クリスマスギフト特集 〜雑貨・作家作品編〜
もうすぐクリスマスの季節がやってくる。大好きなあの人に、今年も頑張った自分へのごほうびに…… womoがおすすめしたい静岡の個店のギフトを選んでみた。
挽物所639の「FLOWER BASE」
郷土工芸品「静岡挽物(ひきもの)」の魅力
静岡県にはたくさんの郷土工芸品がある。その中のひとつ、木工ろくろや旋盤(せんばん)で木を削り加工した「静岡挽物(ひきもの)」をご存知だろうか。
清水区に工場をもつ『挽物所639(ひきものじょろくさんきゅう)』には、現在30~40代の男性3名の挽物師が在籍。伝統的な技術と美しいデザインを融合させた作品を数多く生み出している注目の企業だ。
職人の手作業で一つひとつ丁寧につくられたぬくもりを感じられる一点もの
今回ピックアップしたのは置いておくだけでもインテリアの一部になるフラワーベース(花器)。人の手で作られたあたたかみのあるプレゼントにしたいという方や、お花が好きなあの人に、あえてお花ではなくフラワーベースを贈りたいという方にもぴったりの素敵なギフトになるのではないだろうか。
『挽物所639(ひきものじょろくさんきゅう)』のフラワーベースは、生花はもちろん、子どもが庭や野山、道端で摘んだ小さな草花を挿すだけでも様になり、ドライフラワーは生き生きとした生命力すら感じられる、不思議な魅力がある。
上写真左「M Flowervase large(4290円)」
生活用品や家具のデザインしているプロダクトデザイナー花澤啓太さんがデザイン。ヒノキを使用しているので香りがいいのが特徴。
上写真中「TSUBOMI L 茶染(4950円)」
右「TSUBOMI S ウォールナット(2750円)」
写真中央、黒のフラワーベースは静岡で栽培された茶葉から色を抽出し染めあげられたもの。満足のいく仕上がりになるまでに3年ほどかかったそう。
今では手作業で静岡挽物を制作している職人は数える程度だという。
代表の百瀬さんは「私たち挽物師にとっては制作している100分の1かもしれないですが、手に取ってくださるお客様にとっては1分の1だということを常に意識して、妥協せずに制作しています。挽物を通して少しでも幸せと感動を体感してもらえたら嬉しいです」と話してくれた。
その想いからだろうか、実際に手にとった時の手ざわりやぬくもりが、とてもあたたかなものに感じた。一つとつ大切に作られているからこそ、贈られた方も大切にしたくなるのだと思う。
【購入場所】
そのほか年に数回開かれる展示会兼販売会の「工場ギャラリー」でも購入可能。開催日は公式ホームページやInstagramにて告知。
■工場:静岡市清水区茂野島415-1
三保原屋LOFTの「HAHAHANO. LABO、62muni イラストグッズ」
心ほどける、ゆるやかなタッチのイラストがグッズに。
眺めていると、不思議と幸せな気持ちになれるグッズたち。イラストを手掛けるのは、静岡市内の特別支援学校・支援学級に在学中の子どもたちおよび卒業生のイラスト、絵画、言葉、文字、落書きを集めて、ロゴ・パッケージデザイン・商品企画など様々な取り組みを行っている「HAHAHANO.LABO(ハハハノラボ)」のKANくんと、特別支援学校に通っていた「62muni(ムニ)」のAYATAくん。
二人のイラストは、それぞれのタッチに特徴がありながら、心がほどけるような優しさがある。
三保原屋LOFTらしい、笑顔になれるTシャツを贈ろう。
三保原屋LOFTでも大人気のオリジナルTシャツ。
HAHAHANO.LABOKANくんには「つながり・人が集まる場所」をテーマとした、クロスをモチーフにデザインを依頼。
62muniのAYATAくんは、「三保原屋LOFTらしい」モチーフに挑戦。傘や花瓶など、しなやかなタッチで描かれた中でも注目すべきポイントは靴下のイラスト。
靴下の留め具である金属のクリップまで細かく観察して描かれているのだ。
木彫りの熊がモチーフ。お茶目な表情がかわいいランチバッグとドリップコーヒー
夕食後に毎日3枚の絵を描くというAYATAくん。ランチバッグとドリップコーヒーのモチーフとなっている木彫りの熊は、AYATAくんのお母さまが好きなのだとか。
ふっと力の抜ける言葉を毎日に。日めくりカレンダー
HAHAHANO.LABOのKANくんが日頃感じたことが言葉で綴られた日めくりカレンダー。
31日分の数字のデザインと言葉が楽しめ、ずっと使うことができるのも嬉しい。
【購入場所】
店舗:
■三保原屋LOFT店
住所/静岡市葵区両替町2-4-1
営業時間/
10:30~19:00
Share the travelの「コインリング」
生まれ年のコイン、思い出の旅のコイン、それぞれの想いを身につけて。
両替町の街中にひっそりとお店を構える「Share the travel(シェア ザ トラベル)」。
ここでは、さまざまな国のコインを使ったコインリングや、シルバーなどを使ったアクセサリーが作られている。
店主の花城 龍一(りゅういち)さんはもともと海外旅行が好きで、香港出身の奥様 ミシェルさんとよく海外に出かけていた。その際に、余りがちな海外のコインに目をつけ、加工してアクセサリーを作り始めたのがコインリング制作のきっかけだそうだ。
「新婚旅行や卒業旅行、留学など、その時の思い出を身に付けることができたら素敵なんじゃないかなと思ったんです。『Share the travel(シェア ザ トラベル)』という店名も、旅の思い出を普段の生活にシェアするという想いを込めて考えました。」
生まれ年のコインを選んでリングを作ったり、好きな柄や色、磨き具合を見つけたり、選び方は人それぞれ。
また、日本の古銭を含む世界のコインは、唐草模様や幾何学模様、花や動物があしらわれたものなど、見ているだけでもワクワクする素敵なデザインが多い。
時間をかけて選びたくなる分、思い入れも深くなる。
実は龍一さんは、あまりアクセサリーを付けないタイプだったそう。「普段アクセサリーを身につけない人もつけてみたいなと思えるものって、やっぱり“思い入れのあるもの”なのかなって思います。」と話してくれた。
作り手と会える場所。選ぶ人の反応が見れる場所。
私たちが普段手に取るモノのうち、作り手を目の前にして手にできる商品はどれほどあるのだろう。
実際にお店に足を運ぶことで、目の前にいる人から生み出される作品なのだという実感を得ながら、手に取るものがどんな過程で、どんな想いが込められて生まれたのかを知ることができる。
また、作り手の花城さんも、お客さんがどんな風に悩んでそれを選んでくれたのかをできるかぎり見届けたいのだそう。
もともと知り合いのお店などに商品を置いてもらっていたのだが、「作る人、選ぶ人、それぞれが実際に顔を合わせられる場所を作りたい」という想いが、お店を作るきっかけになったという。
えらぶ時間、つくる時間、思い出をギフトに。
お店では、コインリングの値段+2000円(5500円)で、制作過程を体験できるワークショップを受けることもできる。(事前予約制)
どのコインで作ろうかと迷う時間、店主と楽しく会話しながらこだわりのリングが完成していく過程、そこでの発見や驚き。そんな思い出をギフトとして贈るのも素敵だと思う。
【購入場所】
店舗:
■Share the travel
住所/静岡県静岡市葵区両替町2丁目3-9
営業時間/
月曜〜木曜・日曜:12:00〜19:00
金曜・土曜:13:00〜21:00