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おしゃぶりは歯ならびに影響するの?~年齢別おしゃぶりの影響~

子どもの歯についての悩みやギモンに答える企画。好評の第1弾に続き、第2弾は「おしゃぶりは歯ならびに影響するの?」というギモンに、ふじみ歯ならびクリニック院長の高橋先生にお答えいただきました。

おしゃぶりは本能的な欲望の代替品

指しゃぶりは、胎児や新生児の自然な反射であり、胎生15~16週頃からすでに指しゃぶりをしているそうです。指しゃぶりによって緊張や不安を解消するお子さんも少なくありません。一方、おしゃぶりは、この持って生まれた欲望を満たすための代用品として使用されます。
歴史的には、1900年代の最初まで、おしゃぶりはとても有益だとみられていましたが、その後くらいからは、不衛生でこどもを甘やかすことになる、とおしゃぶり反対運動が起こりました。おしゃぶりについては、いろいろな意見が混在しているのが現状です。

おしゃぶりの影響

おしゃぶりについては、歯ならびへの影響だけでなく、その他のいろいろなことにも影響があることがわかってきています。

年齢別にまとめてみると、

【早産児】
痛みをやわらげる、入院の日数が減る、腸管栄養から哺乳瓶からの栄養に早期に移行できる、哺乳瓶からの栄養の行動を改善する、といった良い点があります。早産児の口のトレーニングにおいて、おしゃぶりの使用が良いという意見は正当性があるということです。

【生後6ヵ月まで】
痛みをやわらげる、乳幼児突然死症候群のリスクを下げる、といった良い点があります。一方、離乳が早くなり過ぎるといった悪い面があります。乳幼児突然死症候群のリスクを下げるために、眠り始めた時のおしゃぶりの使用をすすめています。ただし、おしゃぶりを使うのは、母乳で与える環境が確立する生後約1ヵ月を過ぎてからの方が良いとのことです。

【生後6ヵ月~2歳まで】
中耳炎を起こすリスクが増えます。10ヵ月ころには、おしゃぶりの使用をやめることをすすめています。

【2歳以上】
前歯が噛んでいない、上下がさかさまの咬みあわせ、出っ歯になる、上あごが狭くなる、など歯並びが悪くなるリスクがあります。遅くても4歳までにはおしゃぶりをやめさせるようにすすめています。


ブラジルの252人のお子さんを調べた研究では、哺乳瓶を使用していると、指しゃぶりやおしゃぶりをしやすくなる、そしてそれが口呼吸と関係性がある。また主にオッパイから授乳した時は、鼻呼吸になりやすい。という結果が出ています。

何気ないおしゃぶりも、時期を間違えると良いことばかりではなく、悪影響もあり、歯ならびや呼吸の仕方にまで影響がある、ということなんですね。

今回の記事は、以下の論文や書籍を参考にしています。
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・Sexton SとNatale Rの書いたRisks and benefits of pacifiers
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19405412

・Lopes TSらの書いたAssociation between breastfeeding and breathing pattern in children: a sectional study
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24703820

・ 親と子の健やかな育ちに寄り添う乳幼児の口と歯の健診ガイド第2版 日本小児歯科学会 編集

答えてくれたのはこの人

Profile:ふじみ歯ならびクリニック 高橋 一人 院長

私は、虫歯も、悪い歯ならびも、あらゆる病気も、未然に防ぐことができる世界を作るための健康教育を広めることを一番に考えています。ふじみ歯ならびクリニックでは「呼吸の習慣を変えて、健康な歯ならびを手に入れましょう!」ということに真剣に取り組んでいます。呼吸の問題は歯並びの問題を起こすだけでなく、将来の健康にも悪い影響を与え ます。まだまだ知られていない将来の健康のための情報をより多くの方々に発信できればと思っております。

呼吸の仕方は歯ならびに影響する

呼吸には「鼻呼吸」と「口呼吸」の2種類がある。正しい呼吸は「鼻呼吸」の方。生まれたばかりの赤ちゃんは、鼻呼吸をしている。それが生活習慣次第で口呼吸になってしまうことがある。鼻で呼吸をしていると、外から入ってくる空気を加温・加湿して肺に送り、鼻の粘膜でホコリやバイ菌を捉えることができる。しかし、口呼吸をしていると、ホコリやバイ菌をそのまま肺に送り込み、酸素の取り込み方も非常に非効率に。体が酸欠状態に陥りやすくなる。呼吸の問題は、全身の健康や睡眠、アレルギー、性格、学習、スポーツなどさまざまなことに影響を及ぼす可能性があると考えられている。
呼吸の仕方が悪いと、唇やほほ、舌といった口の周りの筋肉バランスが崩れてしまう。そうすることで、歯が正しくない方向へ押され、歯ならびが悪くなってしまう。歯ならびが悪いと、虫歯にもなりやすくなるのだ。

「ふじみ歯ならびクリニック」はこんなところ

呼吸の問題を解決することが、歯ならび改善へとつながることも。

「ふじみ歯ならびクリニック」では、正しい呼吸方法を指導していくことで、歯ならび改善へと導く治療のお手伝いをしている。相談は無料。治療を始めるかどうかは、この時点で判断すればいいとのこと。

下記の項目に1つでも当てはまるお子さんは要注意!

□うつ伏せで寝る
□よく何か(おもちゃ、指など)を口に入れている
□食べる時に一緒によく飲み物を飲む
□いびきをかく
□起きるとのどが渇いている
□よく鼻水がでる
□かむ時にくちゃくちゃ音がする
□顔が細長く、あごが小さい
□よくぼーっとしている

歯医者さんに来なくても、ご家庭で虫歯も悪い歯ならびも予防できるのが一 番なんです。ふじみ歯ならびクリニックでは、まずは生活習慣や呼吸の習慣を変えるためのトレーニングをします。私はその専属トレーナーという感じです。

>>次回のテーマは「仕上げ歯磨きを嫌がる子、良い方法は?フッ素って、どう考えるべき?」です。お楽しみに。

【取材協力】
ふじみ歯ならびクリニック
tel:054-269-5691
住所:静岡市駿河区池田79-1 イーダッシュ東静岡1F
診療時間:10:00〜13:00、14:00〜18:00
休診:水曜・第3木曜 ※その他不定休あり
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第1回「虫歯はうつるって本当?虫歯知らずの子育て法」

https://womo.jp/column/detail/4808/

第3回「仕上げ歯みがきを嫌がる子、良い方法は?フッ素って、どう考えるべき?」

https://womo.jp/column/detail/7262/

更新日:2016/7/22

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