水と出会う、こころ潤う。やまなし1泊2日おでかけコース／富士五湖編

山々に育まれた名水や雄大な景色、豊かな実りを凝縮した一皿をめぐる旅。クルマでも電車でもアクセスしやすい山梨の、魅力たっぷり1泊2日のおでかけコースをご案内。第2弾は、富士五湖エリアでくつろぎ旅。

湧水と富士山の恵みに身体も心も癒される

山梨県南東部に位置する富士五湖エリアでは、美しい清流や富士山のある風景に出合える。
新東名高速道路新静岡ICを起点に、富士吉田ICまで1時間強。都内からは、新宿駅からJR富士回遊に乗って富士山駅まで2時間半弱。東京からダイレクトで、富士山周辺にアクセスできるなんて知らなかった。
近づくにつれ、どんどん大きくなる富士山に期待が高まる。

11:45　「森の中の水族館。山梨県立富士湧水の里水族館」で、水の透明度の高さに感動

最初の目的地は、透き通った富士山の湧水を利用し、淡水魚を中心に展示する「森の中の水族館。山梨県立富士湧水の里水族館」。大きい魚と小さい魚が一緒に泳いでいるように見えるドーナツ型の二重回遊水槽や、森の中で水中にいるような気分になれる横見水槽など、随所に楽しい工夫が光る。

時が経つのも忘れて夢中で見入ってしまい、ついつい長居をしてしまいそうに。この場所でしか見られない光景に、早速出合うことができた。

森の中の水族館。山梨県立富士湧水の里水族館（もりのなかのすいぞくかんやまなしけんりつふじゆうすいのさとすいぞくかん）

電話／0555-20-5135
住所／南都留郡忍野村忍草3098-1 さかな公園内
営業時間／9:00～18:00（10～6月は～17:00）
定休日／火曜（祝日の場合は翌日休）、12/28～1/1
駐車場／あり 100台
入館料／大人420円

「森の中の水族館。山梨県立富士湧水の里水族館」公式ホームページ

14:00　「ホテルマウント富士」で、富士山を眺めながら露天風呂を満喫

続いて山中湖畔の大出山山頂にある「富士山を見るために建てられた」絶景リゾートホテルの日帰り入浴へ。サウナや外気浴が楽しめる「満天星の湯」からは、雄大な富士山と山中湖が一望できる。

富士山天然水かけ流しの水風呂のあとは、ホテルマウント富士のサウナの代名詞「富士絶景外気浴」によるクールダウンで「ととのい」を体感。展望露天風呂「はなれの湯」からの景色は、次回のお楽しみにしよう。

ホテルマウント富士（ホテルマウントふじ）

電話／0555-62-2111
住所／南都留郡山中湖村山中1360-83
日帰り入浴営業時間／満天星の湯14:00～18:00、はなれの湯12:00～16:00（水曜は14:00～16:00）
定休日／不定休
駐車場／あり 100台
入浴料／大人2200円（フェイスタオル・バスタオル付き）

「ホテルマウント富士」公式ホームページ

15:45　「グランドーム富士忍野」で過ごす、ラグジュアリーな夜

今夜の宿泊先は、澄み切った清流のほとりに建ち、目の前に富士山がそびえるグランピング施設「グランドーム富士忍野」。一棟独立タイプの部屋には客室温泉が付いていて、思わずはしゃいでしまう。

富士の湧水が育んだ山梨の食材を中心としたBBQは、ボリューム満点。食後には専用スペースでキャンプファイヤーが楽しめたり、静かに星を眺めたりできる。
完全なプライベート空間で過ごす贅沢な時間に、名残惜しさを感じながらベッドに向かう。

グランドーム富士忍野（グランドームふじおしの）

電話／050-3198-5844
住所／南都留郡忍野村忍草2834
営業時間／IN15:00、OUT10:00
定休日／無休
駐車場／あり 15台

「グランドーム富士忍野」公式ホームページ

2日目

9:35　「忍野八海」で清らかな水辺を朝散策

宿で朝食をとりチェックアウトを済ませた後、世界文化遺産富士山の構成資産の1つである「忍野八海」を訪れる。
出口池・お釜池・底抜池・銚子池・湧池・濁池・鏡池・菖蒲池の8つの池に富士山の伏流水がこんこんと湧き出る様子は神秘的。

夏でも空気が爽やかで、山里ならではのゆったりとした雰囲気が心地いい。
次回の旅は、別の季節に来てみよう。きっとこの景色は、今日とは違う表情を見せてくれるはずだから。

忍野八海（おしのはっかい）

電話／0555-84-4221（忍野村観光案内所）
住所／南都留郡忍野村忍草
営業時間／散策自由
定休日／無休
駐車場／周辺有料駐車場を利用

「忍野八海」公式ホームページ（忍野村役場ホームページ内）

11:30　「FUJI de 223 いなりと発酵カフェ」でいたわりランチ

ランチは、河口浅間神社近くにある「FUJI de 223 いなりと発酵カフェ」を訪れる。自家製のいなり寿しを中心に、発酵食品を使ったメニューが人気のカフェだ。

全4種類のいなり寿しは、グリーンカレーアーモンドや炒り卵とそぼろなどの変わり種も。毎朝お店で炊かれるという油揚げは、甘じょっぱくてどこか懐かしい味。日替わりの惣菜2種には、地元の野菜がふんだんに使われている。

主菜は山梨県産ブランドの信玄鶏や富士桜ポーク、キングサーモンとマスの交配魚・富士の介を使ったメニューの中から、信玄鶏の唐揚げをセレクト。自家製の醤油麹や塩麹、辛味調味料の「すりだね」が添えられ、一口ごとに味の変化を楽しめる。

店内のカウンターにずらりと並ぶのは、コンブチャや地元の果物を使ったフルーツ酢など自家製の発酵ドリンク。身体の内側から健康を考える、いたわりランチに癒される。

FUJI de 223 いなりと発酵カフェ（フジニイニイサンいなりとはっこうカフェ）

電話／0555-76-7775
住所／南都留郡富士河口湖町河口1480-3
営業時間／11:00～15:00（L.O.14:00）
定休日／火・水曜
駐車場／あり 4台

「FUJI de 223 いなりと発酵カフェ」公式ホームページ

地元出身のスタッフの方におすすめされ、富士山の神・浅間明神を祀った「河口浅間神社」に立ち寄る。樹齢800年の杉が並ぶ参道を行くと現れるのは、荘厳な雰囲気に包まれた拝殿。
思いがけない素敵な出合いも、旅の醍醐味のひとつだ。

13:10　「葡萄屋kofu ハナテラスcafé」で味わう、山梨フルーツを使った絶品パフェ

車を5分ほど走らせて、緑や富士山を眺めながら食事や買い物が楽しめる河口湖畔の複合施設「富士大石ハナテラス」へ向かう。レーズンサンドが有名な「葡萄屋kofu」が手がけるカフェでは、旬のフルーツを使ったパフェが人気。

季節のフルーツパフェシャインマスカット1815円

夏は桃、秋はぶどう、冬～春はいちごなど、みずみずしい山梨県産フルーツを存分に味わえる。フルーツ王国やまなしの、旬の魅力がぎゅっと詰まった一杯だ。

葡萄屋kofu ハナテラスcafé（ぶどうやコウフハナテラスカフェ）

電話／0555-72-8180
住所／南都留郡富士河口湖町大石1477-1 富士大石ハナテラスD棟
営業時間／平日10:00～16:30（L.O.16:00）、土・日曜、祝日10:00～17:00（L.O.16:00） ※季節により変動あり
定休／無休
駐車場／あり 90台

「葡萄屋kofu ハナテラスcafé」公式ホームページ

おみやげは、富士五湖地域の特産品・郡内織物を

葡萄屋kofu ハナテラスcaféを訪れたあと、すぐ近くの「富士桜工房」に立ち寄る。
店内には、山梨県郡内エリアの富士五湖地域で生産された色とりどりのアイテムが並ぶ。富士山の湧き水を生かした郡内（ぐんない）織物の歴史は、古くは江戸時代まで遡るという。

富士山の伏流水で染められた糸で織ったテキスタイルは、地元の職人たちの手によってさまざまなアイテムに生まれ変わる。ストールやネクタイをはじめ、傘やポーチなどの多彩なラインナップに目移りしてしまう。さまざまなメーカーの商品に出会えるこのお店の、気軽に立ち寄れる雰囲気もいい。

オーナーの山崎さんは、郡内織物についてわかりやすい言葉を使って説明してくれた。「織物をもっと身近に感じてほしい」と語る笑顔に、今まで感じていたハードルが取り除かれる。
友人や家族、贈る相手の顔が思い浮かんで、自分も自然と笑みが溢れていた。

富士桜工房（ふじさくらこうぼう）

電話／0555-72-8788
住所／南都留郡富士河口湖町大石1477-1 富士大石ハナテラスC棟
営業時間／10:00～17:00
定休日／水曜
駐車場／あり 90台

「富士桜工房」公式ホームページ

富士山の雄大な自然に抱かれる2日間を過ごしたら、身体も心も充実していることに気づく。湧水がもたらす恵みには、富士山の持つエネルギーが溶け出していたのかも。

静岡までの帰路は1時間ほど。東京までは富士山駅でレンタカーを返してから、約2時間の電車の旅だ。
後ろを振り返れば、日本一の山がいつもの何倍も近くにあるのを感じる。きっとまたここに戻って来る、そんな予感を胸に帰路に就く。