春の陽気に誘われて、自然あふれる森町日帰りさんぽ
三方を山に囲まれ、町の中央には太田川、趣ある町並みや寺社、そして四季折々の花々。それらが織り成す風景から「遠州の小京都」ともいわれる森町。そんな町に桜の開花の知らせが届いたら絶好のおでかけシーズン。お気に入りのお弁当やパンとともにお出かけしよう。(※桜の開花状況は、森町観光協会 公式Instagramをチェック!)
森町へは、静岡市から新東名高速道路新静岡IC~森掛川ICで約40分。遠江國一宮 小國神社なら遠州森町スマートIC(ETC専用)がより便利。古い町並みや自然を楽しみながら、由緒ある寺社をのんびり巡ることができるので、ゆとりある日帰り旅にはぴったり。
①森町の玄関口 森川橋
新東名高速道路を降りて町へ向うと見えてくるのは、森町の中心部を流れる太田川。ここに架かる森川橋が森町の中心部の入り口。ガタンゴトンという音に気付いて目をやると、1両編成の列車がノスタルジックな橋を渡っているところだ。のんびりのどかな風景に思わずカメラでパチリ。実はこの橋、1935年にかけられた天竜浜名湖鉄道太田川橋梁で、国の登録有形文化財でもあるとか。70年以上走り続ける親しみある天浜線と周囲の緑豊かな風景のコラボは、昔から変わらないのだろうな、と想像させてくれる。
②大阿川堤防に延びる圧巻の桜トンネル
さらに目に飛び込んできたのは川沿いに咲き誇るソメイヨシノ。せっかくなので車を停め、ちょっと散策。ハラハラと舞い落ちる花びらに心奪われながら、淡いピンク色と桜の香りに包まれた桜のトンネルをくぐると、これから始まる森町さんぽへの期待感も高まってくる。ここは桜堤と呼ばれ約2kmに渡って続く桜並木で、30年ほど前から地元の人々が大切に育ててきた桜の名所。約1000本のソメイヨシノと八重桜は森町に春の本格的な到来を告げる風物詩として、多くの観光客を魅了している。
桜の開花状況は、森町観光協会 公式Instagramをチェックしよう。
■太田川堤防の桜
住所/森町向天方地内
問合せ/0538-85-6316(森町観光協会)
③ レトロな駅舎の遠州森駅でレンタサイクル
列車での森町の玄関口となる天竜浜名湖鉄道 遠州森駅。駅舎と上りプラットホームは国の登録有形文化財に登録された貴重な建物だ。敷地内には武家屋敷の土蔵を模したトイレや電話ボックスなど、レトロで懐かしい光景が残っている。無料の駐車場もあるので、車でも気軽に立ち寄れるのもうれしい。ここでレンタサイクルを借りて、さらに森町の魅力を探しに行くことに。気さくな駅員さんが教えてくれたお店や見どころを探しながらサイクリングへ。電動アシスト付き自転車だから、漕ぎだす足も軽々。
■天竜浜名湖鉄道遠州森駅
住所/森町森980-2
営業時間/平日6:45~16:15、土日祝9:00~16:15
問合せ/0538-85-2211
■レンタサイクル
貸出場所/遠州森駅構内
貸出時間/9:30~15:30
問合せ/0538-85-2211(遠州森駅)
④旅の安全と良縁祈願に天宮神社へ
遠州森駅から約2kmのところにある天宮神社に「自転車御守」があると聞いて、サイクリングの安全祈願も兼ねて参拝へ。“道の守り神”である道主貴(みちぬしのむち)が祀られており、神社に伝わる十二段舞楽は国の重要文化財でもあるとか。参拝後、お守りもいただいたので、今日のサイクリングは安心。また、境内にあるご神木のナギの木は東海地区最古で静岡県指定天然記念物指定のもの。ナギの葉は丈夫でちぎれないことから縁結びスポットとしても有名なので、ナギの葉を包んだお守りを社務所で授かることに。
■天宮神社
住所/森町天宮576
営業時間/拝観自由
駐車場/50台
問合せ/0538-85-5544
⑤ 往時の姿を残す森の町並みをぶらり
宿場町だったこともあり、何気なく街中を走っているだけでも古着、茶、シイタケ、炭を扱う商家などの町屋が見られる森町。細い小路もあるので、少し自転車を降りて歩いてみることに。連子格子や鎧羽目の板張りといった伝統的な建築様式が残る古着商や旅籠などを見ているとかつての賑わいが思い起こされ、町全体がタイムスリップしたかのような不思議な感覚に。どっしりとした土蔵や趣ある町屋が連なり、小路を曲がった先にどんな風景があるのかワクワクしながらのさんぽは見どころがギュッと詰まっている。
⑥「縁結びの神様」として親しまれる名社・遠江國一宮 小國神社
最後に訪れたのは小國神社。「大己貴命(おおなむちのみこと)」をご祭神とし1460余年の永い歴史を持つ古社だ。宮川沿いには垂れ桜や滝桜などが華やかに咲き誇っている。緑深い参道を抜けると視界に広がるのは「小國ブルー」ともいわれる青空と立派な拝殿。思わず背筋が伸びる光景だ。境内の樹齢800余年のひょうの木は様々な縁を結ぶ御神木なので、春からの出会いが良きものになるよう、願いを込めて参拝を。モミジを模した「水引叶結び」をお守りにしたら、明日からの毎日が楽しみになってきた感じ。春だけでなく、初夏の新緑、秋の紅葉など四季を通じて美しい風景が広がる小國神社には季節ごとに訪れたい。
■遠江國一宮 小國神社
住所/森町一宮 3956-1
営業時間/拝観自由
駐車場/約900台
電話番号/0538-89-7302
春の訪れとともに続々と花々が彩りを添える森町。その豊かな自然とともに長年息づいてきた歴史ある町並みは、自転車やおさんぽでのんびり回るのが、森町の時間の流れにぴったり合っている。ふとお出かけしたくなった日に、何気なくふらりと訪れても優しく迎えてくれるのが森町の魅力だ。