【第1回】ギルバート・グレイプ(1994年)
私とレオ様の初めての出会い
筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、読書、お笑い、カメが大好き。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆるい解説と小学校から上達していないイラストで、好きな映画を紹介していきます。
ギルバート・グレイプ(1994年)
初回ということで、ここはやはり、好きすぎてたまらない作品を紹介したいと思います。
初めて映画館で観た時から22年、もう何回観たかも覚えていませんが、観るたびに毎回、頬をビショビショに濡らし、「いやぁ、映画って本当にいいもんですね~」と水野晴郎ばりにつぶやいてしまう作品です。
エンドーラという退屈な田舎町に生まれ、一度も町を出たことのない青年・ギルバート(ジョニー・デップ)。知的障害をもつ弟・アーニー(レオナルド・ディカプリオ)、夫を亡くしてから過食症を患い250kgの巨体となり、日常生活もままならない母親、生意気な高校生の妹。
ギルバートはそんな家族に振り回され(姉はまぁまぁ頼りになる)、その責任感の強さと優しさから自分自身の夢や希望を見失い、淡々と暮らしている。ある日、トレーラーで旅をしながら暮らすベッキー(ジュリエット・ルイス)と出会い、彼の心に少しずつ変化が現れ……というお話。
初めての出会い
公開当時二十歳そこそこだった私。ジョニー・デップ目当てで観に行ったのに、弟役のレオ様にくぎ付け&悶絶。
「誰、この子はいったい、誰なのーーー?」
これが私とレオ様の初めての出会いでありました。
知的障害をもつ少年という、ともすると大げさで過剰になりがちな難しい役ながら、話し方はもちろん、表情、目線、指の動き、笑い方、泣き方、走り方、あらゆる仕草が自然で、その【神演技】に圧倒されます!
それから、今や【コスプレ俳優】のイメージが強くなってしまったジョニー・デップの、若かりし頃の素のイケメンぶりが見られるのも貴重。
家族を守ることに精一杯で、何に感動するわけでもなく、何に期待するわけでもなく、閉塞感と静かなイラ立ちを内に抱えながらも、エンドーラの町と同じように息苦しさの中で生きているギルバートを見事に演じています。
今や実現不可能!? な豪華共演
母親はアーニーのことを「マイ・サンシャイン」と呼び、ギルバートのことは「光輝く甲冑を着た王子様」と呼びます。
その表現が本当にぴったりで、まるで本物の兄弟のようにナチュラルな二人。ふざけ合ったり、ケンカしたり、常に二人でわちゃわちゃやっているのですが、その様子を見ているだけでも目の保養になります♪
ものすごい豪華共演ですぜ、これは!
鬱屈していたギルバートの人生に光をもたらす自由人・ベッキーのセリフには、素敵な言葉がたくさんあります。
「“大きい”なんて言葉、空には小さすぎるわ」
「私は外見の美しさなんてどうでもいいの。長続きしないもの。何をするかが大事なのよ」
……まぁ、これはキレイな人が言うから決まるセリフですよね……。私なんぞが言っても「美しくない女の負け惜しみだな!」とつぶやかれそうです…。
【今日のまとめ】
テーマは重いけれど、コミカルにテンポよく描かれていて、きれいごとだけに終わらないストーリーが素晴らしいんです。
「どこにも行けない」のではなく、自分の考え方を変えれば「どこへでも行ける」。
閉塞感という透明な殻は、自分自身の小さな勇気と決断ひとつでぶち破ることができる。
人生に迷った時、この映画を観ることで、何かしらの光を感じられるはずです。
【今日のまとめ】
拝啓レオ様
私にとってあなたは永遠に「マイ・サンシャイン」です。
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■ギルバート・グレイプ(1994年)
出演:ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ、ジュリエット・ルイス
監督:ラッセ・ハルストレム
次回の更新は8/3(水)です。
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