WOMO

中部電力
Original

【連載】地産地消のFarm to Tableなグルメ店 Vol.2 オスピターレ バイ ブルックリン × 加藤農園

浜松・静岡の「地産地消のFarm to Tableなグルメ店」を、特に農園さんとの関係に焦点をあててご紹介していく本連載。「地産地消」や、「Farm to Table」と呼ばれる考え方を実践するお店ってどんなお店?美味しいの?などのギモンを掘り下げます。

■【Vol.1】 キチトナル キッチン × 百姓屋つぐみ はこちら

http://womo.jp/campaign/wp/contents/地産地消のFarm to Tableなグルメ/

【Vol.2】 オスピターレ バイ ブルックリン × 加藤農園 店舗紹介

▶ OspiTare by brooklyn(オスピターレ バイ ブルックリン) 支配人:松野さん

【womoグルメでお店について詳しく見る】

http://hamamatsu.womo.jp/gourmet/shop/index/ID/121

住所 : 浜松市中区中央1-4-15
定休日: 無休

▶ 加藤農園 代表 : 加藤寿成さん

農場の場所: 浜松市三方原。加藤さんを中心に計4人のチームで運営。

左から
小杉芳雄(よしお)さん 好きな野菜:トマト
加藤寿成(としなり)さん 好きな野菜:パプリカ
三浦敦史(あつし)さん 好きな野菜:空芯菜
*残念ながら写真に入れなかったのは、大ベテランの山崎政則(まさのり)さん。好きな野菜…全部大好き!とのこと。

ピーマンを生で食べ、美味しさに感動!

オスピターレでは新鮮な野菜をふんだんに提供する

 オスピターレ支配人の松野さんが最初に感動したのは、加藤さんのピーマンのおいしさ。
生でかじってみたときの感想をうかがうと、「フレッシュで、みずみずしく、味もしっかりしている。食べた後の味の余韻も長く、ピーマンの気持ちの良い苦みと甘さも強く感じられたんです!」と力説してくれました。

 その理由を加藤さんは、「野菜を無農薬で作ると、味が濃くて、野菜本来の甘みがでます。化学肥料だと野菜が一気に大きくなるでしょう。でも、無農薬ならじわじわ育つので、そのぶんエグみが少なくて先に甘みが来るようになるんです。」とにっこり。

レタスにくっついたカエル

 無農薬の野菜作りは、”土”が基本だそう。加藤さんは、とにかく”土”について詳しいのです。
「化学肥料を使うと、土の中の微生物が単純化されてしまいます。簡単に言うと、少ない状態になる。けれど、有機肥料(「ぼかし」)を使うといろいろな生き物がたくさん畑にいられるようになります。」

 生き物がいる分、手入れが大変そうですが・・・。
「わたしたち人間って、自然とか地球に生かされているじゃないですか。だから、50年ほど前にアメリカから入ってきた化学肥料などによって変わってしまった土を、以前の土に戻していけたらなと思っています。こうして虫やカエル、微生物などが元気でいてくれる土なら、そのぶん野菜も健康に育ちますから。」

 なんだか深い愛情を感じます!(松野さんのイイ声と笑顔にシビれつつ・・・照)

加藤農園さんの畑、土と空。生命力を感じます!

わたしたちのカラダは、今日食べたものでできている。

ぴかぴかの緑&赤ピーマンはもう芸術的

加藤さんの知識は、土だけでなく野菜の栄養にも及びます。

「緑のピーマンって、未成熟のものなんですよ。成熟したピーマンは赤。赤の方が食感が良く、栄養価も高いです。オスピターレさんは、サラダに生の赤ピーマンをよく使ってくれます。」

肉料理にも付け合せ野菜がたっぷり

 なるほど、”栄養価”ですか。
「そうです。栄養価の高い野菜を提供することには、とてもこだわっています。ひとが誰しも心に抱いている本当の願いは、”幸せになりたい”ということではないかと思うんです。その幸せの基本は、やっぱり、健康でいられること。ウチの野菜を召し上がっていただくからには、その方たちが幸せな生活を送れるようにお手伝いしたいと心から願っています。」と加藤さん。

「キザだから、これを伝えるかどうか迷ったんですが・・・カップ麺食べることだってあるし・・・(笑)」と付け加えながらも、農園の”経営理念”について語ってくださいました。

色どりと新鮮さと美味しさに、「なんて理想的なバーニャカウダ!」と思うことでしょう

おいしく 健康な野菜を作り 幸せな生活を 確立することに貢献します

 加藤さんの言う”おいしく 健康な野菜”とは「自然に近い健康な土壌で育つ、栄養価が高い野菜」。お話をうかがううちに、なんだか舌で感じる美味しさだけでなく、体全体で加藤さんの野菜を味わってみなくてはという気持ちになります。

 そしてこの想いは、オスピターレの松野さんの考え方と一致するのです。 「食の安全・安心は、お客様のカラダを支えます。栄養価の高い、本当にカラダに良い野菜を食べて、野菜本来のおいしさを味わってほしいと思っています。」(松野さん)

お客様のカラダのコトをとことん考え抜く

今が旬のとうがん。ぷっくり素朴な姿♥

 松野さんは、お客様のカラダのことや、直接伝わってこないような隠れた願望(きれいになりたい、むくみをとりたいなど)も見越して、使う野菜やメニューを考えるといいます。

 だから、オスピターレさんと加藤農園さんのコラボレーションの特徴は、栄養価の高い、カラダによい野菜が食べられるお店であるということに加え、提供する野菜を選ぶ基準がとことんお客様目線であること。

葉物はこれからが旬。こんな綺麗な色、見たことない!

春は、菜の花・たけのこ・ふきのとうなど苦味がある野菜で、デトックス効果を。
夏ならキュウリ・ナスなど、体温を低く落ち着かせる野菜を。
今月(9月)は夏の疲労がとれるようにと、ピーマン、なす、モロヘイヤ、おくら、しょうがなどを中心に。
そして10月はいよいよ秋!葉物 小松菜、水菜、ルッコラ、スイスチャード、うまい菜、にんじんなどの登場を予定しているので、お楽しみに♪とのこと。

可愛くラッピングされたとうもろこし。加藤農園の野菜は、一般のお客様にも直接販売しています

 ふたりは頻繁に打ち合わせをするそうで、加藤さんは松野さんの要望(9月は女性の夏の疲れがとれたらいいな…など)を聞いて、なるほどと驚くことも多いといいます。「松野さんは、ものすごくお客様のことを見ていますし、考えていますよ」と加藤さん。
さらに加藤さんは、イタリア原産の野菜や、色鮮やかなもの、めずらしいものがあったらいいな、という松野さんの要望にも、できるだけ応えていく考え。そして、野菜がどんな料理になるかいつも楽しみなんだそう。「みょうがと鶏肉、サラダに生ピーマンなど、素人では思いつかないような提案がたくさんあります」。

オスピターレ×加藤農園のこれから

 松野さんは、加藤さんの野菜を使うようになってから、来店数も単価も良くなり、本当にいいものが提供できていると実感しているそう。
素材の質・味はもちろんのこと、加藤さんの野菜に対する想いや姿勢への共感を、これからも大切にしたいといいます。
「加藤農園さんと私たちオスピターレが出会ったのも何かの縁。一緒に試行錯誤しながら、野菜の持つ力や素晴らしさを発信していきたいですね。」と加藤さんに期待を寄せます。

 それに応えるように、加藤さんはこれからの展望をこう語ってくれました。
「土地の栄養は、化学肥料が使われる前と後では、約6〜8倍くらいの差があります。ビタミンやカルシウムなどが、今は本来あるべき姿の1/6くらいになってしまっているということ。やはり重要なのは土。土作りを通して、以前の土地に戻していけたという想いにたどりつくんです。その想いをつなげて、耕作放棄された土地を少しずつ農地にしたり、ボランティアもやっていきたいなとも考えています。例えば、最近、浜名湖のクリーン作戦で撤去した海藻を土壌に入れる、というようなことをしました。海藻を混ぜることで、海のミネラルが溶け出し、より美味しい野菜が育つ土になります。少しずつ取り組んでいきますね。」

 松野さん、加藤さんのおふたりとも、新鮮でおいしい野菜を提供する、ということにとどまらず、わたしたちの健康や幸せのことまで想像して思いを寄せてくださっていること、そして自然への恩返しまで・・・!スケールの大きな想いの詰まった野菜と料理を楽しみに、あらためてオスピターレに訪れてみたいですね。

夜はパーティーもお任せできるオスピターレ。おしゃれで美味しい、そしてカラダに優しい、充実ディナーを楽しめる

ぜったい食べて!オススメメニュー

雰囲気抜群のテーブル♪

 womoスタッフのおすすめメニューは、「農園直送 温野菜のスープ仕立て(1,404円)」。
 加藤農園さんの野菜をふんだんに使い、野菜本来の旨味を凝縮させた、寒い時期にピッタリのスープ。松野さんのお客様への配慮も想像できる逸品です。(写真は撮り忘れました…。実物を確認しにぜひお店へ!)

 これからだんだんと寒さが増していきます。womo読者のみなさまにも、オスピターレで、身も心も満たされるあったかディナーを体験していただけたらうれしいです♪
(取材:womo編集部 恒川/編集:womo編集部 遠山)

更新日:2015/10/7

よみものシリーズ