WOMO

Original

<8番>星野源の魅力を分析してみた2曲

TBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」見てますか?視聴率いいらしいですね。。。

映画「モテキ」の挿入歌で、初めて星野源の存在を知り、そこからゆるめのファンをやっている私ですが、あえて「逃げ恥」に関しては見ておりません。だって、翌日にはキュンキュンしすぎて仕事が手につかなそうだから。。。ただ、私のインスタグラムの「虫眼鏡マーク」が検索履歴を参照しているのかなんかのか、星野源のオンパレードなわけです。

今やすごいですよね、彼の人気っぷり。
対してイケメンでもない(失礼!)彼の人気は、やはり表現力という才能にあるのではないかと思うわけです。

そこで、超個人的に才能を感じた2曲とその快感フレーズをご紹介!
(熱い思いがあふれ出しすぎて長文になりそうなので、今回は2曲でご勘弁を)

世界は ひとつじゃない ああ そのまま ばらばらのまま

『ばらばら』/2010年

映画「モテキ」で、森山未来扮する幸世君にフラれた麻生久美子扮するるみ子。
泣きじゃくりながら「もうB'zとか聴かないから~神聖かまってちゃんとかユーチューブで見るから~」とおどろおどろしく泣かれる幸世。(幸世くんは完全にサブカル男子)
そんなんされたら、完全に引くわと思った私と、あんな美人(麻生久美子)にそんな風に言われたら抱きしめちゃうといった友人。私の心のケガレよ・・・

そんなシーンの直後に流れる「ばらばら」。歌詞もメロディーの醸し出す雰囲気も、どんぴしゃ。
大根仁監督の音楽チョイスのセンスにも脱帽ですよ。

“気が合うと 見せかけて
重なりあっているだけ
本物はあなた わたしは偽物”

と続くわけですが、結局るみ子が、ユーチューブで神聖かまってちゃんを勉強しようとしても、“偽物”なわけで。

「世界はひとつ」「君と僕はひとつ」なんて、うそじゃい、と源さんはずっと違和感を感じていたそう。
ただ、ばらばら、であってもそれが決して悪いことではなく

“あの世界とこの世界
重なりあったところに
たったひとつのものが
あるんだ”

と源さんは言っているのです。

そう、結局人はその人の世界の中で生きてて、それが家族だろうが恋人だろうが友人だろうが、ただその一瞬、その人生の中で重なり合っているだけなのです。
源さんの価値観に妙に合点した、当時大学生の私。

それに、あきらめにも、開き直り(前向き)にも聴こえるメロディーが乗っかり、嫌味でもなんでもなく聴くことができるこの曲との出会いが、私の「星野源」のスタートでした。


首筋の匂いがパンのよう すごいなあって讃えあったり

『くだらないの中に』/2011年

すごいですよね。「首筋がパンの匂いがする」って歌詞を歌に乗せちゃうところが。

髪の毛や首筋の匂いを嗅ぎあって、くさいなあとかパンみたいだ、とかふざけあう、そんな「くだらない」日常の中で君と僕が生きているというラブソング(?)なわけですが、いやぁ、まずは歌詞に驚きました。
髪の毛くさい、首筋パンって。

でも、飾らない普段の二人の日常を単純に切り取っているだけで、むしろものすごく自然。
だって、よくある「君を離さない」「愛してる」とかって、普通に生きていたら言われることないですもんね。

こんなふざけた歌詞の後には
“くだらないの中に愛が 人は笑うように生きる”と、まあほっこりさせられるわけです。

星野源の書く歌詞は、普通に日常会話で使うような単語ばかりなのですが、その並べ方というかチョイスが絶妙だなと毎回思うのです。

たとえば、逃げ恥の主題歌でもある『恋』

“恋をしたの貴方の
指の混ざり 頬の香り
夫婦を超えてゆけ”

「頬の香り」なんて言ったことないけど、夫婦や恋人関係の二人の距離感だからこそ感じられるもので、そこに目を付けて表現できる感性。

もう、そんな近くで星野源を見たい!!

ワードセンスもそうですが、この曲のイントロを聴いた途端に、「あっこの曲好きだな」と瞬時に感じた私。
作詞だけでなく、作曲も行う彼に、もう才能を感じざるを得ない!


まとめ

長々と書きましたが、源さんの曲を聴いていると、人の汚いところとかずるいところもちゃんと表現してあって、聴いてて“こそばゆくない”現実的な歌が多い気がします。
今を生きている人、生活をしている人にフィットするというか、だからなんか心地よいんですよね。

そんな源さんは、現在も劇団「大人計画」に所属する俳優でもあり、本も何冊か執筆する文筆家でもあり、在日ファンクのハマケンたちとSAKEROCK(サケロック)というインストゥルメンタルバンドをやっていたりと、本当に多彩!
あんな平凡な顔して(またまた失礼!)こんなにいろいろな表現方法で自分を表せる原動力ってどこにあるのでしょう。



あ~、1日でもいいからガッキーになって、契約夫婦したい!と思いながら、インスタグラムを眺める27歳でした。

更新日:2016/11/2
コラムシリーズイメージ

ゆとり最前線サツキの『快感フレーズは添えるだけ。』 完全筆者主観の、心地いいと思った音楽と快感フレーズをご紹介。「わかるわ~」と共感を得られる…かは分からないですが、一度聴いてみる価値ありの音楽をお届けします。

よみものシリーズ