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「グランマ・モーゼス展」静岡市美術館で開催中~モーゼスおばあちゃんが描く素朴であたたかい世界

「グランマ・モーゼス展」静岡市美術館で開催中~モーゼスおばあちゃんが描く素朴であたたかい世界

グランマ・モーゼスの愛称で親しまれるアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスは、70代で本格的に絵を描き始め、101歳で亡くなる年まで1600点以上の作品を描き続けました。本展では、最初期の油彩画から100歳で描いた絶筆、愛用品や関連資料まで、日本初公開を含む約130点を展示。世界が不安に包まれる今だからこそ響く、あたたかくも力強いメッセージが込められた “美しき世界” に浸ってください。

「生誕160年記念 グランマ・モーゼス展―素敵な100年人生」 2021/9/14(火)~11/7(日)

アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(1860-1961)

「人生は自分で作りあげるもの。これまでも、これからも。」
       グランマ・モーゼス
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制作中のグランマ・モーゼス 1946年 写真:Otto Kallir ©2021, Grandma Moses Properties Co., NY

グランマ・モーゼスの愛称で親しまれ、アメリカ人なら誰もが知る国民的画家。人生の大半を農家の主婦として家庭を切り盛りし、70代で本格的に絵筆を取る。
農村の自然や日々の暮らし、季節の行事などを素朴な筆致で描いた作品は地元のドラッグストアに飾られ、偶然、村を訪れたコレクターの目にとまる。1940年、80歳の時にニューヨークで初個展を開くと、一躍人気作家に。アメリカ各地で展覧会が開催され、大統領から表彰を受けるなど著名になってからも堅実な暮らしぶりは変わらず、101歳で亡くなる年まで農村の人々の暮らしを描き続けた。
1953年には『タイム』誌の表紙を飾り、1960年にはニューヨーク州知事がモーゼスの100歳を祝って、誕生日の9月7日を「グランマ・モーゼスの日」に制定。


グランマ・モーゼスの生誕160年を機に企画された本展は、日本で開催される回顧展としては16年ぶり。
彼女の描く風景は、当時、大恐慌や戦争で不安にさいなまれていたアメリカの人々の心を癒し、励ますものでした。

自然との調和を大切に、たくましく誠実に生きたグランマ・モーゼスの素敵な100年。彼女が描いた “美しき世界” は、今を生きる私たちを元気づける、あたたかい希望が込められています。

■第1章 アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス

モーゼスは絵画を始める前は刺繍絵を得意としていました。やがてリウマチの悪化により針を持つのが難しくなると、油絵を描くようになります。自身の体験をもとに、アメリカ北東部の村の自然や日々の仕事、季節ごとの行事などを豊かな色彩と素朴な筆遣いで描きました。

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アンナ・メアリー・ロバートソン・“グランマ”・モーゼス 《海辺のコテージ》 1941年 個人蔵(ギャラリー・セント・エティエンヌ、ニューヨーク寄託) ©2021, Grandma Moses Properties Co., NY


■第2章 仕事と幸せと

モーゼスが暮らした村では、せっけんやろうそく、砂糖や衣類まですべて自分たちでつくる生活を送っていました。日々の仕事のようすや日常の風景を描いた作品からは、当時の人々の生き生きとした営みが伝わってきます。

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アンナ・メアリー・ロバートソン・“グランマ”・モーゼス 《村の結婚式》 1951年 ベニントン美術館 ©2021, Grandma Moses Properties Co., NY

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アンナ・メアリー・ロバートソン・“グランマ”・モーゼス 《キルティング・ビー》 1950年 個人蔵(ギャラリー・セント・エティエンヌ、ニューヨーク寄託) ©2021, Grandma Moses Properties Co., NY


■第3章 季節ごとのお祝い

モーゼスの村の人々は四季の変化を大切にし、季節ごとの行事を楽しんでいました。
メープルの樹液を採取してシロップと砂糖を作るシュガリング・オフ、リンゴとアップル・サイダー(リンゴ果汁)を煮詰めてバター状にするアップル・バター作り、ハロウィーンやクリスマス。モーゼスはこうした行事をテーマにした作品も数多く描きました。

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アンナ・メアリー・ロバートソン・“グランマ”・モーゼス 《シュガリング・オフ》 1955年 個人蔵(ギャラリー・セント・エティエンヌ、ニューヨーク寄託) ©2021, Grandma Moses Properties Co., NY

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アンナ・メアリー・ロバートソン・“グランマ”・モーゼス 《来年までさようなら》 1960年 個人蔵(グランマ・モーゼス・プロパティーズ、ニューヨーク寄託) ©2021, Grandma Moses Properties Co., NY


■第4章 美しき世界

モーゼスは国民的画家となってからも堅実な暮らしぶりは変わらず、日々を喜びで満ちたものにしようと生きた農村の人々の暮らしを描き続けました。
展覧会では最初期の油彩画から100歳で描いた絶筆まで80点の作品でモーゼスの絵の世界を紹介しています。

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アンナ・メアリー・ロバートソン・“グランマ”・モーゼス 《虹》 1961年 個人蔵(ギャラリー・セント・エティエンヌ、ニューヨーク寄託) ©2021, Grandma Moses Properties Co., NY


そのほか、モーゼスが絵画制作の作業台として使っていたテーブル、孫娘のために作った人形など、愛用品・資料など約50点を展示。彼女のプライベートを垣間見ることができます。

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【生誕160年記念 グランマ・モーゼス展―素敵な100年人生】
■会期/2021年9月14日(火)〜11月7日(日)
※毎週月曜休館(9月20日(月・祝)は開館、9月21日(火)休館)
■開館時間/10:00〜19:00(展示室への入場は~18:30)
■観覧料/一般1300円、大高生・70歳以上900円、中学生以下無料
■会場/静岡市美術館(静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー3階)
■駐車場/なし
■アクセス/JR静岡駅北口から徒歩3分
■問合せ/054-273-1515

静岡市美術館 公式サイト

更新日:2021/9/21
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