新型コロナウイルス感染拡大に伴うお金の損害。 当てはまる制度が一目でわかる「新型コロナ対策支援カード」とは
政府から次々と打ち出される支援策。申請したいけど、どの制度を使えばいいの?そんな疑問は「新型コロナ対策支援カード」で解決!
新型コロナウイルスの感染拡大により、静岡でも金銭的な損害を受けた人が増えている。休業を余儀なくされた飲食店をはじめ、売り上げがダウンした生活必需品以外の小売業関係などでは経営者はもちろん、従業員にも減給や解雇が相次いでいる。その他子供の休校に伴いやむなく休職に追い込まれるなど、womo読者にも損害を受けた人も多いのでは。
政府から次々と打ち出される支援策はありがたいけれど、いざ申請しようとホームページを確認すると、文字の羅列ばかりで内容がわかりづらい。自分はどの制度が受けられるのか、全てを把握するのはとても難しい状況となっている。
そんな中、清水区の弁護士、永野海さんが作った「新型コロナ対策支援カード」がわかりやすいと、全国で反響を呼んでいる。
「新型コロナ対策支援カード」とは?
政府が打ち出した新型コロナウイルスに伴う金銭的損額の対策、そのすべてを簡潔にまとめ、一覧にしたもの。カードには個人・家族向けと事業者向けの二つがあり、個人向けは「生活費・家賃」「休業の支援」「給付金・その他」、事業者向けは「給付金・支援金」「その他助成金」「融資・税金」ど項目に分けて紹介。
一律1人10万円支給が話題となっている個人向けの「特別定額給付金」のほか、売り上げが大幅にダウンした中小企業や個人事業者向けの「持続化給付金」、収入減少者の生計維持のための「緊急小口資金」など、窓口や対象者、金額などが一目で分かるようになっている。
イラスト付きで親しみやすく、自分にあてはまるものを判断しやすい。スマートフォンやPCからなら、該当項目をクリックすることで関係サイトも閲覧できる。永野さんがブログやツイッターで公開したところ、「わかりやすい」と全国で拡散され続けている。ご本人にお話を聞いてみた。
「新型コロナ対策支援カード」はなぜ作られた?
弁護士である永野さんのもとには、事業者や飲食店関係者から、お金に関する相談が相次いでいる。
「政府の支援策サイトは字だらけで本当にわかりづらい。一度読んで分かった気になっても、次のページを見たら前のものを忘れてしまうほど。しかし政府が出す情報というのは、落ち度があっては困る。難しくなるのは当然なんです。本当は詳しいものと簡潔なもの、両方リリースされるといいのですが、今は国もいっぱいいいっぱい。民間でやるしかないんです。先日国会で、政府がこういうものを作るべきだと、このカードが配られました。政府の対応もだんだん良くなってきてはいるのですが。」
こうした事態で一番ダメージを受けるのは一般従業員と飲食店などの事業者なのだそう。
「あまりに制度が複雑で、申請を諦め廃業を選んでしまっている事業者もいます。そのような方たちに、わかりやすく伝えたいと思いました。支援の全体像が見えれば、自分には何が必要で何が使えるかが判断しやすいはずです」。
以前から地震、台風災害などの被災者の損害対策のサポートをしている永野さん。今回のカードは3年ほど前に作った『被災者生活再建カード』の様式を使って作ったのだそう。
「しかしアクセス数は地震の時とは桁が違いますね。それだけ今は日本全国、皆が被災者ということでしょう」
永野さんよりメッセージ
「まずはカードを見て、自分が該当する制度があるか、受け取れる資格があるか、必ずチェックしてみてください。あてはまるものがあれば、該当する窓口へ問い合わせを。それから女性のみなさまにお伝えしておきたいのは、もしDV被害を受けて避難している場合でも、被害者から申し出があれば、避難先で給付金を受け取ることができます。あきらめずに申請してください。」
「特別定額給付金」の世帯分の受取人は、基本世帯主となっている。しかし世帯主に給付された後でも、DV被害者から申し出があれば本人と同伴者の分は避難先で受け取ることができる。世帯主には後日返還を求める方針。申し出の期限は4月30日までとなっていたが、期限を過ぎても受け付けている。
「お金が原因で命を落とすほど悲しいことはありません。一人で抱え込まず、外部に助けを求めてください。静岡の弁護士会でもコロナ支援の相談窓口を設けているので、気軽にご相談を。」
弁護士 永野海(ながのかい)さん
静岡県弁護士会所属。災害対策委員として広範囲の被災者支援に取り組む。現在は日本弁護士連合会の災害復興支援委員会副委員長も務める。しずおかオンラインが運営する「助かる!ジブン防災 静岡」では「災害時のお金と手続きQ&A」コラム掲載中。
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