオープン
沼津市大手町にある「彩り居酒屋 花の菜」の店主・花井美里さんと、「びすとろ くくぅー(Bistro Coucou)」のシェフ・鈴木匠さんによるめずらしいカヌレ専門店「ななカヌレ(NANA-Canele)」。オープン以来、さまざまなメディアで取り上げられ、取材した2021年3月後半時点では予約が2か月先の5月末までいっぱいになっていたほど話題のお店。かわいらしい見た目だけではなく、「味は期待以上!」とクチコミの評価もとても高い。店主・勝又美佐子さんにお話をうかがった。
2021/2/5(金)OPEN! スイーツ・清水町「ななカヌレ(NANA-Canele)」
カヌレはフランスの素朴な焼菓子。専門店の味を楽しもう
7種類のフレーバーのカヌレが並ぶ「ななカヌレ(NANA-Canele)」。
カヌレは、もともと本場フランスの素朴な焼菓子で、正式名称は「カヌレ・ド・ボルドー(cannelé de bordeaux)」。
フランスの修道院で古くからつくられていたお菓子だ。
もともとカヌレには“溝の付いた”という意味があり、カヌレ型を使って焼くことと、蜜蝋(みつろう)を入れてつくることが一般的。
「ななカヌレ(NANA-Canele)」のカヌレは、日本人が好む外側はカリッとした食感で、中はふわっとしている。
実は一般的なカヌレに使用する蜜蝋(みつろう)は使っていないという。
「ななカヌレ(NANA-Canele)」では、フレーバーは地元産にこだわり、沼津市の白隠正宗の甘酒や、沼津市特産で濃厚な甘味と風味が特徴のブランド果実・寿太郎みかん、裾野産の茶葉など全20種類のフレーバーを開発。店頭には7種類ほどが並ぶ。
2021年4月初め現在、月曜・木曜・金曜・土曜は予約販売のみで当日購入することはできない。
水曜・日曜のみ店頭販売し、朝10時から整理券を配布。焼き上がり時間の関係と、密を避けるため、時間ごとに購入時間を案内するようになっている。
「ななカヌレ(NANA-Canele)」の地元産フレーバーを使ったカヌレに注目!
メニューを見てもわかる通り、「ななカヌレ(NANA-Canele)」のカヌレは、一つひとつの工程がそれぞれで異なり、時間と手間がとてもかかるため、一度にたくさんつくることはできないそう。
●クラッシック…マダガスカル産バニラビーンズをたっぷり使用した、ラム酒とバニラが香りたつリッチな味。
●白隠正宗の甘酒…沼津の「白隠正宗」の糀(こうじ)と水のみでつくられた甘酒を使用。酒蔵特有の磨き込まれたお米の旨味と糀(こうじ)の香りが、他にはない味わいに。
●コーヒー…裾野にある自家焙煎珈琲のお店「おひさまカフェ」で「ななカヌレ(NANA-Canele)」用に特別ブレンドしてもらっているコスタリカ産コーヒー豆をエスプレッソで使用。苦みと香りのバランスが絶妙。
●いちご…静岡県産イチゴを使用した自家製ジャムをたっぷり使用。ホワイトチョコレートをまとわせ、甘みが濃縮したドライストロベリーがアクセントになっている。
●抹茶…静岡県産高級抹茶を生地に練り込み、さらにカヌレにもふるった二層仕立て。奥深い香りとほろ苦さが特徴。
●煎茶…店主・勝又さんの家のお茶畑で手摘みした茶葉を使用。煎茶を生地に練り込み、その上にホワイトチョコレートをあしらい、さらに煎茶をふるった二層仕立て。抹茶とはまたひと味違う、お茶ならではの苦みが楽しめる。
●豆乳…清水町の柿田川湧水群にある「カメヤ柿田川豆腐館」の豆乳を使用。きな粉をふるった上に黒豆をあしらった二層仕立てで、素朴でやさしい味。飽きがこないさっぱりとした味になっている。
●寿太郎マーマレード…契約栽培の沼津特産の寿太郎みかんを、自家製マーマレードに仕立て、生地に練り込んでいる。仕上げにオレンジピールを添えている。寿太郎みかんのフルーティーな甘みが楽しめる。
その他にも黒胡麻、ロイヤルミルクティー、ほうじ茶、ビターショコラ、ピスタチオ、シナモンバナナ、ココナッツ、ミルクショコラ、アーモンド、塩キャラメル、オランジェット、フロマッジといったフレーバーを用意。
今後、季節に合わせた新メニューも登場するかもとのこと。
「ななカヌレ(NANA-Canele)」のカヌレは、そのまま食べてもおいしいが、オーブントースターで3〜5分温め、それを一度冷蔵庫で休ませ、表面がカリッとした段階が一番おいしい状態。外側がカリッとして中は柔らかいという、ベストな状態を味わえる。(チョコレートのデコレーションがしてあるものは温めなおしは不要)
「ななカヌレ(NANA-Canele)」のヒットは、スタッフも予想外
「ななカヌレ(NANA-Canele)」のカヌレは、全て手作業でつくっている。
まず、牛乳などの液を沸かし、それをある温度まで下げ、粉類とホイッパーで混ぜる。
そしてゴムベラを使ってこし、1、2日、生地を寝かせる。
焼くときは、まず型に一つずつバターを塗り、一定量ずつ注ぎ、型をトントンして生地の気泡を抜く。
オーブンでは、温度を変えて約1時間半焼き、型から出して更に追い焼き。
そしてそのまま瞬間冷凍して保存し、店頭に出す日は朝からリベイク。
リベイク後はカヌレの温度を下げてから、デコレーション。
そしてカヌレを落ち着かせるためにもう一度冷却してからようやく店頭に並ぶのだそう。
予約が必要になるほどの人気店になるとは、当初スタッフも想像していなかったという。
「オープン前に近隣にちらしのポスティングをしたくらいだったのですが、オープン日にはたくさんのお客さまが来てくださいました。『初日は何人くらいのお客さんが来てくれるかなぁ』とあまり期待していなかったんですよ。オープン日に新聞にも取材していただき、その後の反響がすごくて。本当はゆっくりしていただこうと思って、店内にイートインコーナーや写真スポットも設けたんですよ。未だにあまりご利用いただけていないのが残念なのですが……。お手洗いもすっごくかわいくなっているんですよ〜。今はありがたいことに、たくさんのお客さまにご来店いただいていて、ゆっくりしていただける状況ではなくて本当に申し訳ないです。お仕事帰りにも立ち寄ってもらえたらと思い、19時までの営業時間にしていましたが、実際は売り切れてしまうため、早仕舞いになってしまっています」と勝又さんは話す。
今は曜日限定で予約販売に切り替えたことで、お客さまと話せる時間が幾分か取れるようになったが、予約限定販売の日の来店客の半数は、予約のみということを知らずに来店してしまっているそうで、本当に申し訳ない気持ちになるという。
お話を聞いていると、勝又さんのお客さまへの心遣いが伝わってくる。
人気店ならではの苦労もあるようだ。
「ななカヌレ(NANA-Canele)」のカヌレは、カヌレの概念が変わるほどのおいしさ
カヌレというと、なんとなく「おしゃれなお菓子」というイメージがあり、どちらかというと若い女性が好きそうな印象がある。
しかし、「ななカヌレ(NANA-Canele)」のカヌレは、おじいちゃん、おばあちゃんにも人気。
実際、いただいてみると、カヌレの概念が変わり、こんなにおいしいお菓子があったなんてと驚くほどだ。
試食用に2個ご用意していただいたが、食べ終わってしまうのが本当に悲しくてたまらなかった。
むしろ、こんなおいしいものがあるなんて知らない方がよかったと思ったくらい!
「ななカヌレ(NANA-Canele)」を立ち上げた「彩り居酒屋 花の菜」の花井さんは、もともとカヌレが大好き。取り寄せたりして食べていたが、あるとき、以前一緒に働いていた「びすとろ くくぅー(Bistro Coucou)」のシェフ・鈴木さんに、カヌレをつくってと依頼してみたところ、そのおいしさに驚いたという。
ちょうど新型コロナウイルスの影響でお店の売り上げ状態も厳しく、それなら新しいことにチャレンジしてみようと、鈴木さんと一緒に「ななカヌレ(NANA-Canele)」を立ち上げた。
実は鈴木さんは、花井さんに依頼されるまで、カヌレをつくったことはなかったのだそう。
お店をつくることを決めてからは、いろいろな卵、牛乳、粉、バニラビーンズを試し、配分も変え、何度も何度も試作を重ねた。
ケーキを選ぶような感覚で楽しんでもらえたらと思い、かわいいデコレーション、さまざまなフレーバーを用意した。
お店をオープンするにあたっては、知らない人よりはということで、鈴木さんのお母さまである勝又さんが担うことになったという。
今回、人気店だから取材をお断りされるかと思ったが、お話を聞いていると、店主の勝又さんはお客さま思いの本当にやさしくていい方だった。
今はまだ理想のお店運営はしにくい状況だが、ゆくゆくは生産量を増やし、少しでも多くのお客さんに食べていただけるような体制を整えられればと話してくれた。
【MENU】
●カヌレ……300〜350円程度
●おまかせ4個入りセット……1500円
●おまかせ8個入りセット……3000円
「ななカヌレ(NANA-Canele)」の詳細はwomo店舗ページをチェック
編集部の気になる新店 WOMO編集部が今いちばん気になるニューオープン・リニューアル店をピックアップ。