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【リアルライフ】10周年special 表紙イラストレーター 米澤よう子さん

輝く女子を応援する「リアルライフ」 womo6月号掲載の女子をご紹介

米澤よう子さんにインタビュー

米澤 よう子/東京都出身。女子美術大学短期大学部卒業後、広告会社に勤務し、グラフィックデザイナーに。その後イラストレーターとして独立。パッケージ、広告、CM、女性ファッション誌で活躍。代表作は資生堂「Pocket」シリーズのパッケージキャラクター。2004年から4年間、パリに活動拠点を置き、2005年には高級百貨店ボンマルシェで個展も開催。パリジェンヌのおしゃれを描いた著書は、累計30万部超。おもな著書に「パリ流おしゃれアレンジ!1~3」(KADOKAWA/メディアファクトリー)がある。

米澤さんがイラストを描き始めたきっかけは?

幼稚園の先生の影響から〝お絵描き少女〟になって、絵の上手なお母さんになりたかったんだけど、時代の流れに乗って、これが職業になりました。

womo女子を描いて10年、イラストを描くポイントはどんなところですか?

顔と指先の表情を豊かにすること。具体的には編集部から届く『○月号の特集は○○で、こんな内容になるので、表紙のイメージはこんな感じで…』というオーダーメールを読んで、イメージを膨らませます。だから、毎号編集部の人たちや読者のみなさんと一緒に作り上げていくという楽しみがあります。

改めてイラストで振り返ると、10年前と今では、どんな変化を感じますか?

最初の頃は、まつげが長いでしょ。身につけているアクセサリーなんかも一生懸命描き込んで。今はもっとシンプルになりました。これはやっぱり、パリで暮らした影響。イラストの変化は、無我夢中で突き進んでいた、この10年の私の人生と完全にオーバーラップしてますね。

一番お気に入りの表紙は?

全部好き!でも、特に印象的なのは、2011年6月号の、リボンで縁取ったイラストかな。シンデレラのイメージで描きました。

6周年にあたる2011年6月号。お祝いのイメージで依頼したのがこの表紙

昨年のリニューアルの時は、いろいろアイディアもいただきました

血液型で女の子のキャラクターを設定して、A子、B子、O子、AB子が読者モデルのように表紙を飾る、そんな提案をさせてもらいましたね。4人の女の子のイラストにそれぞれのファッションの傾向やどんなマインドを持っているのかも書き込んでみました。描く私の頭の中で背景やストーリーがあれば、人物は、よりリアルにイキイキしてくるもの。この子たちの心の中ではこんなつぶやき、とか言いながら描いてます(笑)

米澤さんから見た静岡・浜松女子のイメージって、どんな感じですか?

womoの誌面から感じるのは、美容のレベルが高くて、しっかり自分磨きをしているということ。そして、私からしてみると、女性として日本の中でちょうど良いポジションを確保している、そんな県民性を感じます。有名人と、編集部のみなさんの印象が強いのですが、あまりでしゃばらないのに、ちゃんと存在感を残す術が身に付いていると思います。それは、静岡が日本の中心部に位置していて、周囲の空気を感じられる地理感が自然と身に付いているから?もしくは、もともと静岡のDNAに〝中和〟に長けた潜在能力が備わっているのでは? 行動力がちょうど良さそうなんですよね。男性目線でいえば、それこそが女性に求めるポジションなのではないでしょうか?あと、お茶どころなので、お茶をおいしく煎れてくれそうなイメージがあるのも、ポイント高そう!

米澤さんの人生の転機について、教えてください

女性は、体質が変化する28歳と37歳に大きな転機を迎えると思います。
私も独立したのが28歳の時。今イラストレーターにならないと、一生無理!と思って。そして、パリを初めてひとり旅したのが37歳。それが転機になり、2年後にパリ暮らしを決心。仕事もおしゃれもがんばりすぎで、もうこれ以上何をどうしたらいいの?っていうくらい、詰め込みすぎな状態でした。どこか心休まる所へ行きたいと思った時に、思い浮かんだのがパリだった。1か月の予定が、個展の開催が決まって、結局4年滞在。そこで教えられたのが、シンプルに生きること。イラストも無理せずに、自分がかわいいと思うものを描けば良いんだなって気付きました。フランスは、オリジナルに価値を見いだす国。私のイラストでも独自性が認められて、おかげで、自分のことを過大評価も過小評価もしなくなりました。この頃から、私の描く女の子の表情がやわらかくなってきているんですよ。

〝パリ流〟のシンプルな暮らし、どんな風に実践していますか?

パリでは万事うまくいくことはほとんどないんです。全てを手に入れることは難しい。そこで、今あるもので工夫するようになるんです。だから東京にいる時は〝プチがまん〟をします。何でも手に入っちゃうと、逆のときにイラッとして穏やかでいられないから。例えば、コンビニで10個欲しいものがあったら、1個はがまんする。ちょっと足りないくらいが安心します。

今後の目標は?

自分に対しての欲はもうあまりないんです。これからは、私が上の世代から受けたご恩を、下の世代へ恩返しする時期。私のイラストが、読者のみなさんを勇気づけたり、一歩を踏み出すきっかけになってくれるように、素敵な静岡女子を描き続けたいですね。

womoを楽しみにしている女性へ、メッセージを

日本人は完璧主義のところがあるし、現代社会は失敗が許されない雰囲気がある。けれど、なんでもできる自分になる必要なんて、全然ないと思う。間違ってしまったら、素直に『ごめんなさい』と言える方がきっとステキ。それから、どうしても女性は出産というタイムリミットがあるから、恋愛や結婚に焦ってしまいがちだけど、無理に周囲のみんなと一緒である必要もない。あまり先のことまで考えすぎて、漠然とした不安を抱えてしまうよりも、今、目の前にあることに一生懸命になれば、その先に見えてくる楽しみがきっとあるはず。一緒に、がんばりましょう!

更新日:2015/10/7
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