WOMO

中部電力
Original

【第25回】床に転がり泣き叫ぶ「藤原竜也」を愛でる映画4選

転がるか……転がれ……転がったぁ!

筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、読書、お笑い、カメが大好き。特技はイントロクイズ(80年・90年代ソング限定)。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆるい解説と小学校から上達していないイラスト(ときどき)で、好きな映画を紹介していきます。

床に転がり泣き叫ぶ「藤原竜也」を愛でる映画4選

2017年春のドラマ満足度ランキング(こしあん調べ)
●第1位 リバース
●第2位 CRISIS 公安機動捜査隊特捜班
●第3位 あなたのことはそれほど
●第4位 小さな巨人
●第5位 犯罪症候群
●第6位 人は見た目が100パーセント

★特別賞 架空OL日記


ドラマ『リバース』で藤原竜也が演じた深瀬くん。自分に自信がなく冴えないダサメンぶりに、藤原竜也の演技力を改めて見せつけられました。
そんな深瀬くんの余韻を引きずりながら、現在公開中の映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』を観て、「藤原竜也は日本映画界の宝!」くらいの気持ちになったので、今回は「藤原竜也」大特集です。

デスノート/デスノート the Last name(2006年)

大好きなマンガ『デスノート』が映画化されると聞いた時、夜神月は堂本光一、Lは堂本剛のKinKiKidsコンビがいいじゃん! 最高じゃん! と勝手に予想して勝手に盛り上がったことを思い出します。
実際は、藤原竜也と松山ケンイチになり、素晴らしい作品が出来上がりました。キャスティングディレクターってすごいね!

『デスノート』は、私の中で原作の素晴らしさを超えた映画ランキング第1位です。ちなみに2位は『容疑者Xの献身』です。
長く深く濃密なマンガの内容を上手に削って再構築し、予想もしなかった映画オリジナルの結末には「そうきたか!」と唸りました。
大袈裟すぎて冷めちゃうギリギリ手前の熱演。藤原竜也のラストシーン、圧巻です。

カイジ 人生逆転ゲーム(2009年)

もはやモノマネの印象のほうが強い『カイジ』。藤原竜也の代名詞ですね。
このマンガも大好きなのですが、絵がびっくりするほど独特!!! でもストーリーはめちゃくちゃ面白いんです。
そして、どんどんその魅力にハマり、いつのまにか、このストーリーにはこの絵しかないっ・・・という気持ちになるんですね。
この『カイジ』を藤原竜也主演で映画化されると聞いた時、「全然違うわっ!」と思ったのですが、試しに観てみたらこれがまた、ものすごくハマってやがるっ・・・!

ちなみに、モノマネ芸人さんが床に転がりながら叫ぶ「キンキンに冷えてやがるっ・・・!」というセリフ、本当は地下の強制労働施設でビールを飲む時に言うものです。
ここでは「ペリカ」という独自の紙幣で売買が行われていて、価値は日本円の10分の1。10ペリカ=1円です。月の給料は91000ペリカ=9100円で、缶ビール(350ml)は1本5000ペリカします。
ビールやおつまみにお金を使っている場合じゃないのは分かっていても、労働後の「悪魔的にうまい」冷たいビールの魔力にやられてしまうんですね。
藤原竜也、本当に美味しそうにビールを飲みやがるっ・・・!

お金や人生にまつわる名言だらけなので、毎日を生きるのがちょっとイヤになった時、「まだまだ、やったるで!」と奮い立たせてくれる作品です。

まだ議員になる前の山本太郎が出ていて、違う意味で「ざわ・・・ざわ・・・」ってなります……笑

パレード(2010年)

都内のマンションで共同生活を送る若者たちの群像劇。
映画配給会社に勤め、みんなに頼られる存在の直輝(藤原竜也)、イラストレーター志望で、おかまバーに入り浸る未来(香里奈)、先輩の彼女を好きになってしまう、恋愛ベタの大学生・良介(小出恵介)、恋人である人気俳優からの連絡を待ち、一日中ほぼリビングで過ごす無職の琴美(貫地谷しほり)。
そこに謎めいた存在の男娼・サトル(林遣都)が現われ……

うす~く表面的な人間関係しか築かず、不安や焦燥感を抱えながらも、そこから目をそらし、正面からぶつかることもせず、今だけの楽しい生活を守ろうとする若者のリアルが淡々と描かれています。
そして最後に急に「えぇぇぇーーー」ってなる展開があり、うすら寒い恐怖を感じます。

この映画では、さすがに藤原竜也も床に転がらないんじゃないの……? と思いきや、やっぱり転がる! 雨の中、地面に転がる!

そして、話題の小出恵介が出ていて、また違う意味で「ざわ・・・ざわ・・・」ってなります……笑

22年目の告白-私が殺人犯です-(2017年)

現在絶賛公開中、国内映画ランキング3週連続で首位をキープしている『22年目の告白-私が殺人犯です-』。
ワーナーブラザース公式サイトの予告編はコチラ。

これはもう、藤原竜也だからこそ成立した作品。私たちみんながもっている藤原竜也のイメージが最大限に活かされていて、ゆえに翻弄され、ダマされ、二転三転するストーリーにハラハラドキドキしっぱなし。
これはまったく予想できない展開でした。実に面白い!

時効制度や被害者遺族についても考えさせられます。
22年という年月の流れを本物の映像を交えながら見せる、ドキュメンタリーっぽいオープニング映像も素晴らしい。

そして、安心してください! 床に転がる藤原竜也もちゃんと見れますよ。

同じような役柄でも、同じように叫んでいるように見えても、ちゃんとそれぞれのキャラクターが乗り移ったかのように繊細に演じ分けている藤原竜也。クズすぎる殺人犯から気弱なダサメンまで、その演技の幅もスゴイ。
次はどんな役を演じてくれるのか、楽しみでしょうがない。


---------------------------------------------
■デスノート/デスノート the Last name(2006年)
監督:金子修介
出演:藤原竜也、松山ケンイチ、戸田恵梨香

■カイジ 人生逆転ゲーム(2009年)
監督:佐藤東弥
出演:藤原竜也、天海祐希、香川照之、山本太郎

■パレード(2010年)
監督:行定勲
出演:藤原竜也、香里奈、小出恵介、貫地谷しほり、林遣都

■22年目の告白-私が殺人犯です-(2017年)
監督:入江悠
出演:藤原竜也、伊藤英明、仲村トオル、夏帆
【公式サイト】
(C)2017 映画「22年目の告白 私が殺人犯です」製作委員会

隔週水曜更新。次回の更新は7/12(水)です。

更新日:2017/7/1
コラムシリーズイメージ

WOMOシネマ伝道師こしあんの『ぐるぐるシネマ迷宮』 筆者だけの思い出調味料満載の懐かし作品から、あまり共感を得られないようなディープな作品まで、密かな魅力いっぱいのシネマ迷宮へようこそ。出口はたくさんあります。

よみものシリーズ