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【Fosset】暮らしに心地よいエッセンスを

【Fosset】暮らしに心地よいエッセンスを

まちの案内人にお気に入りのお店やスポットを紹介してもらう、「わたしの散歩みち」。今まで知らなかった楽しみ方やディープな情報を見つけて、このまちの「好き」を再発見する散歩へ出かけよう。北街道周辺の案内人は「カレーと喫茶 あまりろ」の小亀さちさん。今回は、小亀さんのお気に入りスポットだという「Fosset」を深掘りしてみた。

「カレーと喫茶あまりろ」の店主の画像

案内人:小亀さちさん
北街道界隈周辺の案内人は、『カレーと喫茶 あまりろ』の店主 小亀さちさん。テイクアウト販売のカレー店からはじまり、現在は店舗を構える中で知り合ったお店の方やよく行くお店など、“あまり人に教えたくない”というお気に入りのスポットをこっそり教えてもらった。


雑貨・鷹匠「Fosset」

おうち時間を楽しむヒントを探しに

「日常を大切にする」。案外簡単なようで難しいキーワード。そのヒントがほしいときに訪れたくなるのが、鷹匠にある暮らしの雑貨とお洋服のお店『Fosset』さんだ。「いらっしゃいませ」と、優しい笑顔で出迎えてくれたのは、店主の白取智恵さん。なんと2021年12月でオープンから丸10年という。

『Fosset(フォセット)』はフランス語の“fossette”からとっていて、“えくぼ”という意味だそうだ。その名前の通り、お店に入ると「あ、これいいな」が散りばめられていて、つい口元がゆるんでしまう。日常使いできる器や調理道具、大切に着たくなる触り心地のよい洋服や靴下、繊細で華奢なアクセサリー。どれもこれも、「おうちにあれば、うれしいな」と思わせてくれる魅力がある。

暮らしというのは、さまざまなモノで成り立っている。そのひとつひとつを心地よいもので集められればどれほど豊かなんだろう、とはっと気付かされる。

鷹匠の雑貨屋「Fosset」の外観と女性モデルの画像

白取さんがお店を始めたのは、当時通っていた陶芸教室の先生の一言。「いつかお店をやってみたいなぁ」と言っていたら、「じゃあ、やりましょう。いつかじゃなくてやりましょう」と後押ししてくれたそうだ。気がつけばたくさんの人に話が伝わり、ついに今の場所に巡り合った。

「あれよあれよと進んでいって(笑)。先生のお知り合いの方から“物件が空いているところがあったよ”と伺って見に来たら、すごく気に入っちゃいました。目の前の通りの大きい緑の木や、鷹匠の落ち着いた雰囲気がいいなって。本当にここでお店をやってみたいな、と思ったのが始まりです」。

元々は愛知県出身で、結婚を機に静岡へやってきたそう。知り合いもあまりいないなかのオープン。けれど、お店をオープンしたことが静岡を知るよいキッカケになった。「お客さまが静岡のことを色々教えてくれました。それがすごく励みになって、色々教えてもらって勉強させてもらいました」

鷹匠の雑貨屋「Fosset」の内観画像

プレゼントを買いに来る人も多いそう

丁寧にセレクトされたモノたち

お店にあるもののほとんどは、白取さんが実際に使ってみて「いいな」と思ったものや、つくり手さんに話をじっくり聞いて「扱いたい」と思ったものばかりだそう。どれもこれも、白取さんの“スキ”や“ステキ”がたくさん詰まっている。

「来てくれる人は、仕事だったり、家事育児だったり、日々頑張っている人が多いと思います。だからこそ、ステキなものに出会うよろこびや発見があればいいなと思っています」。

好きな器があれば、料理が楽しくなる。好きな服があれば、お出かけが楽しくなる。日常を豊かにするのは、そんなささいなキッカケから始まるんじゃないだろうか。“スキ”が持つやさしい力を感じた。

鷹匠の雑貨屋「Fosset」で取り扱う陶芸作家・村上祐仁さんの器の画像

陶芸作家・村上祐仁さんの器。まるいフォルムですべすべとした手触りが心地よい

鷹匠の雑貨屋「Fosset」で店員にアイテム選びを相談する女性モデルの画像
鷹匠の雑貨屋「Fosset」の2階に昇る女性モデルの画像

店内を見回して、洋服を手に取っていると、白取さんが話しかけてくれた。
「このお洋服は、倉敷のrolca on the notes(ロルカ オン ザ ノーツ)です。生地からこだわっていて、長く着られるものを作られています。ニットは90%ほどが中国製ですけれど、ロルカさんは国内の生産にこだわっていて、東北地方の方と一緒にニットを作られているんです。本当に軽くて、柔らかくて、チクチクしない。おうちでお手入れしやすいニットです」。

カラフルに並べられた靴下を見ていると、「その靴下は、KARMAN LINE(カーマンライン)という奈良県のブランドです。デザインする方と、生地にこだわる方の女性二人がやってらっしゃって。はき心地にこだわっていて、種類ずつに星座の名前がついているんです。贈り物にもよろこばれますね」。

どの商品も丁寧に背景を教えてくれる白取さん。誰かにプレゼントするときに、自信を持って「いいものだよ」と紹介できるのはなによりもうれしいこと。大切に選ばれてお店に並べられているからこそ、大切に持ち帰りたくなるのかもしれない。

鷹匠の雑貨屋「Fosset」で取り扱うファクトリーブランド「ao」の赤いカーディガンを見る女性モデルの画像

新潟県糸魚川市に自社の縫製工場をもつファクトリーブランド「ao」。ガーゼにこだわり、ふんわりとした着心地

鷹匠の雑貨屋「Fosset」で取り扱う靴下がディスプレイされている棚の画像
鷹匠の雑貨屋「Fosset」で取り扱うファクトリーブランド「ao」の赤いカーディガンを見る女性モデルの画像

少しでも長く大切にしてもらえるように

「なぜお店をやっているんですか?」と尋ねたとき、白取さんの凛とした笑顔が印象的だった。
「なんででしょうねぇ。“使ってよかったよ”や、“プレゼント、すごくよろこんでもらえたよ”や、“着心地いいからもう1枚”などお客さまから言われると、“やった!”ってうれしくなっちゃいますね(笑)。つくり手さんや作家さんに直接お会いしたり、製造の背景を聞いたりしているからこそ、いいものだと確信しているのでたくさんの人に紹介したいのかもしれません」。

穏やかな雰囲気のなかにある、しっかりモノの良さを伝えたいという白取さんのゆるぎない想い。10年間この場所で愛され続けている理由が垣間見られた気がした。
「お祝いに、なにかプレゼントしたいな」、「おうち時間を大事にしたいな」、「心地よい服に包まれたいな」。モノを通して、一緒に感動を味わえるという店は稀有だと思う。まだ出会っていないステキなものを探しに、また訪れたい。

鷹匠の雑貨屋「Fosset」の内観画像
鷹匠の雑貨屋「Fosset」の外観画像

案内人からのおすすめポイント

質の良い雑貨や食器、衣類があって、全部の商品に見とれてしまいます。カレーをかきまぜるヘラもここで購入し、ヒビが入るまで使っています。包装がとてもかわいいので、友達へのプレゼントはここでよく購入します。

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ライター:町 紗耶香
フリーランスの編集・ライターとして雑誌や広告に携わる。次世代につなげたい伝統・文化や、大切に育まれた人柄・物事を、本質から伝えたいと日々精進中。


撮影:森島 吉直/モデル:鈴木 茉吏奈

『Fosset』の基本情報はこちら

紹介スポット

静岡市葵区

Fosset

暮らしに心地よいのエッセンスを 丁寧にセレクトされたモノたちがそろう雑貨と洋服の店

更新日:2022/4/26
コラムシリーズイメージ

わたしの散歩みち まちの案内人が紹介するあのお店のこと、あの店主のこと。そして、このまちの「好き」を再発見する散歩へ出かけよう。

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