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【第60回】『梨泰院クラス』『愛の不時着』で韓国ドラマにどっぷりハマる

拝啓 Netflix様、カムサハムニダ。

筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、Bリーグ、読書、お笑い、カメが大好き。
特技はイントロクイズ(80年・90年代ソング限定)。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆる~い解説で好きな映画を紹介していきます。

『梨泰院クラス』(2020年)

Netflix(ネットフリックス)を開くたびにガンガンおすすめされるけれど、『梨泰院クラス』というタイトルから、どうせ若者向けのキラキラした学園ドラマか何かでしょ? とスルーしていた私。
「梨泰院」を「イテウォン」と読めるわけもなく、「なし……たい……いん?」なんて感じだったのですが、何やらすこぶる評判が良さげ。そんなに言うなら……と軽い気持ちで観てみたら……。

何コレ、すごい……!!!
こんな泣く?ってくらい、毎回毎回、ぐしゃぐしゃに泣きました。

言うなれば、スタイリッシュで現代的な「大映ドラマ」ときどき半沢直樹。って言いつつ半沢直樹観てないのでイメージね。
土下座と倍返し。

韓国ドラマを観ていると、『スチュワーデス物語』とか『少女に何が起ったか』とか『もう誰も愛さない』とか、1980年~90年代のドラマを思い出して、なつかしい気持ちになるのよね。

『梨泰院クラス』は、けっこうヘビーな復讐劇ながら、重くなりすぎずにコミカルで、なおかつポップでオシャレ。
理不尽な目に合いながら、信念を貫き通す主人公パク・セロイの生き様がとにかくカッコいい!!!
口を開けば名言しか出てこないパク・セロイ。
主人公はもちろん、登場人物みんなのキャラクターが抜群で、役者さんもみんな上手い! 悪役の徹底したクズっぷり、ゲスっぷりも素晴らしい。

一番ふるえたセロイのセリフは
「今1回、最後に1回、もう1回。その一瞬は楽になる。だけど繰り返すうち、人は変わる」
胸に深く深く刻んでおります。


外食業界におけるビジネスの駆け引きなどを中心に、仲間、恋愛、親子などの人間関係が絡んでくるのだけど、複雑な感情を丁寧に描いていて、登場人物たちの感情の流れやセリフに違和感がまったくなく、ムダなシーンはひとつもない。

ここ数年「若者が夜の街を疾走するシーンを見るだけで泣いちゃう症候群」にかかっているので、なんかもう泣いてばっかり。

トランスジェンダーや人種の問題なども描かれていて、心を揺さぶられるようなセリフが満載。
もどかしい三角関係の行方も、最後までハラハラ・キュンキュンします。

音楽もすっごくカッコいい!

毎回一話のなかで、上って下りて上って下りて、歓喜して泣いて、憤って泣いて、キュンとして泣いて、悔しくて泣いて、せつなくて泣いて、予想外の展開にヒャッハー!する。

回想シーンやモノローグがとても効果的に使われていて、さらにグッとくるんです。
セロイのお父さん、出てくるだけでウルウルしちゃう。そしてまた思い出し泣き。

なかでも第12話の最強の居酒屋対決のエピソードが一番好き。
「お前はお前だから、他人を納得させなくていい。大丈夫だ。我慢するな。大丈夫だ」
傷ついたヒョニさんへのセロイのこの言葉からの
「僕と仲間が誰にも脅かされないよう
自分の言葉や行動に力がほしい
不当なことや権力者に振り回されたくない
自分が人生の主体であり
信念を貫き通せる人生
それが目標です」
この回想シーン。そして、 
「心の底から怒りがこみ上げてくる」というモノローグ。
さらに、イソから贈られる『石ころ』の詩。
この流れ、神! たたみかける涙の洪水……


それから、『梨泰院クラス』を観ると、豆腐チゲを食べながら、焼酎が飲みたくなりますね。まぁ私は、焼酎よりマッコリ派ですが。
韓国では、目上の人の前でお酒を飲む時は、顔を横に向けて飲むのですね。
いろいろと勉強になります。

とにかく、こんな素晴らしいドラマを配信してくれたNetflix様、カムサハムニダ。

苦い夜が甘くなりました。
私も「タンバム」で働きたいです。
パク・セロイ、上司にしたい人ぶっちぎりナンバーワンです。

大切なのは「人と信頼」。
生きる力が湧いてくる素晴らしい作品です。

『梨泰院クラス』を観て、主人公を演じたパク・ソジュンの大ファンになりました。
ただいま、過去作品を観まくっておりますので、その感想はまた改めてご報告させていただきます。

Netflix『梨泰院クラス』


『愛の不時着』(2020年)

北朝鮮の村の人々の生活を知ることができて、おばちゃんたちや中隊長の部下たちのキャラもコミカルで楽しかった。盗聴の任務についている人の葛藤も胸に迫るものがあった。
北と南の緊迫感も伝わってきたし。
なのに、なのに、最終話で
だ・い・な・し
台無し!!!

世間では『梨泰院クラス』より、こちらの『愛の不時着』のほうが人気が高いようですが、私は『梨泰院クラス』のほうが100万倍好きですね。

『冬のソナタ』とかが好きな人は、たぶん『愛の不時着』のほうが好きかと思います……まぁ、私、『冬のソナタ』観てないのでわかりませんけど……汗
中隊長の部下の一人が、韓流ドラマファン(特にチェ・ジウ)という設定なので、『天国の階段』などが好きな人は、より楽しめると思います。韓流ドラマにうとい私にはピンとこないシーンもいくつかあり、ちょっと悔しかったです……笑

とにかく、最終話前までは、本当におもしろかったのよ!
それなのに……最高潮に昂った感情が急速にしぼんでいった……。私の心が〈不時着〉ですよ……。


ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、どうしても受け入れられない展開がありましてねぇ。
なんというか、もっと主人公以外の人々の幸せも大事にしてほしかったなぁ。
報われなさすぎ、気の毒すぎ。そりゃないぜ……。
最終話だけ、なんか急に雑になったような……。

あまりにガッカリしてしまい、その後の主人公ふたりの行方とか、どうでもよくなっちゃったよ……。
私は韓国ドラマ初心者なので、「こういう展開が韓国ドラマの醍醐味なのよ!」ってことなんでしょうかねぇ……。

ほかの方々のレビューを見ても、泣いた! 感動した! と絶賛の嵐なので、きっと私のように感じている人は少数派かと思われます。
本当に、最後だけなんですよ……それだけに残念でなりません……。

文中に多発する【……】で、私のモヤモヤした心中をお察しください……。

あんまりストーリーとは関係ないけど、むちゃくちゃ美味しそうでオシャレなフライドチキンのお店がしょうっちゅう出てくるのですよ。
韓国の店舗数ナンバーワンの「bb.qオリーブチキンカフェ」ってお店だそうですが、日本では、東京に数店舗あるだけみたいで……。どうかどうか、静岡にも出店してください!!!

Netflix『愛の不時着』

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