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【満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)】オクシズの古民家カフェが2022/2/1(火)長熊に宿をオープン

【満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)】オクシズの古民家カフェが2022/2/1(火)長熊に宿をオープン

静岡市の中山間地・オクシズの玉川地区長熊にある『満緑カフェ』が宿泊施設をオープン。お店を営む河合舞(かわいまい)さんに、『満緑カフェ』のことから宿泊施設オープンに至るまでのきっかけや想いをうかがった。

2022/2/1(火)OPEN!グルメ&宿・長熊「満緑カフェ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)」

安倍川を北上し、玉川方面へ。そして中河内川の方へ北上していく。「ガイアフロー静岡蒸留所」を過ぎ、車で10分弱、長熊という小さな集落に出合う。
河原から少し高くなったところに建つ1軒の民家が、舞さんが営む『満緑カフェ(みりょくカフェ)』だ。この『満緑カフェ』で、クラウドファンディングを利用して宿を始めるという情報を得て、取材をお願いした。今回は営業日である週末に訪問し、ランチをいただきながら、合間にお話をうかがうことにした。

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)の内観の写真
満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)の庭の景色がみえる内観の写真

取材に訪れたのは真冬。山間地の民家ということもあり、たっぷり防寒対策をして行ったが、カフェ内は薪ストーブや灯油ストーブが用意されていてあたたかい。
最初に出迎えてくれたのは、舞さんのご主人。以前は舞さんと舞さんのお母さんとでカフェを営んでいたが、宿のオープンを機に、ご主人もこちらの運営に参加。夫婦2人で切り盛りすることになったという。

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)で提供してくれる長熊の緑茶の写真

玉川地区の緑茶でもてなしてくれる

『満緑カフェ&ショップ』を紹介したコラムはこちら

「ながくま 満緑の宿(ながくま みりょくのやど)」は昔の民家暮らしを感じられる場所

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)の外観の写真
満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)の入り口に笠や蓑がかけられた外観の写真

ランチを注文した後、待っている間に、宿を見せていただいた。
いったんカフェを出て、裏手へ回る。入口近くには、笠(かさ)や蓑(みの)がかけられ、昔の農家を思わせる佇まいだ。

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)にあるこたつの写真
満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)にある大所の写真

扉を開けると、昔の板の間のような雰囲気。こたつがあるのが嬉しい。夜はここに布団を敷いて寝るスタイル。
コンパクトな台所と、洗面浴室も備えられている。
素泊まりプランのほか、夕食や朝食はカフェでいただけるプランが用意されているが、入浴は車で20分ほどのところにある日本庭園風露天風呂「口坂本温泉浴場」(ナトリウム炭酸水素塩温泉)を利用するのもおすすめだ。

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)の入り口の写真
満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)のお茶とお茶請けとおもてなしのメッセージカードの写真

こたつの上には、お茶とお茶請け、さらにおもてなしのメッセージカードが。添えられた季節の花に心遣いを感じる。
さりげなく置かれている調度品が、いずれも昔の暮らしを思わせながらも、現代の暮らしにあうようにアレンジされている。気軽に古民家暮らしを体験できるつくりだ。

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)の外観の写真

宿泊する際は、こちらでのんびり過ごしてもいいし、外で焚き火をするのもいい。焚き火は火起こしから片付けまでスタッフにお任せでもOK。もちろん自分で火起こしすることも可能。焼きマシュマロも用意してくれるそうだ。
カフェの方には薪ストーブがあるため、希望すれば薪割り体験をすることもできる。斧(おの)を持って薪を割る機会はなかなかないので、新鮮な体験だ。

天体望遠鏡の貸し出しもあり、デッキに設置された椅子に座って満天の星空を眺めるのもいい。近隣には民家も少なく、街灯もないので、本当に星がきれいなのだそうだ。空気が澄んだ冬の季節の星空はことさらにきれいだし、夏は肉眼で天の川も見られる。

寒い冬の朝は、河原に霜がおり、それに朝日が落ちてきらきらと反射して美しいそうだ。近隣を散歩していると、ときにはシカの角を見つけることも。生え変わった角が落ちているそうだ。シカ自体はあまり見かけないそうだが、鳴き声はよく聞くとのこと。
そんな季節や時間とともに移りゆく自然ならではの風景を、のんびり楽しむのがこちらに宿泊する醍醐味だ。何もしないというのが、最高の贅沢なのかもしれない。

なお、焚き火と火起こし、片付け、焼きマシュマロ、薪割り体験、天体望遠鏡の貸し出しなどのサービスは、いずれも無料なのでぜひ利用したい。

「満緑カフェ&ショップ(みりょくカフェアンドショップ)」で地元食材を使った“母の味”をいただく

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)のランチの写真
満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)の薪ストーブを使ったおでんの写真

この日、ランチメニューとして用意されていたのは、キーマカレーとおでんの定食。月替わりで地元食材(主にオクシズ)を使った“母の味”の料理を提供している。この季節は薪ストーブを使った温かい料理が中心。心もからだもぽかぽかするようなメニューだ。
せっかくなので、薪ストーブを使って作られたおでんをいただいた。自家製ゆず胡椒とゆず味噌が添えてあり、とても香りが良い。舞さんのお祖父さまがゆずをつくっていて、何十本も木があるのだそう。
おかずも3品ほどついてくる。仕込みをはじめ、レシピは舞さんのお母さんが担当している。


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朝食も夕食も、宿泊者限定で、羽釜で炊いた静岡県産米のご飯をいただくことができる。羽釜のご飯炊きも希望すれば体験できるそうだ。

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)のスイーツとドリンクの写真
満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)の内観の写真

食後はデザート・ドリンクセットをつけ、杏仁豆腐と自家製の梅シロップを使った梅マローブルーをいただく。添えられた植物がかわいい。

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)に置いてあるけん玉や積み木の写真
満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)に訪れる野良猫の写真

カフェには、テーブル席や縁側席、ソファ席、そしてこたつ席がある。この家の持ち主が昔使っていたという、けん玉といった昔懐かしいおもちゃや、地元の木材を使った積み木なども用意されているので、子ども連れで訪れてもよさそうだ。取材に訪れた日も、母娘で訪れている方がいて、なんとも微笑ましかった。

時折、近所の野良ネコがやってきたり、イタチのような小動物が外を走り抜けていったりすることも。自然と野生動物に囲まれたこの周辺は、なんだか時間がゆっくりと流れている気がする。

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)で行っているフルオーダーメイドのフォト&ムービーウェディング「ながくま オージャス ウェディング」で使用できるドレスや小物を展示している写真
満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)で行えるフォトウェディングやアーユルヴェーダを紹介しているブースの写真

店内には、ショップコーナーもあり、舞さんの妹さんがすぐ近くで営んでいる「キャンドルショップ tawan」(現在、ショップは休業中。再開すれば制作体験も可能)の商品や、地元の方による木製品の販売等も行っている。

また、『満緑カフェ』では、自然豊かなロケーションをいかしたフルオーダーメイドのフォト&ムービーウェディング「ながくま オージャス ウェディング」も行っており、“自然をまとう”をコンセプトに、自然の植物を使ったアクセサリーをまとったウェディング撮影も行っている。プランの詳細を知ることができる展示コーナーもあるので、カフェの待ち時間にのぞいてみよう。

そのほかにも、2階の屋根裏部屋でアーユルヴェーダのトリートメントが受けられる「kura の森」や、1日1組限定のプライベートキャンプ「Miryoku Camp」も用意している。アーユルヴェーダは、平日のみなので、平日の宿泊時に合わせて利用してみるのもよさそうだ。

「ながくま 満緑の宿(ながくま みりょくのやど)」を始めたきっかけと、今後の展望

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)のオーナー河合舞さんの写真

静岡市の中山間地の玉川地区・長熊で生まれ育った舞さん。大自然に囲まれ、川で水遊びや魚のつかみ取りをしたり、季節の植物を観察したり、お茶摘みを手伝ったりと、のびのびと育った。高校卒業後は東京へ進学し、しばらく過ごすが24歳で静岡にUターンし、百貨店で働き始めたという。そして、体調不良を機にアーユルヴェーダに出合い、ライフスタイルを見直すようになる。

「川のせせらぎ、鳥の声、木々の間を抜ける風の音……。自然のBGMは最高の癒しでした。人口が減り、限界集落になりつつある長熊のために何かしたいと思い、まずは友人を誘い、長熊で古民家を借りてものづくりなどの体験イベントを開催し始めました」。
そして、2016年5月にはカフェをオープン。舞さんの祖父母がつくる野菜やオクシズ食材を使った、舞さんのお母さんの味は評判に。長熊の大自然とおいしいご飯を目的に訪れる人も次第に増えていった。

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)を俯瞰で見た写真

「宿泊事業をはじめようと思ったきっかけは、クラウドファンディング「しずおかMIRUIプロジェクト」に声をかけてもらったことです。宿は以前から考えていたことで、カフェオープン時だけでは感じられない魅力を感じてもらえたらと思っていました」。
「しずおかMIRUIプロジェクト」は、クラウドファンディングを通じて静岡県内事業者の新たな挑戦や困りごとを解決するもので、県内の企業が協力しているプロジェクトだ。

「古民家に泊まりたいと言ってくださるお客さまも多くて。長熊の日常を楽しんでもらえたらと、すでにキャンプ場を用意はしていましたが、キャンプだと少しハードルが高いという方もいらっしゃって。もっと気軽に楽しんでもらえるようにしたいと考えていたんです」。

コロナ禍でありながらも、舞さんの宿の企画に興味を持った人も多く、全国から支援が寄せられた。2022年1月11日をプレオープンとし、まずはクラウドファンディングの支援者向けの先行予約をスタート。そして2月1日を正式オープンとし、一般向けの予約を開始した。取材はプレオープン期間中だったが、すでに問い合わせも多く来ているそうだ。

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)のオーナー河合舞さんの写真

「入浴は、今は備え付けのお風呂か、近くの『口坂本温泉浴場』を利用してもらう形ですが、実は、ここのすぐ近くまで冷泉(=鉱泉のうち、25度以上は温泉で、25度以下は冷泉という)が来ていて、昔、ここではそれを沸かして楽しんでいたようなんです。みんなが集まる場になっていたみたいで。ゆくゆくは、ここもそんな場所にしていけたらなと考えています」。


ほかにも、舞さんが中学生の頃まで開催されていた「長熊花火大会」を復活させられたらと、舞さんは目をきらきらさせながら話す。
冷泉加温のお風呂、花火大会、いずれもまだ少しハードルが高いが、実現したら長熊の魅力がもっと上がることは間違いない。舞さんの夢がいつか実現することを心から願いたい。

満緑カフェ&ショップ/ながくま 満緑の宿(みりょくカフェアンドショップ/ながくま みりょくのやど)の看板の写真

紹介スポット

静岡市葵区

満緑カフェ&ショップ

自然豊かなオクシズ・長熊にある古民家カフェ&キャンプ・宿泊施設

更新日:2022/2/21
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