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寒い時期に災害が起こったら?冬におすすめの防災グッズや寒さ対策・火災対策

寒い時期に災害が起こったら?冬におすすめの防災グッズや寒さ対策・火災対策

いつ起きるかわからない災害。なんとなく備えはしているけれど、もし冬に被災したら…?寒い時期にあったら助かる防災グッズや、停電で暖房が使えなくなったときに備える寒さ対策、火災対策の方法などをご紹介!

監修は、防災の専門家 高荷 智也さん

静岡県三島市在住。「備え・防災アドバイザー」「BCP策定アドバイザー」として、講演・執筆・コンサルティングを請け負い、メディアにも出演。心配性で怖がりな性格で、常に災害に不安を抱えていたことから独学で防災について学び始め、そこで身につけた知識を周りの人にも知ってほしいとの思いでアドバイザーとなる。備え・防災について発信する自身のYouTubeチャンネル「死なない防災!そなえるTV」はチャンネル登録者数17万人を超える。

想像してみよう…寒い冬に被災したとき、何が困る?


「鈴木さん、こんにちは。備え・防災アドバイザーの高荷です」


「高荷さん、こんにちは。今日はよろしくお願いします!前回、『夏の防災』について教えていただき、季節によって備えるべきことが変わるのだと勉強になりました。これからの、寒い日が続く冬にもしも被災してしまったら……。今回は冬の防災で気を付けておくべきことを教えてください」


「比較的あたたかい静岡といえども、冬に被災した場合、耐えられる寒さなのか心配ですよね」


「そうなんです。寒い時期に停電が起こったら、エアコンの使えない場所で寒さに耐えられるのか不安です。そしてもし避難所で生活せざるを得ない場合、どんな状況になってしまうのか気になります」


「それでは今回は、冬に災害が起こったときに気を付けるポイントをお教えします」

寒さ対策をしよう!備えたいものとそのポイント


「寒い冬に災害が起こり、停電が発生すると、まず室内の寒さが大きな問題となります。電気やガスを使った暖房器具が使えなくなるため、特に高齢者や乳幼児は低体温症のリスクが高まります」


「静岡でも低体温症になるリスクがあるんですか?」


「低体温症や凍死は、気温が10℃以下になる地域では、どこでもそのリスクがあると考えた方がよいでしょう。ですので、温暖な静岡でもそのリスクはあると言えます」


「それは驚きました。では、寒さから身を守るためにどんな備えをしたらよいのでしょうか」


「災害が起きたとき、自宅に留まれる状態であれば在宅避難をすることをおすすめします。その場合にまず必要なのが、電気を使わない石油ストーブやガスストーブと、カセットコンロ・ガスボンベです。これらがあれば暖を取ることができますし、水や食料を温めることもできます」


「他にも、食料を温めるときに役立つ『モーリアンヒートパック』という食品加熱用品があります。袋の中に100ml程度の少量の水を入れると熱を発し、90℃ほどの高温が約15分間続くんですよ。缶詰やレトルト食品を温めることができるので、温めるとおいしい備蓄食料も合わせて準備しておきましょう」


「これが加熱袋と発熱剤がセットになっているモーリアンヒートパックですね!火を使用しないのに90℃近い高温になるとは驚きました。これなら袋を湯せんして加熱調理するパッククッキングも活用できますよね」


「その通りです。暖をとるだけでなく、調理にも使える万能なアイテムなのです」

過去に紹介した「パッククッキングレシピ」コラムはこちら

もしも避難所で生活することになったら何が必要?


「どうしても避難所で生活しなければならない場合は、毛布や寝袋、使い捨てカイロなどの十分な防寒グッズを準備しておくと安心です。避難所には寒さ対策をするものは何もなく、基本的には屋根と床があるだけだと思ってください。寒さを凌ぐものは自分で用意しなければなりません」


「避難所は寒さ対策が十分ではないのですね。この寝袋の下のマットは何ですか?」


「このマットは空気で膨らむエアマットです。空気を抜くとコンパクトになるので、小さく丸めて避難所に持って行くことができます」



「災害が起きたときの避難方法は、まずは身の安全を確保してから一時避難バッグを持って逃げ、落ち着いたら自宅へ戻り、避難所で過ごすためのグッズを持って行く二段階の方法にすることをおすすめしています」


「寝袋も畳むとこんなにコンパクトになるんですね。クッションを抱えているみたいに軽いので、寝袋もマットも近所の避難所までなら私でも持ち運べる重さです」


「他にも、これは着られる寝袋で、ポンチョになるので着替えのときにも役立つんですよ。避難所は着替えの場所も確保されていないので、こういうアイテムがあるとより安心できます」


「これなら荷物も減らせるし一石二鳥ですね!他に避難所生活で気を付けるべきことはありますか?」


「避難所は一人ひとりのスペースが十分に確保されておらず、乾燥していて密集した空間なのでインフルエンザなどのウイルスが蔓延しやすい環境です。そのため感染症対策が必要となります」


「感染症対策には、マスクや消毒グッズ、体温計などを欠かさず準備しておくようにしましょう」

過去に紹介した「『もしもの時』に備える方法」コラムはこちら

火災対策をしよう!備えたいものとそのポイント


「次に火災対策についてお話します。冬は暖房や調理に火や電気を使う機会が増えるため、災害時には特に火災リスクが高まります。電気ストーブなどは、直接火を使う暖房器具ではないですが、高温になります。そのため、布団などの可燃物と接触すると引火する可能性がありますので注意が必要です」


「冬に火災が起こりやすいということですが、自宅でどんな事前対策が有効ですか?」


「まず、感震ブレーカーの設置が有効です。これは地震の揺れを感知して自動的にブレーカーを落とし電気を遮断するもので、電気火災を防ぐ役割があります」


「感震ブレーカーを分電盤に取り付けることが難しい場合は、地震の際に電気が自動で切れるコンセント設置型の機器もおすすめです。なお、感震ブレーカーが夜間に動くと室内の照明も消えてしまい、逆に危ない状況になります。そこで、自動点灯ライトを室内に設置しておけば、停電時に自動で部屋が照らされるので、真っ暗にならずに安全を確保できます」


「そんなアイテムがあるのですね。もしも地震が起こったら、動揺してすぐに対応ができるかわからないので、自動で電気を遮断してくれるものがあればより安心できますよね」


「その通りです。それでも火災が起きてしまったときのために、住宅用の消火器を備えておくと安心です。最近はインテリアに馴染むよう、赤くないデザインの消火器もあるので、リビングや台所に置いても目立ちません」


「すごくおしゃれなデザイン!これなら自宅に置いておきたくなりますね」


「はい。自宅にあっても置く場所に困らない、自分好みの防災グッズを選ぶと良いですよ」

最後に、高荷さんよりメッセージ


「冬の防災で特に重要になるのは、寒さ対策と火災予防です。冬は寒さに加え、暖房器具や調理に火や電気を使うことが多くなり、災害時には火災リスクが高まります。もし停電が発生したとき、暖房も照明もない冬の夜を想像してみてください。冬特有のリスクを理解し、いざという時に備えておきましょう」


「日ごろから備えることが大切ですね。高荷さん、本日はありがとうございました!」

※本コラムに掲載されている防災グッズは高荷さんの私物であり、特定の商品を推奨するものではありません。

今回お話を伺った高荷さんの活動をもっと知ろう!

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ライター
本杉 まこ

静岡県出身のフリーランスのライター&エディター。よく食べよく笑うことが日々の糧。「案ずるより産むが易し」の精神で前のめりに活動中。

更新日:2024/12/2

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