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womoシネマ伝道師こしあんの『ぐるぐるシネマ迷宮』 筆者だけの思い出調味料満載の懐かし作品から、あまり共感を得られないようなディープな作品まで、密かな魅力いっぱいのシネマ迷宮へようこそ。出口はたくさんあります。 ライター:こしあん

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【第18回】ラ・ラ・ランド(2017年)

もしかして、私、乙女化してる?!

筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、読書、お笑い、カメが大好き。特技はイントロクイズ(80年・90年代ソング限定)。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆるい解説と小学校から上達していないイラスト(ときどき)で、好きな映画を紹介していきます。

ラ・ラ・ランド(2017年)

この私をこんなにもうっとりさせるとは、デイミアン・チャゼル監督め、おぬし、只者ではないな!
『ラ・ラ・ランド』を観てからというもの、窓辺で頬杖をついて星空を見上げながら、「うふふふふ」って微笑んじゃうくらい、うっとりしております。

作品賞こそ逃したものの、監督賞・主演女優賞・撮影賞など最多6部門を受賞した『ラ・ラ・ランド』。6部門も受賞していれば、それはもはや作品賞では……と素人的には思いますが、まぁ、いろいろあるんでしょうなぁ。

ミュージカルやフラッシュモブなどのノリがちょっと苦手なので、観ようかどうしようか迷っていましたが、映画館で観て本当に良かったーーー。
最高に贅沢で夢のような時間が過ごせました。幸福感、高揚感、そしていつまでも続く余韻がハンパなーーーい。
ロマンチックであり、かっこよくもあり、オシャレでもあり、パワフルでもあり、せつなくもあり……さまざまな魔法をかけられたかのように、このところずっと夢見心地でふわふわしております。

今の私なら多少のストレスがかかっても、『ラ・ラ・ランド』の映像と音楽を脳内再生することで、「クリリンのカタキーーー」くらいの熱量で跳ね返すことができます(ドラゴンボール見たことないけど)。
映画を観た翌日、さっそくサントラを買いました。サントラを買うなんて『タイタニック』以来ですよ。

観る者すべてを夢追い人に変え、夢追い人たちの背中をあたためる作品。

私の感情の中の、押されたことのないスイッチをいくつも探し出され、しかもリズミカルに押されまくり。

オープニングの高速道路でのダンスシーンから、もうワクワクが止まらないのです。ダンスとかめちゃくちゃ苦手だけど、立ち上がって一緒に歌って踊りたくなりました。なんなら、ちょっと体揺れてたかも……笑

私のような、ミュージカルが苦手な人にこそ観てほしい作品です。
後半はそれほどミュージカルシーンがないので、「もっとちょうだい! もっときてくれてもいいんだよ」って思ったくらいです。

鑑賞後も、予告編や関連動画を観ては「思い出し感動」にひたっています。


ギャガ公式チャンネルの予告編はコチラ

親近感のわく絶妙なキャスティング

主演の二人は、見た目82点くらいの高得点すぎない微妙なライン(※個人の感想です)なんだけど、そこがまたこの映画の雰囲気にぴったりで、親近感のわくキャスティングだと思います。
演技はバツグンでリアリティがあり、傷つきながらも夢を追う若者の等身大の姿が表現されていて、がっつり感情移入できます。出会いから恋へと発展していくところや、ちょっとした気持ちのすれ違いからケンカするところもとても自然。二人の夢追い人の恋を、そっと見守りながら応援したくなるのです。
そして、歌とダンスは“うますぎない”ところがいいんです! ピアノを弾きながら、「City of Stars」(アカデミー賞主題歌賞を受賞した曲です)を歌う二人のナチュラルさったら! そこらへんの恋人たちが、照れながら笑い、じゃれ合って歌っているようで、まるで本物の恋人同士みたい。もぉ、なにこの二人~。微笑ましすぎるんですけど~。

セブ(セバスチャン)役のライアン・ゴズリングは、『ブルーバレンタイン』(くわしくはコチラ)では、あんなにダメダメなどうしようもない男だったのに……。
『ラ・ラ・ランド』では、古き良き時代のジャズを愛し、そのジャズの良さを広めたいと思っている、売れないピアニスト。ちょっとめんどくさい男だけど、熱い魂と、にくめないかわいさがにじみ出てる。仕草や所作がさりげなくて、いちいちかっこいいんだよな~。
個人的にライアン・ゴズリングは、オールバックの髪形よりも、ピアノを弾いているときに前髪が無造作にファサッとなってるほうが好きです。

ミア役のエマ・ストーンは、『ゾンビランド』(くわしくはコチラ)で主人公をふりまわす美人姉妹の姉を演じた女優さんだったとは! 観ているときは、まったく気づかなかったぜよ。表情が豊かで、喜怒哀楽の表現がとても上手だなぁって思いました。美人というより、キュートな魅力のある女優さん。

二人とも、役柄によって全然雰囲気が違う! 俳優さんって本当にスゴイなって、しみじみ思いました。
スーツ姿のセブと、レトロで鮮やかなドレス姿のミアが、ロサンゼルスのいろんな名所をデートするシーンに、うっとり~。

夢を追う二人が出逢い、惹かれ合い、夢が近づくにつれて問題も生じ、ケンカがふえていく……。
世間的には成功者に見えても、自分の信念をまげて生きるって、こんなにも苦しいものなのか。またそれを知っている恋人の辛さや複雑な感情、お互いの気持ちのすれ違い。
主演の二人はそれを見事に表現していたし、音楽、演出、カメラワークが本当に素晴らしくて、あらゆる感情があふれ出し、涙が止まらないのです!

ミュージカルっぽさは抑えめです

ミュージカルというと「セリフを歌いながら大げさに言って、唐突に踊り出して、また唐突に素に戻る」イメージがありましたが、そういう要素はあまりなく、それぞれのシーンの雰囲気や人物の心情を歌やダンスで表現しているので、違和感なく入り込めました。“ミュージカルっぽさ”を前面に出した幻想的で夢のようにキラキラした部分と、現実的なストーリーのバランスが絶妙なんです。
セブとミアの関係性や状況、感情に合わせた演出の延長線上に“ミュージカルっぽさ”があるので、ミュージカル特有のムズムズ感がなくていいのかな。

高速道路のダンスシーンも、ミアが友達とパーティへ向かうシーンも、現実と空想を行ったり来たりするような不思議な感覚。現実世界の退屈でイライラする時間から抜け出す魔法。歌うように、踊るように、どんな退屈なことも楽しんじゃえばいいじゃん、そんな風に言われているかのようでした。
人は普通、悲しい時には歌わないもんね。

ストーリーは冬から始まり、春、夏、秋、そしてまた冬と、人生を四季になぞらえながら進んでいくのもステキな構成。

夢を叶えるのも大変だけど、夢を諦めるのも勇気がいる。何を犠牲にして、何をゆずらず、現実とどう折り合いをつけて生きていくのか。
自分の夢を叶え、職業にしている人なんてほんのひと握りで、報われない努力なんて山ほどある。

「夢を叶えるには、少しの狂気が必要」みたいなセリフに、ハッとさせられました。これが、この映画そのもの、監督の気持ちそのものなのではないでしょうか。

古き良き時代のアメリカを思わせる、ちょっとレトロな衣装や色彩も好き。

日没直後の薄明かり、早朝のような夜のような幻想的で芸術的な風景をバックに、丘の上でセブとミアがタップダンスを踊るシーンが最高に美しい。
王道のラブストーリーに抵抗のあるひねくれ者の私も、このシーンには乙女のようにうっとりしてしまったよ。

このシーンは、日没直後のたった30分くらいだけ見られる「マジックアワー」とよばれる時間に撮影されていて、『ラ・ラ・ランド』を象徴するファンタジックで壮大で、とびっきり美しいシーン。
限られた時間に慌ただしく撮ったとは思えないほど優雅で、ちょっとコミカルで自然体な二人が本当にステキ~♪
CGや編集ではなく、長回しだからこその臨場感とゆらぎ。だからこんなにも深く、心の奥に響くんですね。

【今日のまとめ】

アメリカのエンターテインメント界のパワーやレベルを、これでもかと見せつけられました。
「エンターテインメントの真髄ここにあり!」な、心が豊かになる大人の作品です。

全編にわたって、絶妙に揃っているようでバラバラな個性があるところも、夢を掴もうとさまざまな人種が集まるアメリカを象徴しているようで、「みんな違ってみんないい」みたいな熱い想いを感じました。


ラストの“巻き戻ってる感”のあるシーンは、人によって感じ方がいろいろありそうですね。
とてもミュージカルっぽい夢のようなシーンの連続ですが、私は考えすぎて「えっ? 何どういうこと? いやいや、まさか……残念なオチにはならないよね?」という不安にとらわれてしまったため、あまり入り込めず……汗
2回目からは安心して観られそうです……じゃあ、ないですね。安心してというか、逆に涙でにじんで観られませんね。

サントラの曲をスマホに同期して音楽アプリで聴こうとしたら、なぜか逆の曲順で入ってしまい、常にエンディング曲から再生されてオープニングで終わるという現象が起こっています。
しかしこれも“巻き戻ってる感”があり、逆にグッとくるという奇跡。こんなところにも魔法がかけられている~。スゴイぞ、『ラ・ラ・ランド』!

TwitterもInstagramも詳しくないので、ハッシュタグの何たるかをよくわかっていないけれど、ふんわりそれっぽくまとめてみると……

#ジャズかっこいい #タップダンス習いたくなる #ピアノも習いたくなる #ロサンゼルス行きたくなる #巻き戻ってる感 #Romanticが止まらない #乙女化 #ミュージカル・アレルギーおさまる

こんな感じで、普段やらないようなことをやっちゃうのが、『ラ・ラ・ランド』の魔法です。
明日あたり、早朝から駿府城公園の周りをジョギングしたり、手作りパンを焼いて、ジャムまで作っちゃうかもしれません。



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■ラ・ラ・ランド(2017年)
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン

【公式HP】
(C)2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

隔週水曜更新。次回の更新は3/29(水)です。

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