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【第37回】こしあんが泣いた! 人生で一度は観るべき、心ふるえる感動作5選

泣いてもいいんだよ。

筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、読書、お笑い、カメが大好き。特技はイントロクイズ(80年・90年代ソング限定)。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆるい解説と小学校から上達していないイラスト(ときどき)で、好きな映画を紹介していきます。

年をとると涙もろくなります

乃木坂だか欅坂だか忘れてしまいましたが、秋元康作詞の曲で「涙が悲しみだった頃」みたいな歌詞があり、テレビの前でひれ伏しました。
この年になるとしょっちゅう泣いてしまうのですが、悲しくて泣くことってあんまりないんですよね。自分のことよりも、全然関係ない人のことで泣いたり、映画やドラマ、スポーツ、マンガなんかで、心を動かされて泣くことのほうが多い。

そんなわけで、こしあんが泣いた感動作を5作品、ご紹介します。

きっと、うまくいく(2013年)

サイコーに素晴らしいインド映画。
生きていくうえで大切なことをたくさん教えてくれる作品です。

「なんのために勉強するの?」それを聞かれたら、この映画をオススメしたい。教育を受けられるチャンスがあることは当たり前のことではない、教育とはどうあるべきかを教えてくれる。学びたい気持ちがあれば、どこでも学べるということも。

学歴社会の歪みや貧富の差など、テーマはとても重く、かなりシリアスなことも描いているのに、笑いがいっぱい。それもけっこうギリギリなブラックジョークだし。

泣いて、笑って、驚いて、3時間近い上映時間が気にならない。
主人公ランチョーのキャラクターが魅力的で、彼の生き様とか人間性、行動が本当に素敵。そしてとにかく面白い。こんな人がクラスメイトにいたら、学生生活は充実しただろうなぁと思います。お友達になりたい。

そんなランチョーを勝手にライバル視して、いろいろ仕掛けてくる同級生のチャトルが最高に面白い。いい味出しすぎ!
嫌味なヤツなんだけど、ちょっとヌケているのでどこか憎めず、最初から最後までずーーーっと笑わせてくれる。

行方不明になったランチョーの謎と、大学時代のエピソードがうまく交錯しながら描かれるので、長い上映時間もまったく飽きずに観られます。オチまでちゃんと面白い。

真の幸福とは? 友情とは? 教育とは? 夢とは?
人生に迷った時や環境が変わる時など、節目節目で観たい作品。心に深く刻みたい名言がいっぱいです。

真の意味で人生の教科書となる素晴らしい作品です。


パレードへようこそ(2014年)

1980年代イギリス、サッチャー政権時代の炭鉱ストライキが舞台。
めちゃくちゃ笑って、めちゃくちゃ泣ける傑作です。
実話が元になってると知って、さらに感動マシマシ。

炭鉱のおばちゃんたちの、ちっちゃいことは気にしない器の大きさ、前向きに突き進むパワフルさ、どんな苦悩も吹き飛ばす明るさ。こんなふうにしなやかに、健やかに、いろんな物事を柔軟に受け止められる人間になりたい。

炭鉱の人々のために募金活動を行う、ゲイ&レズビアンの活動家たち。
田舎の炭鉱労働者と都会の同性愛者。かけ離れた世界に生き、交わることのなかった彼らが「連帯」し、小さな力をかき集めて、大きなうねりを起こそうとする。

たくさんの勇気をもらい、こぶしを突き上げて、大きな旗を振りたくなる映画。観終わった後の充足感がハンパないです。


怒り(2016年)

終盤、泣きすぎて苦しい……。

大切な人を信じきれずに間違った判断を下し、取り返しのつかない状況になってしまった時の、自分自身に対する「怒り」。それが一番苦しいのだと感じました。

「人を信じて傷つくほうがいい」なんて金八先生は歌っていたけれど、そんな単純なもんじゃねーってことをガツンと突きつけてきます。

もしもこういう状況になった時、自分は正しい判断を下せるのか、いろいろと考えさせられます。

こういう映画を観ると、人間不信にもなるし、とことん信じてみたくもなる。他人を信じる、そして、他人に信じてもらうことって本当に難しい。

沖縄・東京・千葉の3つのパートが並行して進むのだけど、それぞれのストーリーだけでもすでに内容が濃く、良い意味で誰が犯人なのかということがあまり気にならない。主題はそこではなく、ひとつの要素。少しずついろいろなことが見えてきて、真相が明らかになってきた時の各パートの場面の切り替わり方や重ね方が秀逸。

容疑者役の森山未來・松山ケンイチ・綾野剛を重ねたモンタージュ写真、この3人の誰にでも見えるし、いかにも犯罪者な感じが出ていてスゴイ。

俳優さんたちみんなの演技がとにかく素晴らしいの一言。なかでも私が一番グッときたのは、妻夫木聡。必死で抑えようとする悲しみと怒り、後悔の演技にふるえます。

比較的静かな映画なのに、ものすごい熱と迫力を感じる作品。
一人きりで感情を思い切り出せる状況で観ることをオススメします。


ブロークバック・マウンテン(2005年)

ヒース・レジャーって『ダークナイト』のジョーカー役でしか見たことなかったけど、素顔はこんな感じなんだぁというのが序盤の感想。
後半は、彼の繊細な演技に心が揺さぶられます。演技の振り幅がすごい。

誰にも汚されたくない、神聖な、二人だけの理想郷=ブロークバック・マウンテン。ここにいれば現実を忘れられる。大自然の中で二人だけで生きていけたら良かったんだろうけど、現実はそんなわけにはいかず……。

この時代ならではの差別、世間の目、子どもの頃の体験、親子関係、責任感、罪悪感などなどが足かせとなり、二人で幸せになる一歩を踏み出せなかった。
同性愛の問題だけでなく、そういうのを超越した【普遍的な愛情】というものを描いているようにも思います。

ラストは悲しくてせつなくて涙がこぼれましたが、一方でようやく解放されて、思い出にできたのかなぁって。

大自然の美しさとかわいい羊の群れが、よりいっそう悲しみを誘います。

ヒース・レジャーの妻役がミシェル・ウィリアムズなのですが、この女優さんは、とてもキレイであるがゆえに、結婚で苦労しがちな女性の役が似合いますね……。
以前にこのコラムでもご紹介した『ブルーバレンタイン』しかり、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』しかり……。
それだけに、『グレイテスト・ショーマン』で楽しそうに歌っていた姿にはホッとしました。まぁ、ちょっと途中危うくなるので「あ……またかな……」と心配になりましたが……。


グッド・ウィル・ハンティング(1997年)

「きっと名作」って思いつつも見逃したまま20年がたち、つい最近、神様から呼ばれるように鑑賞。想像以上に名作でした。なぜもっと早く観なかったのか……。いや、きっと、この年齢になったからこそ、感動できたのかもしれない、そう思います。

天才的な頭脳を持ちながらも、幼い頃に負った深い傷により心を閉ざし、反抗的な態度をとる青年と、最愛の妻を亡くし失意の中にいる心理学者との心の交流を描くお話。

マット・デイモンとベン・アフレック、二人の共同脚本&出演。
この二人の才能、すごいな!
そして、当たり前だけど、マット・デイモンめちゃくちゃ若いし、カッコイイ。
確か当時、マット・デイモンとレオナルド・ディカプリオは似ている、とかよく言われていて、レオ様LOVEなこしあんは「全然似てないわ!」とプンプンしていましたが、今見ると、似てますね……笑

「君は悪くない、君は悪くない、君は悪くない」と何度も言うシーンで、涙が滝のように流れました。

これからは大切なことは3回以上繰り返して伝えようと思いました。

泣いてもいいんだよ。
泣いてもいいんだよ。
泣いてもいいんだよ。

更新日:2018/4/26
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