【フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)】花や森、自然をテーマにした非日常空間の中で花スイーツを楽しむカフェが2021/6/15(火)紺屋町に移転オープン
静岡PARCOの近くの呉服町通りで営業していた「フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)」。新型コロナウイルスの影響やさまざまな事情が重なり、2021年5月に閉店することに。しかし、閉店のお知らせをしたところ、続けて欲しいという声が殺到。継続に向け、クラウドファンディングを実施し、目標金額を見事達成。紺屋町にお店を移転オープンすることになった。お店への想い、これからの展開について店主の大橋愛美さんにお話をうかがった。
2021/6/15(火)OPEN! グルメ・紺屋町「フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)」
「フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)」はフォトジェニックなメルヘンなカフェ
お店の入口には看板があるものの、本当にここに素敵なカフェがあるのだろうかと一瞬迷うような、まさに「隠れ家」のような場所に「フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)」はある。古びた雑居ビルの階段をあがっていくと、奥に非日常の空間が広がっている。お店に入ると、スタッフが「お好きな席へどうぞ」と案内してくれた。
天井からたくさんのドライフラワーが飾られ、壁には動物たちの剥製(はくせい)が。アンティークの雑貨に、エイジング加工された壁、森の中にあるかわいい家のような雰囲気のカフェだ。
メニューはエディブルフラワー(Edible=食べられる、Flower=花。食用のお花のこと)やハーブ、スパイスなどの植物を使ったやさしい味のお食事やスイーツを用意。お花のシロップを使ったドリンクは特に人気がある。
店内に入ると街中とは思えない不思議な空間で、初めての方はどうしても身構えてしまうかもしれないが、それでもファンが多いのは、店主の大橋さんやスタッフの人柄のおかげだと思う。ほどよい距離感での接客、思いやりのある言葉やサービス、いろいろお話ししたくなるような方々だ。
「フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)」の花いっぱいのメニューを紹介
こちらは「スペシャルフレンチトースト」。たくさんのお花とアイス、生クリーム付き。
メニューは季節やお客さんからの声などにより、都度変わっていくそうなので、詳しくはご紹介できないが、フレンチトーストは移転前から人気があり、おそらくメニューに登場していることが一番多いそう。エディブルフラワーもふんだんに散りばめられていて、見た目もとても美しい。ベリーなどのフルーツが甘酸っぱく爽やかで、甘さは控えめ。
「私自身が甘いのが苦手なので、食べやすい甘さにしてあるんですよ」とのこと。womoライターも甘過ぎるのが苦手なタイプで、フレンチトーストも通常は食べきれないことも多いが、こちらのものはほどよい甘さで本当に食べやすい。ちなみに甘いのが好きな人は、添えてあるメープルシロップを追加しよう。
こちらは「ゼリーポンチソーダ(ローズ)」。味はローズのほか、ラベンダー、エルダーから選べる。クラッシュゼリーが入っていて、グラデーションがとてもきれい。ふわっと花の香りがして、優雅な気分になれる。
なお、アフタヌーンティーセットやデザートプレートの相談も可能で、メッセージ入りの誕生日プレートやブーケの注文もできるそう。
「フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)」が移転することになったワケ
2019年5月にオープンした「フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)」は、花や森、自然をテーマにした写真映えする空間ということで、県内外からたくさんのファンが訪れる人気カフェだった。しかし、新型コロナウイルスの影響などさまざまな要因が重なり、営業継続が困難に。しかし、閉店のお知らせをすると、多くのお客さんから継続の声をいただいたという。大橋さんは「カシェット」を経営していたオーナーと話し合い、独立する形で移転オープンすることになった。
「前の場所は、広さもあり、家賃も高額でした。そこでは続けることが難しく、一度は郊外への移転も考えたのですが、やはり以前から来てくださるお客さまや、静岡の中山間地・郊外の情報発信をするためにも、駅から近くの場所を探しました」。
カウンター席もあり、そこではスタッフと話したり、本を読んだりとゆっくりできるスペースになっている。かつて大橋さんの祖父母が花屋を営んでおり、その傍らでお母さまが喫茶店を営んでいたという。その影響で長く花と触れ合い、飲食や下町の人情あふれる人々と交流を深めていた。
「学生から大人まで一人でも気軽に来てもらえればと思っています。昭和の喫茶店やスナックのように、人と人とが出会え集える場所になれたらといつも考えているんです。新型コロナウイルスの影響で、いろいろと制約も増えましたが、おかえり!といつでも家に帰って来られるような場所にしたいですね」とまるでみんなのお母さんのように大橋さんは話す。
「フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)」ではドライフラワーのブーケ等の制作体験もできる
「フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)」では、お花のレッスンも開催している。
「お友達やお母さんにプレゼントしたいと言って、ブーケをつくりに来る中学生や高校生の子もいるんですよ」。
プレゼントに手作りのブーケとは、なんと素敵な……。もともとはお母さんと一緒に来てくれていたそうで、そんな子たちが一人でも来られるお店というのは、大橋さんの人柄もあってだろう。
お花の講座は、小学生のお子さんや男性でも気軽に受けることができるので、事前に予約すれば作りたい物や予算に合わせて花材を用意してくれるそう。
お酒が苦手な人や全く飲まないという人も多く、ノンアルコールカクテルや微アルコールのドリンクも用意。
「静岡にもバーはたくさんありますが、女性が一人で気軽に入れるお店はまだまだ少ないと思うんです。ここならお酒初心者の方や女性一人でも、気軽にバーの雰囲気だけでも楽しめる場所になれるかなと思います。また、学生の来店も多いので、正しいお酒の知識やマナーを知ってもらうためのプチ講座や、スイーツに合うお酒とのマリアージュの提案もできたらいいですね」。
「フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)」の今後の展開
「フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)」がある紺屋町は静岡の玄関口でもある場所。
「他のカフェでやっていないようなこと、たとえばポップアップ・ストアや、他店のシェフとコラボメニューを出す日をつくったり、無名アーティストの展示会等もおもしろいと思っています。どうせならチェーン店やAIにはできないことをやっていかないとね」と大橋さんは楽しそうに話す。
お店の入口には、他店のショップカードがたくさん置かれていたが、そんな想いがあったのだなと納得。今後の展開がとても楽しみで目が離せない。
お花や自然に関する本も充実している。
「今はスマホばかり見てしまう時代になりました。パラパラと本をめくって読んだり、ゆっくり音楽を聴いたり、花を見て香りを楽しんだり、そんな携帯やパソコンを見ない時間をつくろうと考えいるんです。日本の四季を感じながら自然の中に身を置き、のんびりゆっくり癒されてもらえたらいいなぁと」。
確かにここでなら、スマホを見るより自然や森のような雰囲気を感じることができそうだ。
「お店に来るお客さまは静岡に転勤や移住して来た方、静岡の大学に通っている県外から来た学生さん、社会人になって県外に出たあともお店に顔を出してくれる方もいます。そんなふうに静岡にいるときはもちろん、また戻ってきたときにも存在するお店でありたい。先行きが見えない時代ではありますが、自然な流れに乗りつつ長く続けていきたいですね」。
「フラワリー カフェ カシェット(flowery cafe cachette)」は、確かに写真映えのするフォトジェニックなお店だ。
それだけではなく、店主やスタッフの人柄のもよく、とても居心地のよい場所。ゆっくりしたい、ちょっとお茶をしたいと思うようなときにもぜひ利用してほしい。
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