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暑い時期に災害が起こったら?夏のおすすめ防災グッズや暑さ対策・衛生対策

暑い時期に災害が起こったら?夏のおすすめ防災グッズや暑さ対策・衛生対策

いつ起きるかわからない災害。なんとなく備えはしているけれど、もし夏に被災したら…?暑い時期にあったら助かる防災グッズや、断水や停電時に備えた暑さ対策・や衛生対策の方法などをご紹介!

監修は、防災の専門家 高荷 智也さん

静岡県三島市在住。「備え・防災アドバイザー」「BCP策定アドバイザー」として、講演・執筆・コンサルティングを請け負い、メディアにも出演。心配性で怖がりな性格で、常に災害に不安を抱えていたことから独学で防災について学び始め、そこで身につけた知識を周りの人にも知ってほしいとの思いでアドバイザーとなる。備え・防災について発信する自身のYouTubeチャンネル「死なない防災!そなえるTV」はチャンネル登録者数15万人を超える。

高荷さん監修のWOMOコラム「もしライフラインが止まったら?『備え』について考えよう。」もチェック!

想像してみよう…夏に被災したときに困ることは?


「鈴木さん、こんにちは。備え・防災アドバイザーの高荷です」


「高荷さんこんにちは。今日はよろしくお願いします!昨年、災害時の「備え」について教えていただき、防災意識が高まりました。実際に防災グッズを少しずつ揃えているのですが、その中で気になることがあって……。
昨年2023年は、年間の猛暑日日数・真夏日日数ともに過去最多で、史上最も暑い年と言われていましたよね。そんな猛暑が続く夏にもしも被災してしまったら……と。夏の防災で気を付けておくべきことを教えてください」


「近年、猛暑だけでなく豪雨や台風など、夏季の大規模な災害が日本各地で発生しているので、心配ですよね」


「そうなんです。夏に災害が起きて停電したらエアコンも使えませんし、体調を崩してしまいそうですよね。暑さや湿気が多い時期の衛生面も気になりますし、避難所での生活も不安です」

知っておこう、夏の避難所の現状


「夏の災害では、停電が起こるかどうかが1番問題です。停電するとエアコン、扇風機をはじめとする冷房機器が全て止まってしまうことで、熱中症のリスクが高まるなど命の危機につながる場合もあります」


「猛暑の中で冷房機器が使えなくなることを想像すると怖いですね。そんな中でも避難所には行くべきなんでしょうか」


「被害の状況にもよりますが、もしも避難所が停電してしまったらそこは『ものすごく暑い体育館』になります。自治体も避難所の熱中症対策までは手がつけられない可能性が高いため、基本的には自宅に留まれるように個人で備えておかないといけないですね」


「暑さによる体調不良にならないように、しっかりと対策をしておかないといけないのですね」


「夏の防災というのは、基本的に暑さ対策とセットになるんです。停電にはしっかりと備えておかないといけません。そして、暑さ対策と同じくらい重要なのが衛生対策です。それでは、夏の災害が起きてしまった場合にどうすれば良いのか、何を備えておくと良いかを一緒に考えてみましょう!」

暑さ対策をしよう!備えたいものとそのポイント


「夏の防災のまず1つめのポイントは、暑さ対策。断水にも備えて、インフラを代替するための準備をすることが優先です」


「具体的にどんな準備をしたらよいのでしょうか?」


「まず停電への備えとして有効なのが、ポータブル電源です。コンセントが使えるので、大型のものだとエアコンや電子レンジを動かしたり、扇風機を1日程度動作させることもできます。小型のものでも扇風機程度なら半日くらい動かすことができるので、ポータブル電源と扇風機をつないで、日中の1番暑い時間帯だけでも暑さをしのぐのが良いでしょう」

ソーラーパネル(写真奥)、小型ポータブル電源(写真左)、大型ポータブル電源(写真中央)


「電源の容量を使い切ってしまった場合にはどうしたら良いのでしょうか」


「ソーラーパネルがあると日中に太陽光で充電ができるので便利ですよ。モバイルバッテリーを充電することもできます。

USBタイプのポータブル扇風機を備えておくとモバイルバッテリーとつないで動かすこともできます」


「普段使用している家電を停電時にも使えるように備えておくことが必要ですね。電気を使わずに暑さ対策をする方法はあるのでしょうか?」


「気化熱を利用して、一時的に暑さをしのぐ方法がありますよ。例えば、水で濡らしたタオルを首に巻いておくと、水分が蒸発するときに熱を奪ってくれるので涼しくなります。その状態でうちわや扇子などであおぐのも良いですね」


「本当だ!うちわだけよりも涼しいですね!」


「このようなアナログな方法と扇風機での送風を組み合わせると、より良いですね。他にも、冷却スプレーや冷却剤なども常備しておくと安心です」


「次に準備しておきたいものは水の備蓄です。夏場は1日に1人あたり3リットルのペットボトル水を備えてください。その時に粉末のスポーツドリンクも一緒に常備しておくと良いですよ。熱中症対策だけでなく、風邪をひいてしまった時なんかにも役立つはずです」

衛生対策をしよう!備えたいものとそのポイント


「次に衛生対策についてお伝えします。断水時の衛生対策には、『水の機能』を代替する事が必要です」


「普段水を使って洗い流したりすすいだりすることを、道具で代替するということですね!」


「その通りです。まず用意してほしいのが、非常用トイレ。断水が起こったときに一番困るのはトイレなんです。マンションなどの集合住宅は、電気ポンプを動かして各住戸へ水を送り込んでいるため、停電すると断水が起こってしまう可能性があります」


「非常用トイレはどのくらいの量を準備したらよいのでしょうか?」


「安心して飲食するためには1日5回分は必要です。50個入りの箱を1人1箱準備すると、1~2週間程度の分量となるため安心です。災害時に、トイレの回数を減らそうと水分摂取を減らしてしまう人がいますが、そうすると熱中症のリスクも高まってしまいますからね」


「次に、ウェットティッシュや除菌シート、アルコールジェルなどを備えましょう。キッチンまわり、トイレの後やお風呂に入れないときに身体を拭いたりと、さまざまな用途で使えます」


「それに、歯磨きシートや手袋型のドライシャンプーも水なしで使用できるのでおすすめです」


「この歯磨きシート、手にはめるだけで簡単だし、ミントの風味で口の中がサッパリしますね!」



「そうなんです。キャンプなどアウトドアの時にも役立つんですよ!アウトドアと言えば、夏は虫も発生しやすいため、コンパクトな虫除けスプレーなどの虫対策グッズも備えておきましょう」


「なるほど。虫刺されだけじゃなくて、生ごみの処理ができないときに虫が発生するのも避けたいのですが、何か良い方法はあるのでしょうか」


「災害時はごみ回収が滞ってしまうので、特に生ごみの処理はしっかりとしておきたいですよね。そんなときのために、消臭袋を備えておきましょう。臭いが外にもれにくいので、生ごみや非常用トイレ、使い終わったウェットティッシュなどをこの袋に入れて捨てるようにすると良いですよ」

意外と忘れがち。備蓄品も「衣替え」が必要!


「防災リュックを自宅に用意しているのですが、ついつい置きっぱなしにしがちで。季節に合わせてやるべきことはありますか?」


「夏場は冷房グッズや飲料水を増やしたり、冬はそれらを暖房グッズに入れ替えるなどの工夫をしましょう。マメにできるようであれば、衣類も季節に合わせて入れ替えておくと良いですね。また、食品類など賞味期限があるものは、年に1回は確認するクセをつけておきましょう」

最後に、高荷さんよりメッセージ


「地球温暖化が進み、夏の対策がますます重要になっています。夏は電気に頼ることが多いですが、猛暑日にエアコンを使用しない生活をイメージしてみてください。暑さ対策は必須だと気が付くはずです。必要な知識を身につけて、それに対する備えをしていきましょう」


「日頃から意識して備えることが大切ですね。高荷さん、本日はありがとうございました!」

※本コラムに掲載されている防災グッズは高荷さんの私物であり、特定の商品を推奨するものではありません。

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ライター
本杉 まこ

静岡県出身のフリーランスのライター&エディター。よく食べよく笑うことが日々の糧。「案ずるより産むが易し」の精神で前のめりに活動中。

更新日:2024/5/29

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