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暮らしを想像しながら、植物をえらぶ楽しみを。『THE GROVE STORE(グローブストア)』

暮らしを想像しながら、植物をえらぶ楽しみを。『THE GROVE STORE(グローブストア)』

さまざまなキーワードでwomo読者がおすすめするスポットを聞き込み調査&取材を実施。今回のキーワードは「観葉植物」。

すべては「好き」から始まった

島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』の店内の写真

島田市の静かな住宅街を抜けた幹線沿いにある『THE GROVE STORE』。
築40年の物件をリノベーションしたという店内は、あちらこちらに手が加えられた跡が残る。入口から出迎えてくれるたくさんの観葉植物は、どれも陽を浴びてキラキラと光り、「ああ、こんな植物に囲まれた暮らしをしてみたい」と思わせてくれる。

植物の葉をかき分けながら、気さくに出迎えてくれた店主の青島さんに、観葉植物に興味を持ったきっかけや、お店を開くまでのいきさつについて聞いてみた。

島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』のが外観の写真

2022年10月で5年目を迎える

島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』サボテンなどの写真

ユーフォルビアやサボテンなどユニークな植物が雑然と置かれ、非日常感を味わえる

東京で運送会社の経営企画やIT戦略部門に従事していた青島さんは、7年前に静岡に帰郷。

「家を建て、部屋をおしゃれにしたいという思いから、観葉植物に興味を持ちだして……。好みのものを集めていくうちに部屋に置ききれなくなってきて、家の中がジャングルみたいになってしまったんです。それならいっそのこと、お店を始めちゃおうかって」

島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』オーナー青島さんの写真

日当たりや室温などお部屋の状況に合わせて植物を提案

島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』のサボテンや多肉植物の写真

水やりのタイミングのわかりやすさを考えて土の配合も調整している。観葉植物ビギナーにも優しい

「縁」から紡いだ、『THE GROVE STORE』の姿

はじめは植物の仕入れ先などの知識が無かったため、まずは各所へ電話を掛け、手探りでひとつひとつ流れを覚えることから始めた。
「名古屋の市場に連絡したら、静岡の仲卸の方を紹介していただきました」
その方との出会いが1つのターニングポイントとなる。

「週2回、早朝に名古屋の市場へ買い付けに行き、毎回仲卸の方の横に座って、欲しいものがあると、あれもこれもと頼んで競り落としてもらう。そういうのを1年くらいやりながら、少しずつ市場の流れを掴んでいきました」

市場を理解する過程で、同時にもどかしさも感じるようになった。
大きな市場は品数が多いが、全国から買い付けに集まるバイヤーと競り合って落とすにはどうしても手が足りない。仕入れ担当が何人もいる大手ショップに、先に良い商品を買われてしまうことが多かったのだ。
質の高い植物をお店に並べるためには、生産者の元へ直接足を運ぶことが一番の近道と気づいた青島さんは、自ら全国を回るようになる。

島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』の植物の写真
島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』の植物の写真

棚の上から下まで、店内は植物でいっぱい。気になったものについて聞いてみると、青島さんがていねいに説明してくれる

一軒一軒に足を運んで“つながり”を地道に作っていき、生産者と深い関係性を築く。そうすることで、どの生産者がどんな考えを持っているかを知り、また相互にアドバイスしあう間柄になれる。

『THE GROVE STORE』の豊富な品揃えの裏には、青島さんが紡いできた生産者との「縁」があった。

島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』の植物の写真
島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』の植物の写真
島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』の植物の写真

青島さん自ら沖縄や鹿児島、八丈島などに赴き選別した植物も

目指すのは、「園芸店」ではなく「総合インテリアショップ」

植物をテーマに、暮らしを総合的にコーディネートしたいと語る青島さん。

「ピカピカでまっさらな家よりも、それぞれのライフスタイルや好みが滲み出ている家の方がかっこいいんじゃないかと。好みに合わせて家をカスタマイズする楽しみを提案するには、植物だけではなく、暮らし全体を提案するショールームのようなお店がいいなと思ったんです」

1階には、豊富な種類の観葉植物たちが置かれ、まるで宝箱のような空間に。2階はより具体的に生活がイメージしやすいように家具や雑貨が置かれ、店舗の外には庭を彩る植物たちが並ぶ。

ここに来れば、自分がつくりたい部屋や庭、家全体のイメージが具体的なものとなって見えてくるのだ。

島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』の雑貨や小物、インテリア用品の写真

雑貨やインテリアはアンティークの一点ものや海外のものなど、こだわりの品が揃う

島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』の花瓶(フラワーベース)やドライフラワーの写真

ドライフラワーやリースも取り扱う

島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』の庭木や植木の写真

種類豊富な庭木や植木鉢。背の低いものからオリーブのように大きく育つものまで、それぞれの庭にあった植物を選べる

青島さんたちがつくる『THE GROVE STORE』の空間

『THE GROVE STORE』の空間づくりは、植物との親和性が鍵だという。

「アンティークやDIYのように、経年変化するものや人間の手が入ったものは、植物との相性がいいんです。それを狙って、建物も中古物件を購入しました。自分達でリノベーションしながら、植物の雰囲気にあった間取りや内装にしています」

便利で清潔なだけなものより、ストーリーを感じられるものがいい。時を経ることで蓄積されるものは汚れや傷みではなく“味”や“渋み”だ。
植物も持ち主の手で愛情を持って世話をし、時を経て成長していく。通ずるものがあるからこそ、親和性が生まれているのだろう。

棚やテーブルひとつ取っても、細かなテクスチャまでこだわって、植物がより魅力的に見えるように自らDIYしているという。
青島さん自身が楽しみながら空間づくりをしているからこそ、訪れた人も惹かれるものがあるのだ。

島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』の店内の写真

植物それぞれの特性に合わせ、配置や保管方法を工夫している

めぐる楽しみのある町へ。『THE GROVE STORE』がまく、未来のタネ

最後に今後の展望も話してくれた。
「島田の界隈を変えたいっていうのもあって。魅力的な店舗が3軒くらいできると、その町のイメージが変わると思うんです」

青島さんは、現店舗の向かいにインテリアに特化したお店を新たにオープンする予定だという。将来的には近隣にもう1軒店舗を作りたいとのこと。
「遠方から訪れた人が一日かけて見て回れるような町にできたら面白いですよね」と目を輝かせる。

「将来的には近隣に広い土地が確保できたら、低家賃で店舗ブースを借りられるチャレンジショップのような、カフェやハンドメイドのお店が入った複合施設を作りたい。スタートのきっかけになる場所にしたいんです。この界隈に人が集まってもらえれば、みんながもっと楽しめる町になる。それがここでの1つのゴールかな」と語ってくれた。

青島さんが思い描くアイデアがひとつひとつ実っていけば、島田はみんなにより近い場所になる。取材を通して、『THE GROVE STORE』から芽吹く可能性が見えた気がした。

島田市で観葉植物取り扱う『THE GROVE STORE(グローブストア)』の植物の写真

『THE GROVE STORE』店舗情報

住所/島田市東町1093
電話/0547-32-9200
営業時間/10:00~17:00
休業日/火曜
駐車場/第1駐車場16台、第2駐車場40台

『THE GROVE STORE』の詳細はこちら

紹介スポット

島田市

THE GROVE STORE

小さな鉢植えから庭木までラインアップ 植物をテーマに暮らしを総合的にコーディネート

更新日:2022/2/17

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