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【ポポーカフェ(PawPaw’s Cafe)】珍しいフルーツ・ポポーを使ったかき氷カフェが2021/7/10(土)清水区増に夏季限定オープン

【ポポーカフェ(PawPaw’s Cafe)】珍しいフルーツ・ポポーを使ったかき氷カフェが2021/7/10(土)清水区増に夏季限定オープン

日持ちしないため市場にはほとんど流通しないと言われている、高級な幻の果実「ポポー」。そんなポポーを静岡市の特産品にし、もっと広めたいという熱い想いを持つ「ファーム池の沢」が、2021年7〜9月の夏季限定でかき氷カフェ「ポポーカフェ(PawPaw’s Cafe)」をオープン(2022年以降も夏限定でオープン予定)。店長の望月周(しゅう)さん・由貴さん夫妻にお話をうかがった。

2021/7/10(土)OPEN! グルメ・清水区増「ポポーカフェ(PawPaw’s Cafe)」

“森のカスタードクリーム”と呼ばれるポポーのかき氷がいただける「ポポーカフェ(PawPaw’s Cafe)」

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カフェに置いてあるポポー。実はこちら、本物そっくりの食品サンプル! 触ってもわからないくらいそっくり

「ポポー」という果物をご存知だろうか。
テレビなどでも取り上げられ、高い栄養価と美容・健康にいい果物として話題になったことも。収穫から2〜3日程度で黒く変色してしまうことから、市場にはあまり流通していない果物。
希少価値が高いことから、栽培する数少ない農園には問い合わせや取材のオファーが殺到し、中には「問い合わせ・取材一切拒否」としている農園もある。
清水にある「ファーム池の沢」も、多くのメディアから取材を受け、全国的にも「ポポーを栽培する農園」の一つとして人気。
8月下旬〜9月下旬の1か月程度しか収穫できないというポポーの実は、年間1kgの箱詰めを1,000箱セットほど販売しているが、毎年完売になっており、今年分もすでに800箱は予約で埋まっているという(8/1の取材時点)。

ポポーは、もともとはその栄養価の高さから明治時代に日本に入ってきた果物で、和名は「あけび柿」だ。パパイアやマンゴーといった南国フルーツがまだなかった時代に、「アケビのような形をした柿のような果物」として「あけび柿」の名が付けられたのだろう。農家や民家の庭先に植えられ、家庭で食べられてきたので、お年寄りの方(ほう)がその名を知っている果物のようだ。

「森のカスタードクリーム」「カスタードアップル」とも呼ばれているポポーの糖度はなんと22度程度。イチゴが10度程度、メロンが12度程度、スイカが14度程度と言われる中、その甘さは数値からもよくわかる。
取材時に、特別にポポーの冷凍の果肉をいただかせてもらったが、個人的な意見としてはパイナップル、パパイア、柿、マンゴーに近い印象。栄養価が高そうな、甘く濃厚な味で、食感はバナナや熟したアボカドの食感に近い。
真ん中から縦半分に切ってスプーンですくったり、輪切りにしてフォークで食べたりする。

そんな珍しいポポーをもっと広めたいと「ファーム池の沢」がオープンしたカフェが、「ポポーカフェ(PawPaw’s Cafe)」だ。
場所は国道150号「いちご海岸通り」にあるイチゴ農園「ストロベリーフィールド」のカフェ。イチゴ農園がクローズする夏季を利用して期間限定でオープンする。

「ポポーカフェ(PawPaw’s Cafe)」は7〜9月の土日限定でオープン

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「ポポーカフェ(PawPaw’s Cafe)」は、2021年7〜9月の土日限定でオープンするカフェで、すでにSNSやクチコミを経由してじわりと人気が広がっている(2022年以降も夏限定でオープン予定)。
13〜15時頃が来客のピークで、ポポーは1日15食程度だそう。早めに訪れたい。
提供するメニューは次の通り。

【MENU】
[かき氷]
●幻のかき氷生ポポー……1,000円
●静岡産いちごミルク……750円
●抹茶あずきみるく……750円
●ほうじ茶あずきみるく……750円
●生クラウンメロン……800円
●クラウンメロンみるく……850円
●スルガあまなつヨーグルト……750円
●色が変わる!?魔法のかき氷レモン……800円
●お子様用かき氷……300円(マンゴー・スイカ・ブルーハワイ・コーラ・キウイ・パイン)

[ドリンク]
●魔法のレモンスカッシュ……300円
●ポポースカッシュ(ファーム池の沢)……500円
●ほうじ茶……300円
●コーヒーCold brew coffee……300円

「お子さま用かき氷」以外は静岡県産生フルーツなどを使用した手づくりシロップ。ふわっふわの氷に、シロップは3回に分けてたっぷりとかけてくれているので、満足感あり。ポポーは「ファーム池の沢」(静岡市清水区)、イチゴはカフェを借りている「ストロベリーフィールド」(静岡市清水区)、抹茶やほうじ茶は「茶楽」(静岡市清水区)、あずきは「松永製餡所」(静岡市清水区)、メロンは袋井産のクラウンメロン、スルガ甘夏は「青木農園」(静岡市清水区)と、地元産の材料が中心になっている。

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抹茶あずきみるく(「PawPaw’s Cafe」提供写真)

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「魔法のレモンスカッシュ」(「PawPaw’s Cafe」提供写真)


「魔法のかき氷レモン」「魔法のレモンスカッシュ」は、レモンを入れると色が変わるお茶として人気のバタフライピーを使ったメニューだ。

「実はカフェをやろうと思ったのが、今年の5月なんです。収穫シーズンも終わっていましたし、用意できるシロップに限りがあって……。そのため、今年は1日15食限定なんです。来年はもう少し用意できたらと考えています」と話す。

当初はコンテナハウスを用意するなど考えていたそうだが、縁があり「ストロベリーフィールド」のカフェスペースを借りることができたそうだ。店内のほか、外のテラス席でもいただくことができる。ただし、店内は簡易クーラーの用意はあるが、エアコンがないので、そのつもりで来店を。店内は簡易クーラーの設置のみということで、暑さ対策は忘れずに。

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外のテラス席。外とはいえ、海へと風が抜けるため、比較的涼しい

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写真撮影用のアイテムも用意してくれている(「PawPaw’s Cafe」提供写真)


「ポポーカフェ(PawPaw’s Cafe)」の店主は、実は本業は土木関係!

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「ポポーカフェ(PawPaw’s Cafe)」を切り盛りする望月周さんは、実は本職は橋梁補修工事・サンドブラスト工事・塗装工事を行う「池ノ沢工業」の取締役で、1級土木施工管理技士としての仕事が本業。
大学卒業後は、県内ではそれなりに名が知られているスイーツ店で、商品開発等の仕事に3年ほど就く。その後、家業の「池ノ沢工業」へ入社している。
商品開発のスキルと経験があったので、ポポーを使った商品開発やカフェを担当しているのだという。
「ポポーカフェ(PawPaw’s Cafe)」は、奥さまの由貴さんや「池ノ沢工業」の従業員とともに営んでいる。

「池ノ沢工業」の社長であり、周さんのお父さまである望月史(ちかし)さんが、50歳を機に自分のやりたいことを始めたいとスタートしたのがポポー栽培。
実は史さんが子どもの頃に住んでいた家には、ポポーの木が植えてあり、よく食べていたという。あの懐かしくておいしい味を家族にも食べさせてあげたい。そんな想いから2008年に「ファーム池の沢」を立ち上げた。

当時は情報も少なく、ポポーの苗木は入手困難。手探り状態で探し当て、アメリカから種を直輸入することに成功した。
「購入しようとした農地の住所が“池の沢”というところだったんです。会社名も“池ノ沢工業”だし、すごい偶然ですよね」と周さんは話す。
土木関係の会社の社長さんが、情報も何もない作物の農業を始めるなんて、なかなかすごい。
「よい品種の種を入手したつもりなのに、思っていたものと違う品種の実がなったり、原種のような実ができたりと、最初はうまくいかなかったんです。接ぎ木(つぎき)をすることで、ようやく安定したサイズの実をつくることができるようになりました」。
接木という発想は、素人ではなかなか出てこないのではと思い、聞いてみると「父の父、つまり祖父がミカン農家で、父も農業高校を出ているので、農業の知識はあったんですよ」と周さん。
なるほど、それなら納得だ。

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木になっているポポーの実(「ファーム池の沢」提供写真)

昔は“あけび柿”の名にふさわしく、サイズもアケビくらいの大きさだったそうだが、今では品種改良が進み、200〜300gのサイズのものから、時には1kgほどのサイズのものまであり、約20種類ほどの品種があるとのこと。
種から育てたポポーは、実がなるまでに約10年ほどかかる。「ファーム池の沢」でも7〜8種類程度の品種を種から育て、また、日本各地からも苗や種を探し、2015年から収穫がスタート。今ではポポーは約900坪の土地に15種類200本ほどの木が植えられ、「イケノサワポポー」としてブランド化に成功した。

ほかにも、販売はしていないが、アーモンド、フェイジョア、黒もちトウモロコシといった日本では珍しい作物も育てている。
フェイジョアはこちらもあまり流通しない珍しい果物だが、庭木として人気。熱帯植物でミカンが育つような地域に向いている植物と言われているので、静岡では時折、見かけることがある。
黒もちトウモロコシは、一般的なトウモロコシとは違い、モチモチとした食感と、昔ながらの味が特徴的。

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こちらがフェイジョア(「ファーム池の沢」提供写真)

ポポーを静岡の特産品にしたい!

ポポーの原産地のアメリカでは、生食としては流通させにくいので、ビールやお菓子に加工されるほか、化粧品、サプリにも加工されるなど、味だけでなく、美容・健康にもよい果物として知られている。
「あるメディアの企画で、ポポーをよく食べるうちの家族や池ノ沢工業の従業員の肌年齢を調べたら、みんな実年齢よりも若かったんですよ。美容にもいいので、女性にもおすすめの果物なんです」と話す。

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実を大きくするため、実は1つの枝に3つ程度まで摘果する(「ファーム池の沢」提供写真

ポポーの木は、耐寒性があり、暑さにも強く、虫にも強い木。ほとんど手間がかからない。「静岡は温暖な気候でポポーを栽培するのに適した環境だと思います。ポポーを静岡の特産品の一つにできたらとも考えているんですよ」と周さんは話す。
そんな想いの第一歩として、2019年には静岡市のふるさと納税品にもなった。

「メディアの影響もあり、ポポー自体は常に販売数が足りないくらい人気なんです。手がかからない果物ですし、一緒に栽培する仲間を増やしていけたらと考えているんです」。
カフェをスタートしたことを機に、すでに立ち寄ったお客さんから「休耕地になっている畑でポポー栽培をしてみたい」という農家からも声がかかっているという。高齢化が進み、静岡の各地で問題となっている耕作放棄地対策に一役を担ってくれそうだ。

現在は冬期のみだが、インターネットで穂木(ほぎ。接ぎ木で増やすための上部に使う木のこと)の販売も行っている。2021年3月発送分はすでに完売し、2022年3月発送分の受付になるそうで、人気の高さがうかがえる。

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ポポービネガーを炭酸で割っていただく「ポポースカッシュ」

ポポーは果実として販売できるのは、もちろん状態のよいものだけで、出荷に適さないB級品は加工される。カフェで提供しているかき氷用のシロップはもちろんだが、2018年にはジャムとプリンを、2019年にはビネガーを、そして現在、アイスクリームとビールを開発中。アイスクリームは2021年内に販売開始予定で、ビールは「ガルシアブリューイング」(静岡市清水区)で2022年販売開始を目指して試作中という。一部は道の駅や「エスパルスドリームプラザ」(静岡市清水区)で購入可能予定とのこと。

「ポポーの収穫は8月下旬〜9月下旬なのですが、生食が手に入る時は、果肉入りのかき氷を出せたらと思っています」と話す。数に限りがあるので、登場するかどうかは未定。シーズンになってお店にあったら、ぜひ食してほしい。

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「ポポービネガー」(1,600円)は炭酸で割って飲むとおいしい。カフェで出している「ポポースカッシュ」はこのビネガーを使用。「ポポージャム」(850円)はヨーグルトに入れていただくのがおすすめとのこと

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「ストロベリーフィールド」のカフェスペースで夏期限定でオープン


【前記以外のMENU】
[かき氷]
●茶楽さんの上富士抹茶あずき……700円
●茶楽さんのほうじ茶あずき……700円
●青木農園さんのスルガあまなつ……700円
●静岡いちご……700円
<トッピング>
●松永製餡所所さんの北海道あずき……50円
●練乳ミルク……50円
●ヨーグルト……50円

[ドリンク]
●ほうじ茶糖……300円
●うす茶(抹茶ドリンク)……300円
●静岡名物うす茶糖……300円

[セットメニュー]
●かき氷+ドリンク……1000円
●幻のかき氷+ドリンク……1100円

「PawPaw’s Cafe(ポポーカフェ)」の詳細はwomo店舗ページへ

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PawPaw’s Cafe

高級フルーツとして人気。「森のカスタードクリーム」ポポーを使ったかき氷カフェ

更新日:2021/8/6
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